初心者編

不動産は安いほうが危険?不動産の価格とリスクの大きさは比例しない

2,000万円の1棟物件と、1億円の1棟物件では、どちらの方が怖そうですか?

2,000万円の1棟物件の方が、値段が低いからなんとなく安心だ!

と思っているようであれば、大間違いです。

・物件の価格が高いから、リスクも比例して高い

・物件の価格が低ければ、リスクも比例して低い

これは適切な考え方ではありません。

不動産は、値段が低い物件の方が高リスクである場合が少なくありません。

買いやすい価格帯のリスクが高くなる理由

需要と供給という言葉を聞いたことはありますか。

・買いたい人が多ければ、値段は上がる

・売りたい人が多ければ、値段は下がる

というシンプルなものです。

不動産も需要と供給で価格は決まっています。

1億円以上の物件は、誰でも買うことはできません。

高い属性と多くの自己資金が求められます。

また、初心者がいきなり1億円以上の物件を購入するのは、相当の勇気が必要です。

リスクが低い価格帯を狙ってみよう!

そう思う人が多ければ多いほど、その価格帯の値段は、上がってしまいます。

リスクが低いと勘違いされている代表例が、区分マンション(ワンルーム)です。

多くの人が買いやすい価格帯であるため、「このくらいの金額ならなんとかなる」と思って高値掴みをする人が後を絶ちません。

不動産業者は、このような購入者の思考を逃しません。

「なんとなく手の届きそうな価格帯」に興味を示す人が圧倒的に多いため、ワンルーム販売に特化した業者が次々に誕生しては、同じことを繰り返して多額の利益を得ています。

三為業者(転売屋)がハイエナのようにカモを探しては、買主が損する高値で区分マンションを売りまくっています。

ワンルーム販売業者は、要注意です。

同じことが、1棟物件にも言えています。

1億円は怖いけど、4,000万円ならなんとかなりそう!

と思って、微妙なエリアの築古を掴むのが、初心者によくみられる行動です。

価格が低めなので怖くない、と思って購入に踏み切ってしまう思考は危険です。

需要が集中する価格帯の物件は、かえって値上がりして割高になっていくのです。

安いからリスクが低い、高いからリスクが高い、ということではありません。

なぜでしょうか。

不動産の価値は売却できる価格

売れる値段が、不動産の資産価値になります。

買値は、一切関係ありません。

車で考えてみます。

500万円で購入しても、数年後に250万円でしか売れない場合、この車の価値は、250万であり、いくらで購入しているかは、一切関係ありません。

その車の中古市場価値が250万円前後の時に、「500万円で購入しているので400万円で売りたい」といっても、買い手は付きません。

売るときは、相場でしか売れないため、売りたければ250万円で売るしかないのです。

買い手の立場で考えれば当然です。

同じような中古の車が、250万円と400万円で出ている場合、250万円を購入するのは当たり前の行動です。

不動産でも同じです。

改めてになりますが、いくらで購入しているのかは、全く関係ありません。

売りに出した時の相場で、売れる価格は決まります。

例えば、物件Aを1,000万円で購入しても、700万円でしか売れないのであれば、物件Aの資産価値は700万円です。

逆に、物件Bを1億円で買っても、1億2,000万円で売れる物件であれば、物件Bの資産価値は1億2,000万円です(勿論このような物件に出会うチャンスはほとんどないと考えてください)。

購入価格 > 売れそうな価格 = 超過債務 です。

但し、物件価格が高い = 超過債務のリスクも高い、とは限りません。

前述した通り、1,000万円で購入しても700万円でしか売れなければ、マイナス300万円です。

1億円で購入しても、1億2,000万円で売れるのであれば、プラス2,000万円です。

物件価格が大きいだけで、リスクも比例して上がることはないのです。

今回のケースで言うと、1億円の物件を選択したほうが、リスクは低く、賢明な判断と言えます。

不動産を買うときは、必ず「売れそうな価格」に着目してください。

まとめ

値段が安いからリスクも低い

ということはないのです。

買値と売値のマイナスギャップが少ない物件を狙いにいけば、失敗しないでしょう。

勿論、売るときも需要が十分にあるとされるエリアを選ぶことは大前提です。

1,000万だから安全、ではなく、いくらで売れるのか?それに対していくらで販売されているのか、という部分に着目してください。

勿論、1億円を買えない属性と自己資金力である場合は、1億円の物件を比較対象にする必要はありません。

自分自身で買える範囲の物件を特定し、その範囲内でそれぞれの物件を比較検討してみてください。

間違えても、

1億円だから買わない!

1,000万円だから検討してみる!

というような、価格の大きさから検討すべき物件を決めないようにしてください。