この記事を書いた人
船橋寛之(ふなばしひろゆき)
1984年生まれ。
ドイツ育ちの不動産投資家。
不動産投資歴16年。
立教大学 経済学部卒。
リーマンショックの時に新卒で区分マンションを購入し、東京23区を中心に最大6棟55部屋を所有。
大和証券、大和総研に11年間勤務後、不動産コンサルタントとして独立。
現在は年間20億円以上の「非公開物件」仲介を行う。強みは「物件情報力」で、経験を活かしてセミナー講師や執筆活動にも携わる。
私生活では子供3人を育てる「ほぼ主夫」。
水面下で取引される 「非公開物件情報」はこちら (メルアド登録のみ) |
不動産収入がある方にとって、ふるさと納税は大きなメリットをもたらす制度です。
通常のサラリーマンよりも控除限度額が高くなるため、より多くの寄付が可能となり、その分だけ多様な返礼品を受け取れます。
しかし、不動産所得がある場合は確定申告の方法や注意点も変わってきます。
特に不動産所得が20万円を超える場合はワンストップ特例制度が使えなくなるなど、把握しておくべきポイントがあります。
本記事では、不動産収入とふるさと納税を組み合わせるメリットや正しい控除限度額の計算方法、確定申告の注意点まで詳しく解説します。
不動産投資をしている方は、ぜひこの記事を参考に、より効果的な税金対策を実践してみてください。
Contents
不動産収入がある人のふるさと納税メリット3選

ふるさと納税は自治体に寄付をすることで税金の控除を受けられる制度ですが、不動産収入がある方にとっては、一般のサラリーマンよりもさらに大きなメリットがあります。
不動産投資を行っている方や不動産収入がある方が、このふるさと納税制度を活用することで、どのようなメリットが得られるのか詳しく見ていきましょう。
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不動産収入で控除限度額が増加するしくみ
ふるさと納税における最大のメリットは、不動産収入があることで控除限度額が増加することです。
控除限度額とは、ふるさと納税で寄付できる上限額のことで、この金額までであれば2,000円の自己負担額だけで寄付ができる仕組みになっています。
不動産収入がある場合、給与収入と不動産所得(不動産収入から必要経費を引いた額)を合算した金額が総所得となります。
この総所得に基づいて控除限度額が計算されるため、不動産収入がプラスであれば、その分だけ控除限度額も上がるのです。
例えば、給与収入400万円の夫婦世帯の場合、通常の控除限度額は約3万3,000円ですが、これに不動産所得が200万円加わると、控除限度額は約6万9,000円まで増加します。
つまり、不動産収入があることで、より多くの金額をふるさと納税に回せるようになり、その分だけ税金の控除を多く受けられるというわけです。

選べる返礼品の幅が広がるメリット
ふるさと納税の魅力の一つは、寄付のお礼として各自治体から送られてくる返礼品です。
控除限度額が増えることで、より高額な寄付が可能になり、選べる返礼品の幅も大きく広がります。
わくわく!
通常の給与所得だけでは選べなかった高級な返礼品や、複数の自治体に分散して寄付することで様々な返礼品を組み合わせて受け取ることができます。
例えば、控除限度額が3万円程度では、1つの自治体に寄付するか、数カ所に少額ずつ分けるかの選択肢に限られていましたが、7万円程度になると、複数の自治体にまとまった金額を寄付することが可能になります。
これにより、地域の特産品や高級食材、家電製品など、より価値の高い返礼品を選べるようになるのです。
また、複数の自治体に寄付することで、食品から日用品、体験型サービスまで多様な返礼品を受け取ることができ、生活を豊かにする選択肢が広がります。
不動産投資と組み合わせた効果的な税金対策
不動産収入とふるさと納税を組み合わせることで、より効果的な税金対策が可能になります。
不動産投資では、減価償却費や修繕費などの経費を計上することで節税効果がありますが、それに加えてふるさと納税による税額控除を活用することで、さらに税負担を軽減することができます。
特に、不動産投資が黒字の場合(利益が出ている場合)は、その分だけ所得税・住民税の負担が増えるため、ふるさと納税による控除を活用することが効果的です。
また、不動産投資の収支状況に応じて、ふるさと納税の金額を調整することも可能です。

