この記事を書いた人
船橋寛之(ふなばしひろゆき)
1984年生まれ。
ドイツ育ちの不動産投資家。
不動産投資歴16年。
立教大学 経済学部卒。
リーマンショックの時に新卒で区分マンションを購入し、東京23区を中心に最大6棟55部屋を所有。
大和証券、大和総研に11年間勤務後、不動産コンサルタントとして独立。
現在は年間20億円以上の「非公開物件」仲介を行う。強みは「物件情報力」で、経験を活かしてセミナー講師や執筆活動にも携わる。
私生活では子供3人を育てる「ほぼ主夫」。
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不動産投資に興味があるものの、大きな初期投資や運用の手間が気になる方も多いのではないでしょうか。
そんな方におすすめなのが不動産ETFです。
不動産ETFは、少額から始められ、専門知識がなくても手軽に不動産投資を始められる金融商品として注目を集めています。
しかし、「不動産ETFとREITの違いがわからない」「具体的な始め方がわからない」という声も多く聞かれます。
本記事では、不動産ETFの基本的な仕組みから、REITとの違い、具体的な投資方法まで、初心者にもわかりやすく解説します。
高い分配金利回りが期待でき、かつ国内外の不動産に分散投資ができる不動産ETFの魅力を、しっかりとお伝えしていきましょう。
Contents
不動産ETFとは?初心者向け基礎知識

不動産ETF(上場投資信託)は、不動産投資信託(REIT)を投資対象とした金融商品です。
少額から不動産投資市場に参加できる特徴があり、証券取引所で株式と同じように売買できます。
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不動産ETFの基本的な仕組み
不動産ETFは、複数のREITに分散投資することで、不動産市場全体の動きを効率的に捉えることができる投資商品です。
その基本的な仕組みは以下の通りです。
ファンドの構造:
・運用会社がREITに投資するファンドを組成
・投資家から集めた資金で複数のREITを購入
・インデックス(指数)に連動した運用を実施
取引の特徴:
・証券取引所での売買が可能
・リアルタイムで価格が変動
・株式と同様の取引手法が適用
不動産ETFの投資対象と特徴
不動産ETFの投資対象は主に国内外のREITです。
その特徴と投資対象について詳しく見ていきましょう。
主な投資対象
・国内REIT(J-REIT)
・海外の主要REITインデックス
・グローバルREIT市場
投資対象となる不動産の種類は多岐にわたり、以下のような特徴があります。
・オフィスビル:安定した賃料収入が期待できる
・商業施設:消費動向に連動した収益性
・住宅:景気変動の影響を受けにくい
・物流施設:eコマースの成長と共に注目度上昇
・ホテル:観光需要に連動した収益機会
なぜ今不動産ETFが注目されているのか
不動産ETFは、近年の経済環境の変化と投資家ニーズの多様化を背景に、かつてない注目を集めています。
特に長期化する低金利環境において、安定した収益を求める投資家にとって、相対的に高い分配金利回りを提供する不動産ETFは魅力的な投資先となっています。
また、従来の不動産投資では必要だった多額の初期投資や専門的な知識・経験が不要な点も、幅広い投資家層から支持を得ている要因です。
確かに不動産って安定しているイメージがあるね
特に若年層や投資初心者にとって、少額から始められる不動産投資の入り口として注目を集めています。
さらに、市場の不確実性が高まる中で、投資家の分散投資ニーズも拡大しています。
不動産ETFは、伝統的な株式や債券とは異なる値動きを示すため、ポートフォリオの分散化手段として効果的です。
運用の手間も最小限で済むため、長期投資の対象としても人気を集めています。
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不動産投資信託(REIT)との違いを理解しよう
REITと不動産ETFは、似て非なる投資商品です。
