不動産業界の仕組みに関する話になりますが、提携ローンとは、実は恐ろしいローンなのです。
提携ローンとは、不動産業者と銀行がタッグを組んで、買主を陥れるためのローンだと思ってください。
特徴は、次の通りです。
・金利が低い
・自己資金を出さなくても買える
自己資金がなくても買える、という部分が、一見魅力的に見えてしまうのです。
※当記事は、1棟物件の提携ローンについて主に記載します(提携ローンは、区分マンションにも存在しますが、現在区分マンションの主たる購入は提携ローンで行われており、必ずしも悪くありません)。
Contents
提携ローンの裏側
提携ローンを使って、自己資金がなくても1棟が買えますよ!と謳っている不動産業者の物件は相場よりかなり割高です。

そもそも、自己資金がないのに1棟を買うというのは、危険です。
本来はある程度の自己資金がないと買えないはずの1棟ですが、提携ローンを使うことで、自己資金なしで購入できてしまうものも出てきます。
銀行は、なぜ割高である物件に無茶な融資をするのでしょうか。
その答えは、万が一買主が破産した時、残債を不動産業者が建て替える約束をしているからです。

最後は不動産業者がケツを拭いてくれるから、適当に貸しておくか、ということです。
このような提携ローンは、大手に顕著です。
大手であれば、最悪ケツ拭きしてくれるよね!
というのが銀行の考え方です。
大東○託、シ○ケン、レオパ○ス、MD○、など、このあたりの業者は有名です。
銀行と裏でズブズブの関係になっているので、相当利益を上乗せした物件でも、あり得ない融資が承認されるのです。
低金利の提案には気を付ける

良い物件を水面下で購入しようとする場合、上記で記載したようなズブズブの関係を銀行と持っている不動産業者を避ける必要があります。
不動産は、大手から買うほど高額になる傾向があります。
利益の乗っていない物件を買おうとすると、無茶苦茶な提携ローンを使うことはできません。
すると、通常のアパートローン金利になります。
医師または年収1,500万円以上かつ自己資金を3,000万以上持っているような人であれば、通常のアパートローンでも金利が1%台というのは、あり得ます。
しかし、これらに該当しないのに、1%台の金利が提案された場合は、注意してください。
金利が多少安くても、購入する物件は極めて割高であれば、投資として失敗に終わります。
長年運用していて利益が出ていない、というケースは多々あります。
自分自身の属性を見つめなおし、低金利でアパートローンが組めるのか、客観的に考え直してください。
不動産業界の参加者は様々ですが、やはりアッパーは非常にお金持ちです。
金利が低いことも重要ですが、買値を間違えると、致命的です。
自己資金なしで買えるから!といって提携ローンで不動産を買うと、割高になる可能性が高くなるので注意が必要です。
金利以上に買値が適切かチェックすべし
まとめ

自己資金がなくても1棟が買えるんだ!
と思ったらそれは大きな間違いです。
一定の自己資金を入れなくては買えないと思っておいたほうが健全です。
10棟10億円分の不動産が欲しい!
という人がいます。
しかし、この手に人に限って、相応の自己資金を持っていません。
10億円分不動産を買うのであれば、自己資金は2億円近く必要でしょう。
数年前に流行った、スルガ銀行を中心とした、フルローン、オーバーローンは、もはや幻想です。
その時購入できた人はラッキーだよな!
なんて思ったら大間違いです。
大量に購入していたメガ大家などの多くは、破産者候補です。
売れない物件を大量に所有してかつ借入が多額だからです。
このように自己資金がなく大量に買えた時期の物件は、
・微妙なエリア
⇒人が入らなくなるかつ売れない
・土地が大きい大型RC
⇒メンテナンス費用が膨大
・金利が高い
⇒元金が全然減らない
という最悪3点セットなのです。

1棟を購入するためには、絶対的に自己資金が必要です。
この感覚がないままに1棟物件を購入してしまうと、最悪自己破産に陥るような買わされ方をしてもおかしくありません。
物件購入用のローン以外に、リフォームローン、諸費用ローンなど、別のローンを連発して組み合わせるようなやり方も存在しますが、返済比率が高くなり、運用は危険になります。
提携ローンは、
・自己資金なし
・金利が低い
という特徴があり、自己資金なし、というのが一番のポイントではないでしょうか。
誰でも簡単にできるものに、まともなものがあるはずありません。
少し冷静になって考えてみると良いでしょう。