購入編

【融資情報】《不動産投資》2020年の各金融機関融資情報(1棟物件)

不動産投資において、1棟物件の融資は、2019年初から大変厳しくなりました。

厳しくなった、というよりは、健全化された、という表現のほうが適切かもしれません。

自己資金の乏しい人に多額の融資をする危険極まりない状況がなくなった、ということで、被害者へ減ると思われます。

少し前までは、フルローン、オーバーローンと言った、自己資金をほとんど入れずに物件を買うことができました。

しかし、そのほとんどが、不動産業者にはめられており、三為(転売)ものを買わされています。

融資が緩い銀行が軒並み使われ、物件価値以上の融資まで平気でするので、業者は上乗せ放題でした。

買主は、微妙なエリアを高値で購入しているので、キャッシュフロー率も悪く、売ろうと思っても売れません。

今はなんとか回っているように見えるので、気が付いていない人も数多くいます。

ほとんどの物件が古めのタイプなので、今後想定される家賃の下落、入居率の下落、修繕費の高騰などにより、支払いが苦しくなっていくことでしょう。

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非常に不健全な状態が続いており、不動産業者の儲けは尋常ではありませんでした。

融資が厳しくなったことで、本来不動産を買うべき人が買う、という状態になったのだと感じます。

1棟物件は、1にも2にも3にも自己資金です。

自己資金が乏しいのであれば、コツコツ時間をかけて買う以外の方法はありません。

今回は、各金融機関の特徴をまとめました。

購入プランを立てるときの参考にしてみてください。

使える銀行別に、買い増しのステップを解説しています。

急激な買い増しは不可能

未だに、とにかく早く数持ちたい、と考えている人がいますが、よほどの自己資金が無い限り、それは無理です。

そして、今後も厳しいでしょう。

この手の人は、傾向として、今の会社員の給与などになんらかの不安を抱えており、短期で急激にキャッシュフローを得て楽になりたいと思っている人が多いと感じます。

何事もそうですが、いきなり現状が楽になる手段などありません。

甘い言葉の裏には、罠が仕掛けてあります。

是非高いリテラシーを持って不動産投資に挑んでください。

不動産投資で資産を堅実に形成していくには時間がかかります。

早く始めている人ほどメリットを教授しやすい投資です。

例えば、年間家賃500万の物件があるとします。

これを1年迷っていたとすると、500万の家賃が得られる機会を失っていることになるのです。

それに気が付くべきです。

タイムイズマネーです。

 

現在の買い増しは、1棟を買うところからがスタートです(当たり前ですね)。

1棟買う前から、2棟目、3棟目のことを考える必要は、あまりありません。

但し、使う金融機関は予め整理しておくことで、ロスなく買い増しができます。

目の前の1棟を買って、キャッシュフローを貯めて、本業からの貯金もして、それを次の頭金にして1棟を買い増す、というスタンスでしか買い増しは難しくなります。

1棟を購入すると、返済がスタートします。

銀行は、この返済が相当進まないと、購入した物件を資産と見なしてくれません。

健全な買い方をしていても、購入後3年~5年ほど経過しないと、次を買う話は出てこないと思います。

キャッシュフローも、1年では次の物件を買うほどの頭金は貯まらないと思います。

早い人でも、2年か3年に1棟くらいで考えるべきです。

また、既存の借入が増えれば増えるほど買い増しは困難になります。

1棟目の購入はフルローンで通る可能性があっても、2棟目、3棟目は同じようにいきません。

借入が多くなればなるほど、必要な自己資金は増えてきます。

1棟目より3棟目の購入の方が、難易度がはるかに高い、ということです。

この難易度を自己資金でカバーしていくのです。

劇的な買い増しは不可能と心得ること

買い増しの理想的なルート

年収1,000万円以上

金融資産も、どんなに最低でも1,000万円以上は必要です。

理想的な買い増しは以下の流れです。

1.千葉銀行(年収1,500万以上かつ審査ハードルはかなり高い)

2.東京東信用金庫

3.静岡銀行

4.日本政策金融公庫

以降年数が経過すれば、再度千葉銀行など使えるようになります。

日本政策金融公庫は小さい物件向きなので、好みでなければ外して構いません。

年収700万円~1,000万円

年収が700万円以上で1,000万円未満のかたは、以下の流れです。

1.オリックス銀行

2.静岡銀行(ややチャレンジです。年収が高く、会社が大手である必要があります)

