この記事を書いた人
船橋寛之(ふなばしひろゆき)
1984年生まれ。
ドイツ育ちの不動産投資家。
不動産投資歴16年。
立教大学 経済学部卒。
リーマンショックの時に新卒で区分マンションを購入し、東京23区を中心に最大6棟55部屋を所有。
大和証券、大和総研に11年間勤務後、不動産コンサルタントとして独立。
現在は年間20億円以上の「非公開物件」仲介を行う。強みは「物件情報力」で、経験を活かしてセミナー講師や執筆活動にも携わる。
私生活では子供3人を育てる「ほぼ主夫」。
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不動産投資を成功させるためには、管理手数料の相場を正確に把握することが重要です。
一般的な相場は家賃収入の5%程度ですが、安い手数料だけで管理会社を選ぶのは危険な判断といえます。
サービス品質の低下や空室率上昇により、結果的に収益が悪化するリスクがあるからです。
本記事では適正な管理手数料の見極め方から、信頼できる管理会社の選び方まで、長期安定経営を実現するための具体的な判断基準について詳しく解説します。
何事も「安い」には注意が必要だよ!
Contents
不動産管理手数料の相場と基本的な仕組み
不動産投資を成功させるためには、管理手数料の相場を正確に把握することが重要です。
管理手数料は物件の管理を専門会社に委託する際に発生する費用で、毎月の家賃収入から一定の割合で支払われます。
適正な相場を知ることで、コストを抑えながらも質の高い管理サービスを受けることが可能になります。
不動産管理手数料の相場は家賃収入の5%
不動産管理手数料の一般的な相場は、家賃収入の5%程度とされています。
この5%という数字は、業界全体で長年にわたって定着している標準的な料率です。
管理会社が提供する標準的なサービス内容を考慮すると、5%は適正な水準といえるでしょう。
ただし、近年は競争激化により、1~3%程度の低価格を売りにする管理会社も増加しています。
都心部の新築物件や築浅物件については、管理手数料が低めに設定されるケースも多く見られます。

管理手数料の計算方法と実際の金額例
管理手数料は「(賃料+管理費・共益費)×手数料率」で計算されます。
例えば、賃料8万円、管理費1万円の物件で手数料率5%の場合、月額の管理手数料は4,500円となります。
年間では54,000円の管理手数料を支払うことになり、この金額で専門的な管理サービスを受けられます。
空室が発生した場合は、その部屋分の管理手数料は発生しないため、オーナーの負担が軽減されます。
10室のアパートで満室時の家賃収入が50万円の場合、5%なら月額25,000円、3%なら15,000円の差額が生じます。
契約方法による手数料の違い
管理委託の契約方法によって、手数料の設定は大きく異なります。
一般的な管理委託では5%程度ですが、集金管理のみの場合は3%程度に抑えることができます。
サブリース契約の場合は、管理会社が空室リスクを負うため、手数料は10~20%程度と高めに設定されています。
近年増加している定額制の管理会社では、「1戸あたり月額○円」という形で料金を設定しています。
定額制は家賃の高低に関係なく一定額のため、高額家賃の物件では割安になる可能性があります。
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不動産管理手数料に含まれる業務と追加費用が発生する業務
管理手数料を適正に評価するためには、その料金に含まれる業務範囲を正確に把握することが不可欠です。
同じ手数料率でも、管理会社によって対応してくれる業務の範囲は大きく異なります。
また、基本料金に含まれない業務については別途費用が発生するため、トータルコストを事前に計算しておく必要があります。

基本の管理手数料に含まれる標準業務
一般的な管理手数料に含まれる標準業務は以下の通りです。
・入居者募集と賃貸借契約の締結・更新
→空室が発生した際の客付け活動から契約手続きまで
・家賃の集金と滞納者への督促対応
→毎月の家賃回収と未払い時の催促業務
・入居者からのクレームや要望への対応
→日常的なトラブル対応と問題解決
・退去時の立ち会いと敷金精算業務
→退去手続きの立ち会いと原状回復範囲の確認
これらの業務は入居者に関する基本的な管理業務として、多くの管理会社で標準サービスに含まれています。
ただし、対応の質や迅速さは管理会社によって大きく差が出る部分でもあります。
別途費用が発生する可能性が高い業務
管理手数料とは別に追加費用が発生する業務も多数存在します。
原状回復工事費用は、退去時に必ず発生する費用の一つです。
単身向け物件では10~15万円程度が目安となり、部屋の状態や築年数によって金額は大きく変動します。
室内設備の修繕・交換費用も、設備の故障や経年劣化により随時発生します。
給湯器やエアコンなどの主要設備の交換には、数十万円の費用がかかることも珍しくありません。
建物全体の管理費用として、定期清掃や設備点検なども別途料金設定されている場合があります。
賃貸借契約の締結や更新についても、成功報酬として家賃の0.5~1ヶ月分程度を請求する管理会社が存在します。
管理会社によって異なる業務範囲の実態
同じ管理手数料率でも、実際の業務範囲は管理会社によって大きく異なります。
ある会社では基本サービスに含まれる業務が、別の会社では追加料金が必要になるケースも少なくありません。
例えば、簡易清掃は管理手数料に含まれていても、本格的な清掃は別料金という設定もあります。
契約前には必ず業務範囲を詳細に確認し、どこまでが基本サービスで何が追加料金なのかを明確にしておくことが重要です。
安い管理手数料に魅力を感じても、実際には多くの業務が追加料金となり、結果的に高額になってしまう可能性もあります。
安い管理手数料の管理会社を選んではいけない理由