利益が多く出た年には控除限度額も増えるため、積極的にふるさと納税を行い、逆に赤字や修繕などで経費が多くなる年には、控除限度額が下がることを考慮してふるさと納税の金額を調整するという戦略も取れます。
このように、不動産投資の収支サイクルとふるさと納税を組み合わせることで、長期的な視点での税金対策が可能になるのです。
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不動産収入がある場合のふるさと納税控除限度額の計算方法
不動産収入がある方がふるさと納税を最大限活用するためには、正確な控除限度額を知ることが重要です。
ここでは、不動産収入を含めた控除限度額の計算方法について、具体的な例を交えながら詳しく解説していきます。
不動産収入を含めた控除限度額の基本計算式
ふるさと納税の控除限度額は、基本的に以下の計算式で求めることができます。
控除限度額 = (住民税所得割額 × 控除率) + 2,000円
住民税所得割額は、課税所得金額に税率(通常10%)を掛けた金額です。
課税所得金額は、給与収入から給与所得控除や社会保険料控除などを差し引いた金額に、不動産所得(不動産収入から必要経費を引いた額)を合算したものになります。
控除率は課税所得金額に応じて異なり、一般的には以下のように区分されます。
・195万円以下:23.559%
・195万円超~330万円以下:25.066%
・330万円超~695万円以下:28.744%
・695万円超~900万円以下:30.068%
・900万円超~1,800万円以下:35.520%
・1,800万円超~4,000万円以下:40.683%
・4,000万円超:45.398%
簡易的な計算方法としては、住民税所得割額に0.2を掛けた金額を目安にすることもできます。
不動産投資で利益がある場合の具体的な計算例
不動産投資で利益が出ている場合の控除限度額の計算例を見てみましょう。
例えば、夫婦世帯で給与収入が400万円、不動産所得が200万円(不動産収入300万円-必要経費100万円)の場合を考えます。
まず、給与収入から給与所得を算出します。
給与所得 = 給与収入 - 給与所得控除
給与収入が400万円の場合、給与所得控除は約98万円となるため、 給与所得 = 400万円 - 98万円 = 302万円
次に、社会保険料などの所得控除を考慮します。
所得控除の合計額を給与収入の15%と仮定すると、 所得控除額 = 400万円 × 0.15 = 60万円
課税所得金額の計算は以下の通りです。
課税所得金額 = 給与所得 + 不動産所得 - 所得控除額 = 302万円 + 200万円 - 60万円 = 442万円
この課税所得金額(442万円)は330万円超~695万円以下の区分に該当するため、控除率は28.744%となります。
住民税所得割額は、課税所得金額に税率10%を掛けた金額です。
住民税所得割額 = 442万円 × 0.1 = 44.2万円
最終的な控除限度額は以下のように計算されます。
控除限度額 = (44.2万円 × 0.28744) + 2,000円 = 約12.9万円 + 2,000円 = 約13.1万円
この計算より、給与収入400万円のみの場合の控除限度額が約3.3万円であるのに対し、不動産所得200万円が加わることで控除限度額が約13.1万円まで大幅に上昇することがわかります。
不動産投資で赤字が出ている場合の計算例と対処法
一方、不動産投資で赤字が出ている場合は、控除限度額が減少します。
例えば、給与収入400万円で不動産所得が▲100万円(不動産収入100万円-必要経費200万円)の場合を考えてみましょう。
給与所得の計算は先ほどと同様に約302万円となり、所得控除額も同じく約60万円です。
課税所得金額の計算は以下の通りです。
課税所得金額 = 302万円 + (▲100万円) - 60万円 = 142万円
この課税所得金額(142万円)は、195万円以下の区分に該当するため、控除率は23.559%となります。
住民税所得割額 = 142万円 × 0.1 = 14.2万円
控除限度額 = (14.2万円 × 0.23559) + 2,000円 = 約3.3万円 + 2,000円 = 約3.5万円
このように、不動産投資で赤字が出ている場合は、控除限度額が減少してしまうため、ふるさと納税の金額を調整する必要があります。
赤字が予想される年には、事前に控除限度額を正確に計算し、その範囲内でふるさと納税を行うことが重要です。
また、赤字が大きい場合は、翌年以降に繰り越すことも検討しましょう。
不動産収入別の控除限度額シミュレーション活用法
より正確な控除限度額を知るためには、ふるさと納税のポータルサイトなどで提供されているシミュレーターを活用するのが便利です。
多くのふるさと納税サイトでは、年収や家族構成、不動産所得などの情報を入力するだけで、簡単に控除限度額を計算できるシミュレーションツールを提供しています。
これらのシミュレーターを活用する際のポイントは以下の通りです。
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まず、給与収入と不動産所得を分けて入力できるシミュレーターを選びましょう。
一般的なシミュレーターでは「年収」の欄に給与収入だけを入力してしまいがちですが、不動産所得がある場合は、合算した金額を入力するか、不動産所得を別途入力できるものを使うことが重要です。
また、不動産所得が赤字の場合は、マイナスの数値をきちんと入力できるシミュレーターを選ぶことも大切です。
シミュレーション結果はあくまで目安であり、実際の控除限度額は確定申告の際に正確に計算されます。
最終的な確認としては、前年の確定申告書や住民税決定通知書を参照するとより正確です。
特に不動産所得の変動が激しい場合は、複数のシナリオ(黒字の場合・赤字の場合など)でシミュレーションを行い、控除限度額の幅を把握しておくことをおすすめします。
これにより、年間を通じてふるさと納税をいつ、いくら行うかの戦略を立てやすくなります。
不動産収入がある人のふるさと納税手続きガイド