3.日本政策金融公庫

4.セゾンファンデックス

5.三井住友トラスト

以降は、セゾンファンデックスと三井住友トラストの繰り返しになるでしょう。

年収700万円未満

厳しい戦いを強いられる年収です。

流れは以下です。

1.香川銀行

2.セゾンファンデックス

3.三井住友トラスト

4.日本政策金融公庫

以降セゾンファンデックスと三井住友トラストの繰り返しになります

フルローンは望めないため、自己資金を20%前後入れながら、時間をかけてしっかりと買い増しをしましょう。

主な金融機関のスタンス

金融機関のスタンスはそれぞれ違いますが、融資に対する姿勢が厳しいことには変わりありません。

不動産投資で使える金融機関のスタンスについて触れていきます。

金融機関の融資スタンスは個人に依存するので、あくまで一般的な平均レベルだと認識ください。

支店や担当者によっても融資基準は変わります。

 

【用語について】

《年収》

本業の年収です。副業は加味しません。源泉徴収ベースの額面を指します。

《金融資産》

預貯金、株式、投信、FXなど、換金しようと思えば換金できる資産を指します(不動産などは含まれません)。

《頭金》

物件価格に応じて入れる頭金です。諸費用は含みません。諸費用は約7%前後かかるので、頭金+7%が投入に必要な自己資金と計算してください。

《価格帯》

銀行が貸し出しをする物件の価格帯です(目安)。

《金利》

貸出金利の水準です。

《物件種類》

築古なのか、築浅なのか、など、その銀行で持ち込むに相性の良い物件を指します。

千葉銀行

年収 1.500万円以上
金融資産 3,000万円以上
頭金 フル~10%
価格帯 2億円以内前後
金利 1%台前半
物件種類 築浅

不動産投資エリートといえる銀行です。

融資ハードルは高いですが、不動産投資では一番使える銀行です。

千葉銀行で融資が組めるか組めないか、で大きくその後が変わります。

最低ラインの水準は高めですが、千葉在住者には非常にやさしい傾向があります。

今回挙げている基準に全く届かなくても、相談に応じてくれたりします。

物件に関しても千葉県内を好むため、千葉在住の人は、千葉県の物件を持ち込むといいでしょう。

金利も1%台が大半です。

購入して3年から5年ほど経過すれば、2棟目の話もできる銀行です。

千葉銀行で融資を受けることができると、不動産投資の可能性は大きく広がります。

不動産投資では、No1の銀行と言って良いでしょう。

多少購入する物件を高値で買ってしまっても、金利が1%台なので、返済速度は速く、それでも失敗しないくらいの銀行と言えます。

 

【千葉銀行が使える人のステップ】

千葉銀行で購入後、3年から5年ほど経過すれば、次の物件の相談が可能になる。

千葉銀行で買える属性であれば、東京東信用金庫と静岡銀行も使える可能性が高く、双方で購入を検討すべき。

既存借入が多くなってきたら、相応の自己資金を投じれば、その他の銀行でも買い増しは可能。

オリックス銀行

年収 700万円以上
金融資産 500万円以上
頭金 フル~10%
価格帯 7,000万円以内前後
金利 2.3%~3.0%前後
物件種類 築浅

オリックス銀行は、千葉銀行よりも融資ハードルが随分落ちます。

年収が700万円を超えていれば、テーブルに乗ります。

金融資産は、そこまで多くを求められません。

但し、オリックス銀行は買い増しには向いておらず、既存借入があると、1棟目から買えない場合も多くあります(区分複数所有なども厳しい)。

1棟が買えた場合でも、2棟目以降では融資を受けることができないと思った方が良いです。

あくまで1棟目の金融機関として考えるべきです。

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年収次第ではフルローンの可能性もあるので、千葉銀行に届かない属性の場合は、オリックスを検討してみると良いでしょう。

金利は2.3%前後が多く、融資期間もしっかりと取れます。

物件が古いと、金利は3%前後になります。

千葉銀行が使える場合は、オリックス銀行は使う機会がないでしょう。

 

