東京東信用金庫の融資が2020年5月から厳しくなりました。
東京東信用金庫(ひがしん)は、主に千葉を拠点とする信用金庫です。
頭金10%以内、金利1%台後半、融資期間約30年で融資が引ける、不動産投資では優秀な金融機関でした。
年収1,000万、金融資産1,000万ほどが対象顧客層です。
※当情報は不動産売買の現場における金融機関の変化について感じたことであり、支店などによっても変わってきます。
東京東信用金庫の融資条件変更
主に以下の4点で変更があったと思われます。
【居住地の追加】
今までは千葉県の所定エリアに法人を設立すれば融資の対象になっていましたが、実際に所定のエリアに住んでいることが条件になりました。
これにより、千葉県の所定エリア外に住んでいる人が対象から外れてしまいました。
そもそも融資打診をするテーブルに乗らない人がかなり増えてしまったという点においては、非常に大きな変更です。
今までであれば、千葉以外に住んでいる人でも、千葉県内のエリアに本店を構える資産管理法人を設立すればOKでしたが、それができなくなったということです。
年収や金融資産がクリアできていても、住んでいる場所で対象から外れてしまうのは、かなりの痛手です。
【融資割合(頭金)】
頭金10%未満の投入でも融資を受けることは可能でしたが、頭金割合が引き上げられたように感じます。
今後の展開次第ですが、頭金10%くらいは見ておいた方が良いでしょう。
頭金10%は、今ではほとんどの金融機関のスタンダードです。
【金利】
金利は1%台後半も可能であった点は非常に魅力的でした。
千葉銀行には届かないけれど、オリックスの2%ちょいよりはベター、ということでひがしんの金利1%後半は重宝されていたと思います。
ここにきて、2%どころか、2.5%という話も出てきています。
今までのように金利1%台で融資を受けるのは難しくなりそうな気がしています(勿論、高属性かつ素晴らしい金融資産を持っていれば別だとは思いますが)。
【融資期間】
木造新築で30年ほどは融資期間が取れていましたが、ここにきて25年という話が出てきています。
全体として融資期間が縮小傾向にあり、融資期間が短くなるということは、当然キャッシュフローへのインパクトが出てきます。
その分、高利回りを選択するか、頭金を多くするかの対応が必要になってきます。
利息の総支払額が減るという点もありますが、多くの投資家はキャッシュフロー重視なので、融資期間が短くなることは、痛手です。
土地先行決済に対して慎重な金融機関が増えた
新型コロナウイルスの影響もあり、土地先行決済に対する融資に慎重になる金融機関が増えました。
2020年5月に、筑波銀行で審査を受けていたお客様が、開発リスクが懸念されることから、土地先行決済の本審査でNG判定を受けています。
属性と金融資産は、共に文句なしの内容でした。
審査当初は問題なく進んでいましたが、新型コロナウイルス問題による建築におけるリスクが増したため、土地先行決済案件は控える、というものでした。
筑波銀行に限らず、最近は土地先行決済案件を進めにくくなっています。
完成済みの物件に対する融資が主流になりそうです。
そのような中、ひがしんは土地先行決済案件も可能である点も魅力的でした。
現在も土地先行決済案件を受け付けていますが、上記に記載したような条件変更がありました。
土地先行決済案件を完成済みにするためには、不動産業者が一度建築費を全て出さなくてはいけません。
こう考えると、土地の仕入れまで済ませていた業者から、更地がそのまま売りに出てくることも考えられます。
まとめ
不動産投資の融資は、2020年に入り、一層厳しくなっていると思います。
区分マンションの融資はそれほど影響を受けておらず、フルローンは可能ですが、1棟融資は大変厳しくなっています。
私はキャッシュで買えます!
というような人が、有利になる時期です。
2019年初には、2020年ごろには融資は少し戻るであろうという予想が多かったものの、現時点では緩和どころか一層の引き締めになっています。
不動産投資ではなく、事業系の融資を伸ばそうとしており、過剰だった不動産投資の融資は当面の間終焉を迎えそうな雰囲気です。
勿論、多額の自己資金を持っている人への融資は、引き続き行っています。
お金持ちにはいつだって優しいのが銀行です。
1棟であれば、最低でも数千万単位~1億円前後の現金を持っていないと厳しいでしょう。
戸建てや小ぶりな1棟でも、最低500万円ほどは使えないと難しいでしょう。
不動産投資の本質が求められる時代へと突入してきています。
これからさらに二極化が進むでしょう。