不動産収入がある方がふるさと納税を行う場合、一般的なサラリーマンとは手続きが異なる点があります。
ここでは、不動産収入がある方が効率的にふるさと納税を行うための手続きの流れや申請方法を詳しく解説します。
不動産収入とふるさと納税の基本的な手続きの流れ
不動産収入がある方のふるさと納税の基本的な手続きの流れは以下の通りです。
まず初めに、給与所得と不動産所得を合算した金額から控除限度額を計算します。
前章で説明した計算方法やシミュレーターを利用して、自分の控除限度額を把握しましょう。
次に、控除限度額の範囲内で寄付する自治体と金額を決定します。
寄付先は自分の故郷や応援したい自治体、魅力的な返礼品がある自治体など、自由に選ぶことができます。
寄付の申し込みは、各自治体の公式サイトやふるさと納税専用のポータルサイトから行うことができます。
寄付後は、自治体から「寄附金受領証明書」が送られてきますので、大切に保管しておきましょう。
この受領証明書は、後の確定申告や控除申請に必要となります。
最後に、確定申告を行って寄付金控除を申請するか、ワンストップ特例制度を利用します。
ただし、不動産所得が20万円を超える場合は、確定申告が必須となるため注意が必要です。
ワンストップ特例制度と確定申告の選択ポイント
ふるさと納税の控除を受ける方法としては、「ワンストップ特例制度」と「確定申告」の2つの方法があります。
不動産収入がある方は、どちらを選ぶべきかのポイントを押さえておきましょう。
ワンストップ特例制度は、確定申告をせずに控除を受けられる便利な制度ですが、以下の条件をすべて満たす必要があります。
・寄付する自治体が5つ以下であること
・給与所得者で確定申告が不要であること
・不動産所得が20万円以下であること
不動産所得が20万円を超える場合は、所得税の申告義務が生じるため、ワンストップ特例制度は利用できません。
面倒くさい・・・
また、医療費控除や住宅ローン控除などの他の控除と併用する場合も、確定申告が必要です。
確定申告を選択する場合のメリットとしては、所得税からの還付を受けられる点が挙げられます。
ワンストップ特例制度では住民税からの控除のみとなりますが、確定申告を行うと所得税からの還付と住民税からの控除の両方を受けることができます。
不動産所得がある方は、基本的に確定申告を行う方が有利なケースが多いと言えるでしょう。
確定申告での不動産収入とふるさと納税の申請方法
確定申告で不動産収入とふるさと納税の両方を申告する手順を詳しく見ていきましょう。
確定申告は、毎年2月16日から3月15日までの期間に行います。
申告書はe-Taxでのオンライン申告か、紙の申告書を使用する方法があります。
不動産所得の申告については、確定申告書Bの第一表の「収入金額等」と「所得金額」の「不動産」の欄に、不動産収入の金額と必要経費控除後の所得金額を記入します。
青色申告を行っている場合は、青色申告決算書も添付する必要があります。
ふるさと納税の寄付金控除については、第一表の「寄附金控除」の欄に、寄付した金額の合計を記入します。
また、第二表の「住民税・事業税に関する事項」の「寄附金税額控除」の欄に、各自治体への寄付金額と自治体名を記入します。
必要書類としては、ふるさと納税を行った全ての自治体から送られてきた「寄附金受領証明書」を添付します。
e-Taxで申告する場合は、受領証明書をPDFなどの電子データとして添付します。
また、不動産所得の証明書類として、不動産収入の根拠となる賃貸契約書や入金記録、経費の領収書なども準備しておくと良いでしょう。