それぞれの特徴を理解することで、より適切な投資判断が可能になります。
REITの基本的な仕組み
REITは、多くの投資家から集めた資金を用いて実物不動産に投資し、その運用収益を投資家に還元する金融商品です。
難しい・・・
具体的には、オフィスビル、商業施設、マンションなどの収益不動産を購入・保有し、テナントからの賃料収入や物件売却益を主な収益源としています。
REITの大きな特徴は、投資家の利益を守るための制度的な保護が充実している点です。
例えば、法律により、得られた利益の90%以上を投資家に配当することが義務付けられており、この配当要件を満たすことで法人税が実質的に非課税となります。
また、運用はプロフェッショナルチームによって行われ、投資家は専門知識がなくても不動産投資に参加できます。
REITへの投資は投資口単位で行われ、多くの場合、証券取引所に上場されているため、株式と同様に売買が可能です。
主な特徴をまとめると以下の通りです。
投資家の保護:
・90%以上の配当義務
・厳格な情報開示要件
・運用に関する各種規制
REITと不動産ETFの主な違い
両者の主な違いは以下の点にあります。
・投資形態の違い
→REITは直接不動産に投資、ETFはREITに投資
・運用方法の違い
→REITは能動的運用、ETFは指数連動型が主流
・取引単位の違い
→ETFの方が一般的に少額から取引可能
・流動性の違い
→ETFの方が売買が容易で流動性が高い
それぞれの投資特性を比較
投資特性の違いを理解することで、自分に合った投資方法を選択できます:
リスク特性:
・REIT
→個別不動産のリスクが直接影響
・ETF
→分散投資効果でリスクを軽減
リターン特性:
・REIT
→個別物件の運用成果が反映
・ETF
→市場全体の動きに連動
コスト面:
・REIT
→売買手数料が比較的高額
・ETF
→手数料が相対的に低水準
不動産ETFの特徴と仕組み
不動産ETFには独自の特徴と仕組みがあり、これらを理解することで投資効果を最大限に引き出すことができます。
国内REITインデックスへの連動性
不動産ETFの価格変動は、以下のような要因で国内REITインデックスと強い連動性を持ちます。
インデックス連動の仕組み
・指数の構成銘柄に忠実に投資
・定期的なリバランスで連動性を維持
・運用の透明性が高い
このインデックス連動により、市場全体の値動きを効率的に捉えることができ、分散投資効果も得られます。
高い分配金利回りの源泉
不動産ETFが実現している高い分配金利回りの背景には、複数の要因が重なり合っています。
まず、投資対象となるREITそのものが、法令により高い配当性向を維持することが求められています。
分配金が高いのは嬉しいよね!
REITは配当可能利益の90%以上を投資家に還元する必要があり、この制度的な裏付けが安定した分配金の基盤となっています。
さらに、不動産ETFはインデックス運用を採用することで、運用コストを最小限に抑えることに成功しています。
アクティブ運用と比較して売買頻度が低く、取引コストを抑制できる点も、投資家への還元率を高めることにつながっています。
また、REITに適用される税制優遇も重要な要素です。配当可能利益の90%超を分配することで法人税が実質的に非課税となり、この税務上のメリットも高い分配金利回りを支える要因となっています。
このように、制度面、運用面、税制面からの複合的な効果により、不動産ETFは魅力的な分配金利回りを実現しているのです。
少額から始められる不動産投資
不動産ETFは、従来の不動産投資と比べて圧倒的に少額から始められる特徴があります。
投資開始のハードル:
・最低投資額:2,000円〜数万円程度
・取引単位:1口から購入可能
・追加投資も少額から可能
このように、不動産ETFは伝統的な不動産投資の敷居を大きく下げ、より多くの投資家に不動産投資の機会を提供しています。
不動産ETF投資の5つのメリット

不動産ETFには、従来の不動産投資と比較して多くのメリットがあります。
主な利点を詳しく見ていきましょう。
REITよりも少額で分散投資が可能
不動産ETFの最大の魅力の一つが、少額での分散投資可能性です:
