1棟物件の融資は、すっかり厳しくなり、一部の資産家または高属性の人でないと、複数棟の購入は難しくなりました。
そのような中でも、ワンルームの融資は依然として緩く、年収指標にもほとんど変化は見られませんでした。
しかし、ここにきて、2つの銀行で金利の引き上げが発表されました。
ソニー銀行とオリックス銀行です。
区分マンション(ワンルーム)で使われている提携ローンとしては、非常にメジャーです。
ワンルームの場合、
・じぶん銀行
・イオン銀行
・ソニー銀行
・オリックス銀行
・SBJ銀行
が提携ローンとしては主流です。
最近ではここに
・香川銀行
も加わっています。
金利の上昇は、今後のワンルーム融資に対する変化の兆しかもしれません。
Contents
ソニー銀行の変化内容
ソニー銀行といえば、ワンルームにおいては最も低い金利水準である1.64%で借りられることで有名です。
年収のハードルも比較的に低く、400万台から、会社の規模や勤続年数によっては借りることができます。
1.64%という低めの金利であるため、35年融資でもそこそこプラスのキャッシュフローが出せる優秀な銀行です。
今回どの程度金利が変わるのでしょうか。
【変更前】
金利:1.64%
【変更後】
金利:1.641%
0.01%かい!
と思いますが、0.01%でも上げてきたことに意味があると思います。
正直、0.01%であれば、今までとそこまで変わりません。
収支上のインパクトも限定的と言えるでしょう。
変更後も変わらず35年ローンで黒字を出すことは難しくないでしょう。
ただし、今回金利を少し上げてきたことで、今後も上昇してくる可能性があると考えています。
オリックス銀行の変化内容
オリックス銀行では、大きな変化がありました。
ワンルームのオリックスといえば、融資期間で最大45年が可能ということで有名です。
45年のローンを引けば、当然収支はかなり良くなります。
大きなプラスが出てくるので、人気のローンでした。
しかし、ここにきて金利に変化がありました。
どの程度の変化だったのでしょうか。
【変更前】
金利:1.9%
【変更後】
金利:2.4%
0.5%です。
これは正直・・・でかいです。
大きな変化だといえます。
実質的に、45年ローンはやめようよ、ということだと思います。
長期ローンであるため、0.5%の差は、インパクトが想像以上に大きく、支払い利息は明確に増えるといえるレベルで、ソニー銀行の変更と比べると、ショックが大きいのではないでしょうか。
ワンルームを販売している不動産業者も、この変更はショックだと思います。
0.5%の金利上昇が何を意味しているのでしょうか。
どのような背景からこのような決断に至ったのでしょうか。
最近1棟の融資が厳しくなっている背景に、会社員の方の不動産融資での事故率が上昇している、というものがあります。
相場観のない人が不動産を買っているので、相場よりの高値で業者に買わされており、その返済に苦しくなっているのです。
不動産の場合、購入してから数年は経過しないと、そもそもうまくいっているのか、うまくいっていないのかの判断すらつかないことも多くあります。
ワンルームを購入しているような人たちは、ほとんどの人が業者の転売モノを高値で買っているため、一部で返済に苦しんでいる人が出てきているのではないかと予想しています。
事故のリスクヘッジとして、今回長期ローンの金利を0.5%も上げてきたと推測しています。
まとめ
変化がほとんどなかったワンルームの融資にも変化が見えてきました。
1棟を購入できる層が激減した今、ワンルームまでも購入しにくくなると、不動産業者はどんどん倒産していくでしょう。
ワンルームの審査基準や求めらえる自己資金に変更があったわけではないので、購入できる層へのインパクトはあまりありませんが、金利の上昇は、雲行きの怪しさを感じます。
他の銀行の動向も気になります。
不動産の価格は、融資情勢(経済政策)に左右されます。
主には必要な自己資金で決まります。
2020年現在は、頭金10万円でワンルームが買えます。
頭金300万円ださないと買えないよ!
なんて時代が来ると、購入できる人が激減するので価格は落ちます。
今回は金利に対する変化なので、価格への影響は限定的だと思われますが、今後の情勢には注目しておく必要がありそうです。