控除が正しく適用されたか確認する方法
ふるさと納税の控除が正しく適用されたかどうかを確認する方法を解説します。
確定申告を行った場合、所得税の還付については申告から1〜2ヶ月後に指定した口座に還付金が振り込まれます。
振込金額が、寄付した金額から2,000円を引いた額に所得税率を掛けた金額と一致しているかを確認しましょう。
住民税の控除については、毎年5〜6月頃に届く「住民税決定通知書」で確認することができます。
通知書の「摘要」欄に「寄附金税額控除額:○○円」という記載があり、この金額が寄付した合計金額から2,000円を引いた額から所得税の還付額を差し引いた金額と一致しているかを確認します。
もし控除額が予想と大きく異なる場合は、計算ミスや申告漏れの可能性があります。
その場合は、最寄りの税務署や住民税を担当する市区町村の窓口に問い合わせると良いでしょう。
また、翌年以降のふるさと納税の参考にするためにも、控除額の記録を残しておくことをおすすめします。

不動産収入別の控除限度額シミュレーション活用法
より正確な控除限度額を知るためには、ふるさと納税のポータルサイトなどで提供されているシミュレーターを活用するのが便利です。
多くのふるさと納税サイトでは、年収や家族構成、不動産所得などの情報を入力するだけで、簡単に控除限度額を計算できるシミュレーションツールを提供しています。
これらのシミュレーターを活用する際のポイントは以下の通りです。
まず、給与収入と不動産所得を分けて入力できるシミュレーターを選びましょう。
一般的なシミュレーターでは「年収」の欄に給与収入だけを入力してしまいがちですが、不動産所得がある場合は、合算した金額を入力するか、不動産所得を別途入力できるものを使うことが重要です。
また、不動産所得が赤字の場合は、マイナスの数値をきちんと入力できるシミュレーターを選ぶことも大切です。
シミュレーション結果はあくまで目安であり、実際の控除限度額は確定申告の際に正確に計算されます。
最終的な確認としては、前年の確定申告書や住民税決定通知書を参照するとより正確です。
特に不動産所得の変動が激しい場合は、複数のシナリオ(黒字の場合・赤字の場合など)でシミュレーションを行い、控除限度額の幅を把握しておくことをおすすめします。
これにより、年間を通じてふるさと納税をいつ、いくら行うかの戦略を立てやすくなります。
不動産収入がある人のふるさと納税手続きガイド
不動産収入がある方がふるさと納税を行う場合、一般的なサラリーマンとは手続きが異なる点があります。
ここでは、不動産収入がある方が効率的にふるさと納税を行うための手続きの流れや申請方法を詳しく解説します。