【オリックス銀行が使える人のステップ】

年収的に、フルローン水準ではないので、相応の自己資金を入れてセゾンファンデックスや三井住友トラストでの買い増しが現実的。

年収が1,000万に届いていなくても、大手であれば、静岡銀行が対象になる場合もあり、ヒアリングの価値はある。

静岡銀行が使えるのであれば、オリックス銀行を先に使った方がいい。

東京東信用金庫

年収 1,000万円以上
金融資産 1,000万円以上
頭金 10%~
価格帯 2億円以内前後
金利 1~2%
物件種類 築浅

年収1,000万円、金融資産1,000万円を超えていると、候補に入ります。

頭金は10%ですが、それでも少ないほうで、金利が1%台で引ける優秀な金融機関です。

年収が1,000万円を超えている場合は、間違いなく良い候補の一つに入ります。

法人での購入も可能であり、既存借入があっても問題ありません。

2棟目以降でも候補になる素晴らしい金融機関です。

千葉銀行またはオリックス銀行で1棟を購入した後、東京東信用金庫で購入し、その次に静岡銀行で購入する流れで行けば、少なくとも3棟は購入できます。

 

【東京東信用金庫が使える人のステップ】

次は静岡銀行でフルローン融資のチャレンジ。

年収的に、自己資金次第ではきらぼし銀行も視野に入る。

静岡銀行

年収 1,000万円以上
金融資産 1,000万円以上
頭金 フル~10%
価格帯 1.5億円以内前後
金利 3.6%前後台
物件種類 築古

年収1,000万円、金融資産1,000万円を超えていると、候補に入ります。

静岡銀行はフルローンも可能ですが、金利が3.6%前後になるため、利回りの高い古めの物件が候補になります。

東京、神奈川、千葉、埼玉のそれなりのエリアであれば融資対象です。

築年数が古い物件でも融資期間は取れるので、利回りが高ければ十分に回ります。

既存借入があっても融資の対象になるため、2棟目以降の候補となる銀行です。

属性が届いていれば、買い増しに使える銀行となります。

千葉銀行またはオリックス銀行、東京東信用金庫で物件を購入した後、静岡銀行で物件を購入する、という流れが良いです。

 

【静岡銀行が使える人のステップ】

相応の自己資金で他銀行で融資を受ける(セゾンファンデックス、三井住友トラストなど)。

年収的に、きらぼし銀行も視野に入る(自己資金次第)。

きらぼし銀行

年収 1.000万円以上
金融資産 2,000万円以上
頭金 10%~20%
価格帯 2.0億円以内前後
金利 1%台
物件種類 築浅

会社員への融資を厳しくしており、フルローンはほぼ不可能になっています。

頭金20%近くを入れて購入する必要があります。

金利は1%台と大変魅力的ですが、評価する物件が1億円以上になるため、1億円の自己資金20%はそれなりの金額であり、多くの会社員は候補から現実的には外れます。

既存借入も見るため、買い増しにもあまり向いていません。

現状だと厳しめの銀行という評価をしています。

 

【きらぼし銀行が使える人のステップ】

属性的には静岡銀行で買える可能性があるので、打診の価値あり。

相応の自己資金で他銀行で融資を受ける(セゾンファンデックス、三井住友トラストなど)。

香川銀行

年収 400万円以上
金融資産 500万円以上
頭金 10%~20%
価格帯 4,000万以内前後
金利 2.8%前後
物件種類 築浅~築古

年収が700万円に届かない属性が使う銀行です。

年収400万台からでもテーブルに乗り、自己資金500万円あれば1棟が買えるとあり、大変使えます。

物件価格は小ロットなので、4,000万以下ほどがターゲットになります。

自己資金も10%で買えるので、非常に活用できる銀行です。

既存借入には厳しいため、1棟目でしか使えない点で注意が必要です。

 

【香川銀行が使える人のステップ】

セゾンファンデックスか三井住友トラストでの買い増しが現実的。

三井住友トラスト

年収 400万円以上
金融資産 500万円以上
頭金 フル~30%
価格帯 1億円以内
金利 2.9%~3.9%
物件種類 築古

基本的には頭金20%あれば、購入が検討できる金融機関です。

共同担保次第では、フルローンも可能です。

共同担保がある人は、使える金融機関です。

築古との相性がよく、都内好立地系は評価の観点から相性が悪いです。

 

【三井住友トラストが使える人のステップ】

セゾンファンデックスか、同じく三井住友トラストでの買い増しが現実的。

先に香川銀行を使うといい。

セゾンファンデックス

年収 400万円以上
金融資産 500万円以上
頭金 20%~40%
価格帯 1億円以内前後
金利 3.6%
物件種類 築古

三井住友トラストと似ている金融機関です。

特徴は、自己資金が20%投入できれば、既存借入をあまり見ないで買い増しが検討できる点で、非常に使えます。

金利の関係で築古でないと収支は合いませんが、買い増しで使えるので、頭金20%投入できれば、検討してみると良いでしょう。

 