投資金額の特徴:
・数千円から投資開始が可能
・複数のREITに自動的に分散投資
・段階的な投資額の調整が容易
専門知識不要の簡単運用
不動産ETFは、専門的な知識がなくても始められる投資方法です:
・運用の容易さ
→インデックス連動で自動的に市場平均のリターンを獲得
・情報収集の効率
→市場全体の動きを把握するだけでOK
・投資判断のシンプルさ
→複雑な不動産分析が不要
高い流動性で売買が容易
証券取引所で取引される特性により、高い流動性を確保しています。
取引の特徴:
・リアルタイムでの売買が可能
・株式と同様の取引手法が使える
・換金性が高い
インデックス連動で安定運用
インデックスに連動する運用により、安定性が確保されています。
安定運用の要因:
・市場全体の動きに連動
・分散投資効果による平準化
・長期投資に適した特性
国内外の不動産に幅広く投資可能
グローバルな投資機会へのアクセスが容易になっています。
投資対象の多様性:
・国内REITへの投資
・海外REITへの投資
・グローバル分散投資の実現
不動産ETF投資の3つの注意点

不動産ETFには多くのメリットがある一方で、投資する際には以下の点に注意が必要です。
市場変動の影響を受けやすい
株式市場で取引される金融商品としての特性上、以下のようなリスクがあります:
市場リスク要因:
・不動産市況の変動による影響
・金利動向による価格変動
・株式市場全体の動きに連動
レバレッジ効果が限定的
現物不動産投資と比較して、以下の点で収益機会が限定される可能性があります:
・レバレッジの制限
→信用取引以外での借入活用が困難
・収益機会の限定
→不動産価格の上昇による資産価値増加効果が間接的
・運用の柔軟性
→個別物件の価値向上施策が実施できない
節税効果が得られにくい
金融商品としての性質上、以下のような税務上の制約があります:
税務上の特徴:
・不動産所得としての損益通算が不可
・減価償却費の計上ができない
・相続税評価における優遇措置なし
現物不動産投資とETFの重要な違い
不動産ETFと現物不動産投資では、投資アプローチが大きく異なります。
それぞれの特徴を詳しく比較してみましょう。
レバレッジ効果の違いを理解する
資金効率の面で、両者には大きな違いがあります:
現物不動産投資の特徴:
・住宅ローンによる高いレバレッジが可能
・少額の自己資金で大きな物件取得が可能
・資産価値上昇時の収益機会が大きい
不動産ETFの特徴:
・レバレッジは信用取引の範囲内
・投資額と概ね同等の資産取得
・市場変動に応じた収益機会
節税効果から見た特徴の違い
税務面での取り扱いにも重要な違いがあります。
現物不動産投資の節税効果:
・減価償却費による節税が可能
・不動産所得での損益通算が可能
・相続税評価額の軽減措置あり
不動産ETFの税務上の特徴:
・配当所得・譲渡所得として課税
・特別な節税効果は限定的
・時価評価による相続税課税
運用の手間と管理コストを比較
運用管理面でも大きな違いがあります。
現物不動産の運用特性:
・物件管理の手間が必要
・定期的な修繕費用が発生
・テナント対応が必要
不動産ETFの運用特性:
・管理の手間が最小限
・運用コストが低め
・プロによる一元管理
人気の不動産ETF商品を比較
国内で取引される主要な不動産ETF商品について、その特徴を見ていきましょう。
国内REIT ETFの銘柄分析
国内REIT市場への投資手段として、最も代表的なのが東証REIT指数に連動するETFです。
例えば、「NF・J-REIT ETF」は、東証市場に上場しているJ-REITを幅広く組み入れており、純資産総額も4,700億円を超える国内最大級の不動産ETFとなっています。
このような国内REIT ETFの特徴は、J-REIT市場全体の値動きを効率的に捉えられる点です。
2024年6月時点での分配金利回りは4.3%と、日本の株式ETFと比較して相対的に高い水準を維持しています。
また、日本の不動産市場の回復基調を反映し、長期的な値上がり益も期待できる状況にあります。
ETFは売買が簡単なのはいいよね!