不動産収入とふるさと納税の基本的な手続きの流れ
不動産収入がある方のふるさと納税の基本的な手続きの流れは以下の通りです。
まず初めに、給与所得と不動産所得を合算した金額から控除限度額を計算します。
前章で説明した計算方法やシミュレーターを利用して、自分の控除限度額を把握しましょう。
次に、控除限度額の範囲内で寄付する自治体と金額を決定します。
寄付先は自分の故郷や応援したい自治体、魅力的な返礼品がある自治体など、自由に選ぶことができます。
寄付の申し込みは、各自治体の公式サイトやふるさと納税専用のポータルサイトから行うことができます。
寄付後は、自治体から「寄附金受領証明書」が送られてきますので、大切に保管しておきましょう。
この受領証明書は、後の確定申告や控除申請に必要となります。
最後に、確定申告を行って寄付金控除を申請するか、ワンストップ特例制度を利用します。
ただし、不動産所得が20万円を超える場合は、確定申告が必須となるため注意が必要です。
ワンストップ特例制度と確定申告の選択ポイント
ふるさと納税の控除を受ける方法としては、「ワンストップ特例制度」と「確定申告」の2つの方法があります。
不動産収入がある方は、どちらを選ぶべきかのポイントを押さえておきましょう。
ワンストップ特例制度は、確定申告をせずに控除を受けられる便利な制度ですが、以下の条件をすべて満たす必要があります。
・寄付する自治体が5つ以下であること
・給与所得者で確定申告が不要であること
・不動産所得が20万円以下であること
不動産所得が20万円を超える場合は、所得税の申告義務が生じるため、ワンストップ特例制度は利用できません。
また、医療費控除や住宅ローン控除などの他の控除と併用する場合も、確定申告が必要です。
確定申告を選択する場合のメリットとしては、所得税からの還付を受けられる点が挙げられます。
ワンストップ特例制度では住民税からの控除のみとなりますが、確定申告を行うと所得税からの還付と住民税からの控除の両方を受けることができます。
不動産所得がある方は、基本的に確定申告を行う方が有利なケースが多いと言えるでしょう。
確定申告での不動産収入とふるさと納税の申請方法
確定申告で不動産収入とふるさと納税の両方を申告する手順を詳しく見ていきましょう。
確定申告は、毎年2月16日から3月15日までの期間に行います。
申告書はe-Taxでのオンライン申告か、紙の申告書を使用する方法があります。
不動産所得の申告については、確定申告書Bの第一表の「収入金額等」と「所得金額」の「不動産」の欄に、不動産収入の金額と必要経費控除後の所得金額を記入します。
青色申告を行っている場合は、青色申告決算書も添付する必要があります。
ふるさと納税の寄付金控除については、第一表の「寄附金控除」の欄に、寄付した金額の合計を記入します。
また、第二表の「住民税・事業税に関する事項」の「寄附金税額控除」の欄に、各自治体への寄付金額と自治体名を記入します。
必要書類としては、ふるさと納税を行った全ての自治体から送られてきた「寄附金受領証明書」を添付します。
e-Taxで申告する場合は、受領証明書をPDFなどの電子データとして添付します。
また、不動産所得の証明書類として、不動産収入の根拠となる賃貸契約書や入金記録、経費の領収書なども準備しておくと良いでしょう。
控除が正しく適用されたか確認する方法
ふるさと納税の控除が正しく適用されたかどうかを確認する方法を解説します。
確定申告を行った場合、所得税の還付については申告から1〜2ヶ月後に指定した口座に還付金が振り込まれます。
振込金額が、寄付した金額から2,000円を引いた額に所得税率を掛けた金額と一致しているかを確認しましょう。
住民税の控除については、毎年5〜6月頃に届く「住民税決定通知書」で確認することができます。