管理手数料の安さだけで管理会社を選ぶことは、不動産投資において非常に危険な判断です。
短期的なコスト削減を優先することで、長期的には大きな損失を招く可能性があります。
賃貸経営の成功には「収入-支出」を最大化することが重要であり、単純なコストカットでは本当の収益改善にはつながりません。
安い管理手数料の裏に潜むリスクを理解し、総合的な判断を行うことが不可欠です。
物価も上がってるしね~
サービス品質の低下が入居者満足度に与える悪影響
管理手数料が格安に設定されている会社では、サービス品質が低下する可能性が高くなります。
人件費の削減により、入居者からのクレームに対する対応が遅れたり、適切な対処ができなかったりするケースが発生します。
共用部の清掃が不十分であったり、設備の不具合への対応が後回しにされたりすることで、入居者の満足度は確実に下がります。
入居者満足度の低下は短期解約に直結し、オーナーにとって最も避けたい事態を招きます。
せっかく入居してくれた借主に長期間住み続けてもらうことが、安定した賃貸経営の基本となります。
トータルコストで見ると結果的に高額になる可能性
管理手数料が安くても、他の費用が高額に設定されていれば、結果的に総コストは上昇してしまいます。
実際に、管理手数料を5%から3%に下げたものの、原状回復費用が大幅に高額となり、手元に残るキャッシュが減少したオーナーの事例も存在します。
管理手数料以外の項目として、建物管理費用や緊急対応サービス費用などの固定費も確認が必要です。
入居時報酬や更新時報酬、原状回復費用といった変動費についても、過去の実績をもとに年間の予想支出を計算しておくべきです。
表面的な安さに惑わされず、年間を通じた総合的なコスト比較を行うことが重要です。
空室率上昇による収益への深刻な影響
管理手数料の1~2%の差よりも、空室を埋めることの方が収益に与える影響は圧倒的に大きくなります。
例えば家賃5万円、10室のアパートで1室の空室がある場合、月の家賃収入は45万円となります。
この状況で管理手数料を5%から3%に下げても、月のコスト削減効果はわずか9,000円です。
しかし、手数料が5%でも空室を1室埋めることができれば、月47,500円の収益向上につながります。
管理手数料3%で9室しか埋まらない状況と、5%で満室の状況を比較すると、後者の方が月38,500円も収入が多くなります。
管理会社とオーナーの利益相反が起こるリスク
管理手数料が安い会社は、他の部分で収益を確保する必要があります。
入居時の成功報酬や退去時の原状回復工事費用を主要な収益源とする管理会社では、入居者の頻繁な入れ替わりが利益につながります。
このような収益構造では、オーナーが目指す長期入居の実現と管理会社の利益が相反する関係になってしまいます。
管理会社にとって入居者の短期解約が利益となる状況では、サービス向上への意欲は期待できません。
結果として、オーナーは高額な原状回復費用や入居付け成功報酬を頻繁に支払うことになり、管理手数料の安さによるメリットは完全に相殺されてしまいます。
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適正な不動産管理手数料を見極める判断基準
管理手数料が適正かどうかを判断するためには、体系的なアプローチが必要です。
単純に手数料の高低だけを比較するのではなく、提供されるサービス内容と総合的なコストバランスを評価することが重要になります。
適切な判断基準を持つことで、長期的な賃貸経営の成功につながる管理会社を選択できます。
以下の3つのステップを順番に実行することで、客観的で合理的な判断が可能になります。