【セゾンファンデックスが使える人のステップ】

同じくセゾンファンデックスでの買い増しか、共同担保を検討した三井住友トラストでの買い増しが現実的。

先に香川銀行を使うといい。

スルガ銀行

年収 1,000万円
金融資産 曖昧
頭金 5%~10%
価格帯 2億以内程度
金利 2%台
物件種類 築浅~築古

スルガ銀行は、2020年になって融資を再開したと聞いています。

条件は比較的緩く、自己資金も優しめです。

但し、従来のような、ほぼ誰でも審査を通す、みたいなことはありません。

かぼちゃの馬車以前のスルガ銀行は本当に無茶苦茶で、低属性で自己資金の乏しい人でも次々と融資を通していました。

金利は4%台が多かったですが・・・

 

さて、復活後のスルガ銀行ですが、年収は1,000万円に届かなくても、相談可能とのことです。

価格帯も大きめが可能で、融資年数も伸ばせるため、築浅から築古まで幅広く検討可能です。

エリアに関しては、前のようにド田舎まで融資することはなく、絞っているようです。

金利は2%台と低く、総合的に非常に使えそうな条件です。

融資実績が多くないので手探りですが、スルガ銀行はかなり使えるのではないでしょうか。

 

【スルガ銀行が使える人のステップ】

再度スルガ銀行で融資を受けるも可能。

年収が1,000万円の属性であれば、静岡銀行での購入も検討できる。

日本政策金融公庫

年収 300万円
金融資産 曖昧
頭金 5%~10%
価格帯 2,000万以内前後
金利 1%台
物件種類 築古(戸建て)

日本政策金融公庫は、他と比べて審査は甘く、融資は通りやすいです。

しかし、融資年数が短いため、現実的には利回りの高い戸建てがターゲットになります。

融資年数は、女性が優遇されており、20年。

その他は基本的に10年です。

10年の融資期間でプラスキャッシュフローの出る戸建ては、意外にも多くあります。

戸建ての候補として覚えておくと良いでしょう。

 

【日本政策金融公庫が使える人のステップ】

三井住友トラストか、セゾンファンデックスが有力です。

属性がかなり高い場合であったり、自己資金が豊富な場合は、他行の選択肢もあります。

日本政策金融公庫を使うのであれば、その前に香川銀行で1棟購入しておくことをお勧めします(自己資金が無い場合は購入出来ません)。

西武信用金庫

年収 ??
金融資産 ??
頭金 ??
価格帯 ??
金利 ??
物件種類 ??

復活の兆しがありません。

新規融資はストップしており、従来の魅力であった耐用年数を超えての融資が不可能になっていると聞きます。

魅力はかなり落ちたのかな、という印象です。

滋賀銀行

年収 400万円
金融資産 曖昧
頭金 20%~
価格帯 3,000万円以内
金利 2%台
物件種類 築古

滋賀銀行を聞くようになったのでヒアリングしたところ、結局使えそうにありませんでした。

香川銀行と似たような融資スタンスで、既存借入があると基本的にNGです(1棟目のみ利用可)。

頭金も香川銀行より多く求められそうなので、滋賀銀行属性であれば、香川銀行を使う方が良いと思います。

まとめ

不動産の買い増しは、時間もかかりますし、自己資金も必要です。

昨今の無茶苦茶な融資で、多くの勘違いが生じていますが、一度冷静になって考えてみるといいでしょう。

良い物件が誰でも簡単に、自己資金もなく買えるはずがありません。

誰でもできるもの

簡単にできるもの

には、罠が仕掛けられています。

投資の世界では当たり前の話です。

自分自身の属性と照らし合わせて、どこで買えるのかを考えてみてください。

不動産投資は自己資金が重要なので、それさえあればなんとかなります。

逆に、自己資金が乏しければ、まずは自己資金を作ることから始めないといけません。

何が欲しいか、ではなく、何が買えるのか、を考え、不動産投資に挑むと良いでしょう。

多くを買うには時間がかかります。

しかし、かけた時間以上のリターンを、じわりじわりと得ることができます。

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