通知書の「摘要」欄に「寄附金税額控除額:○○円」という記載があり、この金額が寄付した合計金額から2,000円を引いた額から所得税の還付額を差し引いた金額と一致しているかを確認します。
もし控除額が予想と大きく異なる場合は、計算ミスや申告漏れの可能性があります。
その場合は、最寄りの税務署や住民税を担当する市区町村の窓口に問い合わせると良いでしょう。
また、翌年以降のふるさと納税の参考にするためにも、控除額の記録を残しておくことをおすすめします。
不動産収入とふるさと納税の併用時の注意点4つ
不動産収入とふるさと納税を組み合わせることで大きなメリットが得られる一方で、いくつかの注意点も存在します。
ここでは、不動産収入がある方がふるさと納税を行う際に注意すべきポイントを4つ紹介します。
不動産収入が20万円を超える場合の確定申告義務
不動産収入がある方がふるさと納税を行う際の最も重要な注意点は、不動産所得が20万円を超える場合は必ず確定申告が必要になるということです。
所得税法上、給与所得以外の所得が20万円を超える場合は確定申告の義務が生じます。
そのため、不動産所得が20万円を超える場合は、ふるさと納税のワンストップ特例制度を利用することができません。
仮にワンストップ特例制度の申請書を提出していたとしても、確定申告が必要な場合はその申請が無効となり、改めて確定申告でふるさと納税の控除を申請する必要があります。
確定申告を忘れると、せっかくのふるさと納税の控除を受けられなくなるだけでなく、申告漏れとして税務署から指摘される可能性もあります。
不動産所得が年によって変動する場合は特に注意が必要で、毎年の収支状況をしっかりと把握し、確定申告の要否を判断することが重要です。
不動産投資の収支変動に合わせたふるさと納税の調整法
不動産投資の収支は年によって大きく変動することがあります。
大規模修繕を行った年は経費が増えて赤字になることもあれば、空室率が低い年は黒字が大きくなることもあります。
このような収支の変動に合わせてふるさと納税の金額を調整することが、最適な税金対策につながります。
不動産投資が大きく黒字になると予想される年には、控除限度額も増加するため、積極的にふるさと納税を行うことで税負担を軽減できます。
逆に、大規模修繕などで赤字が見込まれる年は、控除限度額が下がるため、ふるさと納税の金額を抑えめにするか、翌年に回すことを検討しましょう。
年の途中で収支の見通しが立ってきたら、その時点で控除限度額を再計算し、年末に向けてふるさと納税の金額を調整するといった戦略も有効です。
また、複数の不動産を所有している場合は、修繕などの大きな支出を分散させることで、毎年の収支を平準化し、安定した控除限度額を確保する方法も検討できます。
会社に不動産収入を知られずに手続きする方法
副業として不動産投資を行っている場合、会社に知られたくないという方も少なくありません。
なんとなくわかる・・・
通常、確定申告を行うと、その情報が住んでいる自治体に引き継がれ、住民税は「特別徴収」として勤務先の会社を通じて徴収されるため、会社に不動産所得の存在が知られてしまう可能性があります。
これを避けるためには、確定申告書の第二表にある「住民税・事業税に関する事項」の欄で、住民税の徴収方法を「普通徴収」(自分で納付)を選択します。
具体的には、「自分で納付」にチェックを入れることで、住民税の通知や納付書が直接自宅に送られるようになり、会社に知られることなく納税することができます。
ただし、普通徴収を選択すると、住民税を自分で納付する手間が増えることや、うっかり納付を忘れるリスクがあることには注意が必要です。
納付忘れを防ぐためには、口座振替の設定をしておくことをおすすめします。

