購入編

【不動産投資】ワンルーム・区分マンションの管理費と修繕積立金の目安は?

ワンルーム・区分マンションの管理費と修繕積立金は、キャッシュフローに直接影響を与える重要な項目です。

甘く見てはいけません。

管理費と修繕積立金の支出が多いと、その分だけ不動産投資としての旨味が減ります。

手元のキャッシュフローが減ります。

不動産投資として、投資価値のある管理費と修繕積立金の目安はいくらなのでしょうか。

管理費8000円以上・修繕積立金1000円以下の物件は避ける

区分マンションでは、定められた管理費と修繕積立金を支払う必要があります。

管理費と修繕積立金は、管理組合によって定められているため、個人の力で変えることができません。

不動産投資において、管理費と修繕積立金が与えるキャッシュフローへの影響は、家賃に匹敵するほど大きなものになります。

それでは、管理費と修繕積立金は、安いほうが良いのでしょうか。

管理費と修繕積立金の合計が安ければいい!

と思う人は注意が必要です。

確かに、管理費は安い方が良いです。しかし、修繕積立金は違います。

修繕積立金は、マンションの価値を維持するために必要な修繕をするための資金(積立金)となります。

修繕積立金の場合、安すぎる設定のマンションには注意が必要です。

管理費は8000円以下が望ましい

投資用区分マンションに適している標準的な広さを基準にします(1Kや1Rで専有面積30㎡未満)。

毎月の管理費は、8000円以下を一つの基準にしてみてください。

管理費は、家賃と同じくらい大切です。

キャッシュフローに直接影響を及ぼします。

管理費の高い区分マンションの実質利回りは下がります。「管理費が高い = その分家賃が低い」と同じ解釈ができるのです。

区分マンションA
家賃:52,000円
管理費:6,100円
修繕積立金:3,800円

区分マンションB
家賃:58,000円
管理費:17,300円
修繕積立金:3,800円

家賃は、区分マンションBの方が高く取れています。

マンションAとマンションBの販売価格が同じである場合、マンションBの方が表面的な利回りは高くなります。

キャッシュフローはどうでしょうか。

区分マンションAは、家賃52,000円から、管理費と修繕積立金の合計である9,900円を差し引きます。

すると、42,100円が残ります。

区分マンションBは、家賃58,000円から、管理費と修繕積立金の合計である21,100円を差し引きます。

すると、36,900円が残ります。

家賃は、区分マンションBの方が高かったにも関わらず、管理費と修繕積立金を差し引いた金額は、区分マンションAの方が5,200円多く残ります(42,100円 – 36,900円)。

この結果、キャッシュフローという観点だけで見れば、区分マンションAの方が良い買い物となります。

家賃に匹敵するインパクトがあるので、決して軽視してはいけません。必ず確認しておくべき費用です。

管理費の高いマンションは、キャッシュフローが出ず、旨味がない。

修繕積立金は1000円以上

修繕積立金が1,000円に満たないようなマンションを見たことはありませんか?

修繕積立金が安いからラッキー!と思ったら危険です。

修繕積立金が1,000円以下は選ばない。3,000円以下は要注意。

修繕積立金が極端に低いマンションは、将来資産価値を下げるリスクがあると考えておいてください。

修繕積立金が、3,000円以下の物件は、将来修繕積立金が上がると思って下さい。

別記事に詳細を掲載しています。

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修繕積立金の額は、「重要事項調査報告書(仲介業者にお願いすれば取り寄せてもらえます)」という資料でわかります。

重要事項調査報告書には、マンションの管理費や修繕積立金ならびに各種滞納について記載があります。

修繕積立金が極端に低いマンションは、修繕積立金が十分に貯まっていない可能性があります。

家計で例えると、貯金がない家と同じです。

修繕積立金が貯まっていないと、次のようなことが起こります。

・建物や設備が故障した場合、速やかに修繕できない
・建物を綺麗に保つための定期メンテナンスが実施できない
大規模修繕ができない

汚いマンションに住みたいと思いますか?

設備の故障が頻繁に起きるマンションに住み続けたいと思いますか?

みなさんが「住みたくない」と思うのであれば、ほかの入居者も同じです。

マンションを購入してオーナーになった場合、

・いかに早く入居者を見つけるか
いかに長く住んでもらうか

が重要になってきます。

汚いマンションになってしまえば、空室期間が長くなるリスクがあり、危険です。

また、売るときも不利になります。

汚い外観のマンションを積極的に買いたいと思いますか?

物件を売る、ということは、次に買う人が必要です。汚いマンションであれば、欲しいと思う人が減るのは当たり前です。

さらに、築年数が古くなると、修繕積立金の総額にスポットが当たり始めます。

古くなってきているのに修繕積立金が不足していると、マンションを修繕していけないリスクが高まります。

そのようなマンションを買いたいと思いますか?

修繕積立金は、売るときも大きな影響を与えるのです。

F○ネクスト売主の物件なんかは、修繕積立金が数百円だったりします。

その時点のキャッシュフローガ数百円から3,000円前後しかなく、大変危険な物件だと言えるでしょう。

まとめ

管理費は毎月8,000円以上であれば、旨味が減ります。

単純明快です。

管理費は低くて構いません。

しかし、修繕積立金は違います。

修繕積立金が低すぎるマンションは、将来の資産価値を大きく下げるリスクがあると考えてください。

・現在どれほどの修繕積立金があるのか

・現在の修繕積立金の額は適切なのか

・今後修繕費用がどれほど必要になりそうなのか

これらは、予め確認しておく必要があります。

修繕積立金の総額(積立額)が少ないと感じたら、その理由を明確にしておきましょう。

大規模修繕直後など、多額の支出があったような場合は、健全なマンションでも修繕積立金の総額が低く推移している場合もあります。