海外REIT ETFの特徴
海外REIT ETFは、グローバルな不動産市場への分散投資を可能にする商品です。
特に米国REIT市場を対象とした商品は、世界最大の不動産投資市場へのアクセスを提供します。
例えば「NF・外国REITヘッジ無ETF」は、S&P先進国REIT指数(除く日本)に連動する運用を行い、世界の主要な不動産市場に幅広く投資することができます。
海外REIT ETFの特徴的な点は、為替変動による影響を考慮する必要がある点です。為替ヘッジ付きと為替ヘッジなしの商品が用意されており、投資家は自身の為替リスクへの見方に応じて選択することができます。
また、各国の不動産市場への分散投資により、特定の国や地域のリスクを軽減することも可能です。
期待できる分配金利回りを解説
不動産ETFの分配金利回りは、投資対象となる市場によって特徴が異なります。
国内REIT ETFは一般的に3〜5%程度の利回りを提供し、安定した分配金収入が期待できます。
一方、海外REIT ETFは3〜4%程度の利回り水準となっていますが、為替変動による上乗せ効果が期待できる場合もあります。
グローバル型の商品は、複数の市場に分散投資することで3〜4.5%程度の利回りを実現しています。
特に、新興国の不動産市場への投資比率が高い商品では、より高い利回りを期待できる可能性もありますが、その分リスクも高くなる点に注意が必要です。
不動産ETF投資の始め方ガイド

不動産ETFへの投資を始めるための具体的な手順を解説します。
証券口座開設から購入までの手順
不動産ETFへの投資を始めるには、まず証券会社の選択が重要です。
取引手数料や取扱銘柄数、取引ツールの使いやすさなどを比較検討しましょう。
特にネット証券各社は手数料が安く、スマートフォンでも取引できる便利なツールを提供しています。
口座開設は、本人確認書類と携帯電話やメールアドレスがあれば、最短で当日から取引可能です。
開始までのステップ:
・証券会社の選択と口座開設
・投資資金の入金
・取引ツールの使い方確認
・銘柄の選定と購入
具体的な取引方法と注意点
不動産ETFは株式と同様の方法で取引できます。
一般的な銘柄は10口単位での取引で、2024年2月時点では1万円から2万円程度で投資を始めることができます。
取引時間は平日の9:00から15:30までですが、特に市場の開始直後と終了前は価格が不安定になりやすいため注意が必要です。
取引の際は、価格重視なら指値注文、スピード重視なら成行注文を選択します。
コストについては、売買時の手数料に加え、保有中の信託報酬(年率0.2〜0.3%程度)、さらに売買価格の差(スプレッド)も考慮に入れる必要があります。
特に取引量の少ない銘柄は、スプレッドが大きくなりやすいため、銘柄選択時の判断材料としましょう。
長期運用での収益化のコツ
不動産ETFで安定した収益を上げるためには、長期的な視点での運用が重要です。
市場は短期的に上下動を繰り返しますが、定期的な積立投資を行うことで、価格変動による影響を平準化することができます。
また、得られた分配金を再投資に回すことで複利効果を活用し、資産形成を加速させることも可能です。
運用戦略のポイント:
・定期的な積立投資の活用
・分配金の再投資による複利効果
・市場変動への対応方法
まとめ:不動産ETFで始める賢い不動産投資

不動産ETFは、伝統的な不動産投資の特徴を継承しながら、より手軽に不動産市場への投資機会を提供する金融商品として進化を遂げています。
数千円という少額から始められる手軽さは、多くの投資家に新たな投資機会を提供し、不動産投資の裾野を大きく広げることに貢献しています。
特筆すべきメリットとして、証券取引所での売買による高い流動性と、専門知識を必要としない簡便な運用手法が挙げられます。
また、複数のREITに自動的に分散投資される仕組みは、個別銘柄のリスクを軽減し、安定的な運用を可能にしています。
不動産市場への投資は、インフレヘッジや分散投資の観点からも注目されており、長期的な資産形成における重要な選択肢となっています。
一方で、株式市場で取引される金融商品という性質上、市場変動の影響を受けやすい点には注意が必要です。
また、現物不動産投資と比較すると、レバレッジ効果や税務上のメリットが限定的である点も理解しておく必要があります。
投資を検討する際は、まず自身の投資目的やリスク許容度を明確にし、それに合致した商品を選択することが重要です。
また、市場の短期的な変動に一喜一憂することなく、長期的な視点で運用を行うことが望ましいでしょう。
定期的な積立投資や分配金の再投資を活用することで、複利効果を最大限に活用した効果的な資産形成が期待できます。
不動産ETFは、不動産投資の新たな扉を開く可能性を秘めています。
適切な理解と運用方針に基づいて活用することで、より充実した投資ポートフォリオの構築に貢献することでしょう。