現在の管理内容とコストを正確に把握する
まず、現在契約している管理会社でのコスト構造を詳細に分析する必要があります。
管理手数料の料率だけでなく、その手数料に含まれる具体的な業務内容を確認しましょう。
管理手数料以外に発生している費用項目をすべて洗い出し、年間の総額を計算します。
建物管理費用、客付け成功報酬、更新手数料、原状回復工事費用など、すべての支出を記録することが重要です。
過去1~2年分の実績データを整理することで、より正確な現状把握が可能になります。
値切るだけはかわいそうだよ・・・
複数社の見積もりで市場価格と比較検討する
現状のコスト構造を把握したら、他社との比較検討を行います。
管理会社の一括査定サイトを活用することで、効率的に複数社の見積もりを取得できます。
見積もり比較の際は、管理手数料だけでなく、建物管理費用、成功報酬、原状回復費用などトータルコストで評価することが必須です。
入居・退去の頻度を考慮して、年間の予想支出をシミュレーションすることで、より現実的な比較が可能になります。

管理手数料と業務内容のバランスを評価する
最終的な判断では、コストとサービス品質のバランスを総合的に評価します。
手数料が安くても業務範囲が限定的であれば、結果的に割高になる可能性があります。
逆に手数料がやや高くても、充実したサービスにより空室率が下がれば、収益向上につながります。
管理会社の収益構造にも注目し、オーナーとの利益相反が起こらない健全なビジネスモデルかどうかを確認することも重要です。
長期的な視点で、安定した賃貸経営をサポートしてくれる管理会社を選択することが、最終的な成功への鍵となります。
信頼できる管理会社を選ぶための具体的な方法
適正な管理手数料を見極めた後は、実際に信頼できる管理会社を選定する段階に入ります。
数値だけでは判断できない管理会社の実力や対応品質を確認するための、具体的な方法が存在します。
これらの方法を活用することで、長期的なパートナーとして信頼できる管理会社を見つけることができます。
事前の調査と確認を怠らずに行うことで、契約後のトラブルや失敗を防ぐことが可能になります。
入居率95%以上を維持している会社を選ぶ
管理会社選定において最も重要な指標は入居率です。
入居率95%以上を維持している管理会社であれば、客付け力に優れていると判断できます。
97%や98%といった細かな数値の差にこだわる必要はありませんが、95%を下回る場合は慎重な検討が必要です。
入居率の算出方法は管理会社によって若干異なるため、計算根拠についても確認しておきましょう。
都心部の区分マンションと地方の一棟アパートでは客付けの難易度が異なるため、自分の物件に近いタイプの管理実績を重視することが重要です。
管理会社のホームページやパンフレットに入居率が掲載されていることが多いので、積極的にアピールしている会社を候補に含めると良いでしょう。

レスポンスの速さと対応品質を事前に確認する
管理会社の対応品質は、契約前のやり取りである程度判断することができます。
問い合わせや資料請求に対する返信の速さは、日常業務での対応力を示す重要な指標です。
電話での応対や面談時の担当者の態度からも、その会社の顧客対応への姿勢を読み取ることができます。
質問に対して具体的で的確な回答をしてくれるかどうかも、専門性と誠実さを判断する材料になります。
相談した際に適切な改善策や提案をしてくれる管理会社は、オーナーの立場に立って考えてくれる良いパートナーとなる可能性が高いです。
連絡の取りやすさや報告の頻度についても、事前に確認しておくことをお勧めします。
レスの早さは大事!
実際の管理物件の状態を現地で確認する
管理会社の実力を最も正確に把握する方法は、実際に管理している物件を現地で確認することです。
建物の外観や共用部の清掃状態から、日常的な管理品質を判断できます。
ゴミ置き場の整理整頓状況や私物の放置状況なども、管理の行き届き具合を示すバロメーターとなります。
雑草の処理や植栽の手入れ状況からも、細やかな配慮がなされているかを確認できます。
エントランスや廊下の照明が切れていないか、掲示物が適切に管理されているかなども重要なチェックポイントです。
可能であれば、異なる立地や築年数の複数の管理物件を確認することで、より客観的な判断ができるでしょう。
管理状態の良い物件を多く手がけている管理会社であれば、自分の物件についても同様の品質管理を期待できます。

まとめ:適正な管理手数料で長期安定経営を実現しよう

不動産管理手数料の相場は家賃収入の5%程度ですが、安さだけで管理会社を選ぶことは避けるべきです。
サービス品質の低下や空室率の上昇により、結果的に収益が悪化するリスクが高いからです。
重要なのは、管理手数料と提供されるサービス内容のバランスを総合的に評価することです。
現在の管理状況を正確に把握し、複数社の見積もりを比較検討した上で、入居率95%以上を維持する信頼できる管理会社を選択しましょう。
管理会社の対応品質は契約前のやり取りで確認でき、実際の管理物件を現地で確認することで、より確実な判断が可能になります。
適正な管理手数料で質の高いサービスを受けることで、長期的な賃貸経営の成功と安定した収益の確保を実現できるでしょう。