高額な返礼品を受け取る際の税務上の注意点
ふるさと納税で高額な返礼品を受け取る場合、税務上の注意点があります。
ふるさと納税の返礼品は原則として非課税ですが、返礼品の価値が高額になると「一時所得」として課税される可能性があります。
一般的には、年間の返礼品の価値が50万円を超える場合、超過分が一時所得として課税対象となる可能性があります。
ただし、一時所得は年間50万円までの特別控除があるため、返礼品の価値がこの金額を超えなければ実質的に課税されることはありません。
また、返礼品の価値は寄付金額の3割以下と法律で定められているため、例えば100万円の寄付をしても返礼品の価値は30万円程度になります。
この制限があるため、実際に一時所得として課税されるケースは非常に稀と言えるでしょう。
しかし、複数の自治体に高額な寄付をして多くの返礼品を受け取る場合や、他の一時所得(懸賞や福引の賞金など)と合算すると50万円を超える場合は注意が必要です。
一時所得が課税対象となる場合は、確定申告で申告する必要があります。
不動産所得と合わせて確定申告を行う際に、返礼品による一時所得についても正確に申告することを心がけましょう。

不動産収入×ふるさと納税の実践ガイド

ここまでで不動産収入とふるさと納税の組み合わせのメリットや注意点について学んできました。
この章では、実際にどのように実践していけば良いのか、初心者から経験者まで役立つ具体的なガイドを提供します。
初めて不動産収入を得る年のふるさと納税戦略
不動産投資を始めたばかりの方や、初めて不動産収入を得る年のふるさと納税戦略について解説します。
最初の年は不動産収入の金額や収支バランスが読みにくいため、慎重な計画が必要です。
初年度は保守的な見積もりでふるさと納税を行うことをおすすめします。
具体的には、年の前半(1月〜9月頃)はふるさと納税を控えめにし、年末に向けて不動産収入の状況を見ながら調整するという方法が賢明です。
初年度は減価償却費や修繕費などの経費が多くなりがちなため、思ったよりも不動産所得が少なくなる(あるいは赤字になる)可能性があることも考慮しましょう。
また、初めての確定申告に備えて、収入や経費の証拠書類(契約書、領収書など)をきちんと保管しておくことも大切です。
不動産収入を得る初年度は、税理士などの専門家に相談することも検討すると良いでしょう。
ふるさと納税の控除限度額の計算だけでなく、不動産投資全体の税務戦略についてアドバイスを得ることで、より効果的な税金対策が可能になります。
不動産収入の変動に応じた年間寄付プランの立て方
不動産収入は年によって変動するため、それに応じた年間寄付プランを立てることが重要です。
まず、年初に過去の実績や今年の見通しを基に仮の年間プランを立てます。
例えば、前年の不動産所得が150万円だった場合、今年も同程度と仮定して控除限度額を計算し、年間の寄付目標額を設定します。
次に、四半期ごとなど定期的に収支状況を確認し、プランを調整します。
空室が続いたり予想外の修繕が必要になったりした場合は、寄付予定額を下方修正します。
逆に、想定以上に収入が安定していれば、寄付額を増やすことも検討できます。
年間の寄付プランを立てる際には、時期による分散も考慮しましょう。
人気の返礼品は年末に品切れになることも多いため、年間を通じて計画的に寄付することをおすすめします。
また、確定申告の期限(翌年3月15日)に間に合うように、12月末までに寄付を完了させることも重要です。
特に年末は寄付が集中するため、余裕をもって手続きを進めることが大切です。
確定申告時の具体的なチェックリスト
不動産収入とふるさと納税を組み合わせた確定申告を行う際の具体的なチェックリストを紹介します。
確定申告の準備は早めに始めることが大切です。
以下の書類や情報を事前に揃えておきましょう。
・全ての不動産収入の記録(賃料入金履歴など)
・不動産投資の経費に関する領収書や明細書
・ふるさと納税の寄附金受領証明書(全ての自治体分)
・前年の確定申告書(控え)
・源泉徴収票(給与所得がある場合)
・社会保険料控除証明書
・医療費控除や住宅ローン控除など、他の控除に関する書類
確定申告書の作成時には、以下の点を特に注意してチェックしましょう。
・不動産所得の計算が正確か(収入から経費を適切に差し引いているか)
・青色申告の場合、必要書類が全て揃っているか
・ふるさと納税の寄附金控除の金額が正しく記入されているか
・住民税の徴収方法(特別徴収か普通徴収か)が希望通りに選択されているか
・e-Taxで申告する場合、添付書類が正しくアップロードされているか
確定申告書の提出前には、記入漏れや計算ミスがないか、最終チェックを行いましょう。
特に、不動産所得とふるさと納税の金額は税額に大きく影響するため、慎重に確認することが重要です。
申告後は、申告書の控えと添付書類のコピーを保管しておきましょう。
所得税の還付や住民税の決定通知を受け取ったら、申告内容と一致しているか確認します。

不動産収入×ふるさと納税で控除限度額アップ!まとめ

不動産収入とふるさと納税を組み合わせることで、通常よりも多くの控除を受けられることが分かりました。
不動産所得がプラスになれば控除限度額が増加し、より多くの寄付が可能になるため、税金対策としても大きな効果が期待できます。
一方で、不動産所得が20万円を超える場合は確定申告が必須となり、ワンストップ特例制度が利用できなくなることにも注意が必要です。
不動産投資の収支は年によって変動するため、年間の収支見通しをしっかりと立て、それに応じてふるさと納税の金額を調整することが重要です。

また、確定申告の際には不動産所得とふるさと納税の両方を正確に申告し、控除が正しく適用されるようにしましょう。
不動産収入がある方がふるさと納税を活用する場合、最初は複雑に感じるかもしれませんが、基本的な仕組みを理解し、計画的に実践することで大きなメリットを得ることができます。
副業としての不動産投資と組み合わせて、ふるさと納税も上手に活用し、効果的な資産形成と税金対策を実現してください。
不安な点がある場合は、税理士などの専門家に相談することも検討しましょう。
正しい知識と戦略で、不動産収入とふるさと納税の両方のメリットを最大限に享受できることを願っています。
