購入編

区分マンション(ワンルーム)と1棟物件の違いを知る~メリット・デメリット~

区分マンション(ワンルーム)と1棟物件の違いを理解していないと、不動産の買い増しは困難になります。

不動産投資は、それぞれの人の資産背景、勤務先、年収などで変わってきます。

ワンルームから始めたほうが良い人もいれば、1棟から始めたほうがいい人もいます。

結論からですが、1棟が買える資産背景の人が、区分を買うのは大変勿体ない行為と言えます。

内容は5分動画にまとめました!
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このような中、ワンルーム業者に行くと、どんな属性でもワンルームの提案しかありません。

自社の物件を売らないと利益にならないからです。

このような、自社物件を売っている不動産業者に相談にいくのは誤りです。

ワンルームから1棟まで広く扱っており、人ぞれぞれに違う提案ができる人または不動産業者に相談すべきでしょう。

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不動産には買い増しの仕方があり、そこにはしっかりとした理由があります。

ワンルームと1棟の違いを理解しておくことで、今後の不動産投資戦略が立てやすくなります。

1棟の視点で、メリットとデメリットを書いていきます。

1棟物件のメリット

区分と比べた1棟のメリットは、主に5つです。

収益力

なんといっても1棟は収益力が高いことです。

ワンルームは、家賃から管理費や修繕積立金を引く必要があります。

これら費用は、オーナーの独断で変えられるものではなく、必ずマンションごとに決められた額を支払う必要があります。

家賃に対する管理修繕積立金比率は高いため、表面利回りが高くても、手残りは少なかったりします。

また、古くなると修繕積立金は上がる傾向があるので、実質利回りは一層下がります。

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そこから、さらにローンや固定資産税を差し引くと、あまり手元に残りません。

ある程度適正な値段で購入できていれば、6年から10年ほどの保有で、売ったときに現金が回収できますが、それも多くはないでしょう。

ワンルームは、2020年現在、頭金が10万ほどで始められるような投資であるため、使っている現金の少なさから、トータルの儲けが少ないのも、ある意味では当然です。

1棟物件は融資ハードルこそ上がりますが、それ相応のリターンを得られるチャンスがあります。

2,000万や3,000万の1棟でも月のキャッシュフローで10万円を超える収益を上げることも可能であり、収益力の視点で考えると、ワンルームの数倍~10倍以上にはなるでしょう。

銀行評価が出る

ワンルームは、土地の権利が自分自身にないため、物件自体の評価は全然出ません(敷地権と呼びます)。

ワンルームをいくら持っていても、銀行にはほとんど評価されません。

ましてやローンを組んで買っているとなると、そのプラス評価は、残債が買値の半分くらいにならないと出てきません。

そのくらい、ワンルームの銀行評価は低いのです。

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これに対し、1棟は土地も自分のものになるため、銀行評価が出ます。

評価の出る物件を持っていることで、買い増しが可能になってきます。

銀行の評価額 > 残債

になるスピードが区分マンションより早いので、次購入する時に、超過債務者になりません。

銀行の評価額 < 残債

の物件を持っていれば、借入の方が大きいため、銀行から見ると超過債務者です。

不動産を中長期的に買い増していきたい!

と思っているのであれば、間違いなく1棟物件を買っていくべきです。

土地値以降値下がらない

1棟を買うと、土地が自分のものになります。

築60年の木造だから価値がない、ということはないのです。

土地には必ず値段があり、土地値以降は下がらなくなります。

例えば、新築時5,000万の木造アパートがあるとします。

その土地値が約2,500万円である場合、築40年でも2,500万円前後以上では推移しますし、築60年でも同じです。

土地値がおおよそ2,500万円であれば、それ以降価格は下がりにくくなるのです。

古くても流動性がある

築60年の木造なんて売れないんじゃないか?

と思ったら間違いです。

古くなると、建て替えが視野に入ります。

場所がそこそこであれば、建て替えて新築して転売するような業者や、戸建てが建つ土地であればハウスメーカーなども購入に参入してきます。

土地に需要があれば、その価値は築何年であろうと、保たれるのです。

特に古くなってくると、建て替え需要が増すので、流動性もしっかりと確保されます。

場所さえ田舎でなければ、古くても問題なく売れるのです。

経験値が格段に上がる

野球で言うと、区分マンション(ワンルーム)は、2軍かそれ以下です。

1棟は、メジャーリーグです。

それほど、区分マンションと1棟物件では見るべきポイントや必要になる知識が違います。

不動産は、適正価格で入居者の入る立地でさえ買えれば負けにくい投資である点は変わりませんが、1棟の方が難易度が高いため、得られる経験は大きなものになります。

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区分だけを経験している人と、1棟まで経験できている人では、知識差は全然違うものになるでしょう。

1棟物件のデメリット

1棟物件のデメリットは主に3つです。

融資ハードルが格段に高い

区分マンションの融資は、プロ野球でいう2軍です。

1棟の融資は、メジャーリーグです。

そのくらい融資ハードルは変わります。

1棟に関して言うと、自己資金のない人は買えません。

しっかりと貯金のある人が候補になります。

規模の大きな物件になれば、求められる自己資金もかなり多くなるだけでなく、本業の年収も重要になってきます。

両方のハードルが格段に上がるので、買える人、がそもそも少なくなります。

1棟の場合は、何が欲しい、ではなく、自分には何が買えるのか、を先に把握しておく必要があるでしょう。

そのくらい、欲しものが買えるわけではない厳しい世界なのです。

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金利が高い

区分マンションは、多くの場合、業者が売主になっているため、提携ローンが使えます。

ワンルームの金利は、平均的に1.64%~1.9%です(2020年現在)。

1棟の場合、融資ハードルが格段に上がることに加え、金利も上がります。

提携ローンと言う概念はなく、区分マンションのような金利で簡単には借りられません。

一部大手の物件であれば提携ローンもありますが、そもそもの販売価格が高いため、投資家に旨味はありません。

1%台の金利であれば、相当良い部類です。

エリートかつ豊富な自己資金があるようなケース以外は、2%以上が普通で、3%後半くらいまでで考える必要があります。

金利が高いと元金の減りは遅くなるため、区分マンションと比べると、この点はデメリットと言えるでしょう。

立地で劣る(空室リスク)

区分マンションは、良い立地に建設される関係上、1棟に比べて立地で勝ります。

逆に言うと、1棟は立地でワンルームに劣るのです。

しかし、不動産投資は、投資です。

立地が良ければ利回りが下がる

収益性が下がる

立地が悪ければ利回りは上がる

収益性は上がる

です。

これはある意味投資の世界では当たり前です。

リスクとリターンは表裏一体です。

神奈川、千葉、埼玉でも、ある程度のエリアであれば、入居者は十分に見つかります(入居率自体も95%以上を確保することも難しくありません)。

満室に近い稼働で回すのも不可能ではありません。

東京の区分マンションと比べれば入居率で数%劣ります。

しかし、収益力は数%どころか数倍~10倍以上も変わってくるので、ある程度の入居率を確保しながら回していくことができれば、確実に1棟に軍配が上がります。

まとめ

1棟が買えるのであれば、まずは1棟を検討すべきです。

どのようなランクの1棟が買えるのか?

が先です。

1棟が買える属性であっても、まずは区分から経験してみたい!

はアリです。

最終的にみなが行きつく先は1棟の購入ですが、その過程は様々です。

間違ってもワンルーム業者に話を聞いて、ワンルームの提案1択を受けるようなことは避けましょう。

1棟はとにかく現預金が鍵を握るので、現預金に自信のある人は、1棟を視野に入れて選択肢を広げてみることをお勧めします。