この記事を書いた人
船橋寛之(ふなばしひろゆき)
1984年生まれ。
ドイツ育ちの不動産投資家。
不動産投資歴16年。
立教大学 経済学部卒。
リーマンショックの時に新卒で区分マンションを購入し、東京23区を中心に最大6棟55部屋を所有。
大和証券、大和総研に11年間勤務後、不動産コンサルタントとして独立。
現在は年間20億円以上の「非公開物件」仲介を行う。強みは「物件情報力」で、経験を活かしてセミナー講師や執筆活動にも携わる。
私生活では子供3人を育てる「ほぼ主夫」。
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現在の賃貸管理会社に不満があり、管理会社の変更を検討している不動産オーナーの方は多いのではないでしょうか。
しかし、いざ管理解約を申し出ると「家賃6ヶ月分の違約金が必要」と告げられ、泣く泣く現状維持を選択せざるを得ないケースが後を絶ちません。
管理会社による違約金設定は、オーナーの管理会社変更を実質的に阻止する「囲い込み戦略」として機能しているのが実情です。
本記事では、不動産管理解約時の違約金について、発生する仕組みから回避方法まで徹底解説します。
適切な知識と準備があれば、違約金リスクを最小限に抑えながら、より良い管理会社への変更が可能になります。
悪質な違約金を設定している管理会社は多いから要注意だよ!
Contents
不動産管理解約で違約金が発生する仕組み
不動産管理解約時の違約金は、管理委託契約書に明記された契約条項に基づいて発生します。
多くのオーナーが契約時に十分確認せずにサインしてしまい、後になって高額な違約金に驚くケースが頻発しています。
管理委託契約書に記載される違約金条項
管理委託契約書の違約金条項は、通常「中途解約時の損害賠償」として規定されています。
国土交通省が策定する「賃貸住宅標準管理委託契約書」には違約金の記載はありませんが、多くの管理会社が独自に違約金条項を追加しています。
典型的な条項例として「契約期間内の解約については、管理手数料○ヶ月分を違約金として支払う」といった文言が記載されます。
この条項により、オーナーは契約書に同意した時点で、中途解約時の違約金支払い義務を負うことになります。
違約金が設定される業界の背景事情
管理会社が高額な違約金を設定する背景には、管理物件の「囲い込み戦略」があります。
管理会社にとって既存の管理物件は安定収入源であり、他社への流出は収益に直結する重大な問題です。
特に新規営業コストの高騰により、既存顧客の維持がますます重要になっています。
違約金設定は、オーナーの管理会社変更を経済的に困難にすることで、実質的な「縛り契約」として機能しているのです。
一般的な違約金の相場と計算方法
管理解約の違約金相場は、一般的には以下のような設定となっています。
業界標準的な違約金:
・管理手数料の1~3ヶ月分
・家賃収入の1ヶ月分程度
高額な違約金の事例:
・家賃収入の3~6ヶ月分
・管理手数料の6~12ヶ月分
計算例として、月額家賃10万円の物件で「家賃6ヶ月分」の違約金が設定されている場合、解約時に60万円の支払いが必要になります。
このような高額設定は、オーナーにとって現実的な選択肢を奪う結果となっています。
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違約金が請求されるケースと請求されないケース
管理解約時の違約金発生には明確な条件があり、すべての解約で違約金が発生するわけではありません。
契約条件を正しく理解することで、違約金を回避できる可能性が大幅に高まります。
契約期間満了での解約は違約金なし
管理委託契約の期間満了による解約では、原則として違約金は発生しません。
多くの管理委託契約は2~3年の契約期間が設定されており、この期間の終了時は自然な契約終了となります。
契約更新のタイミングでの解約通知であれば、違約金条項の適用外となるのが一般的です。
ただし、契約書に「更新時期での解約予告期間」が設定されている場合は、指定期間内に解約通知を行う必要があります。
中途解約で違約金が発生する条件
中途解約による違約金発生には、以下の条件がすべて満たされる必要があります。
まず、契約書に中途解約時の違約金条項が明記されていることが前提条件です。
次に、契約期間内での解約であり、正当な解約理由がないことが条件となります。
さらに、契約書で定められた解約予告期間を守らない場合も、違約金発生の要因となります。
逆に言えば、これらの条件のいずれかが満たされない場合は、違約金支払い義務は発生しないということになります。
管理会社の契約違反による解約は違約金免除
管理会社側の契約違反による解約の場合、オーナーに違約金支払い義務は発生しません。
契約違反の具体例として、約束された管理業務の不履行、報告義務の怠慢、入居者対応の著しい不備などが挙げられます。
この場合、オーナーは「やむを得ない事由による解約」として、違約金を支払うことなく契約解除が可能です。
ただし、管理会社の契約違反を立証するための証拠収集と記録保持が重要になります。
違約金を回避する5つの実践的な方法
管理解約時の違約金は適切な準備と戦略により回避できる可能性があります。
以下の5つの方法を組み合わせることで、違約金リスクを大幅に軽減できます。
管理での違約金なんて絶対避けたいよね。
契約更新のタイミングを狙って解約する
最も確実な違約金回避方法は、契約期間満了のタイミングでの解約です。
まず現在の契約書で契約期間と更新時期を正確に把握しましょう。
契約満了の3~6ヶ月前から新しい管理会社の選定を開始し、スムーズな移行準備を進めます。
更新時期での解約であれば、違約金条項の適用外となるため、経済的負担なく管理会社を変更できます。
管理会社の業務不備を証拠として準備する
管理会社の契約違反や業務不備は、正当な解約理由として違約金免除の根拠となります。
日常の管理業務で問題があった場合は、メールや写真などの証拠を体系的に保存しておくことが重要です。
具体的な証拠として、空室期間の長期化、修繕対応の遅延、入居者クレームへの不適切な対応などが挙げられます。
これらの証拠があれば、管理会社の債務不履行を理由とした正当な解約として、違約金を回避できる可能性があります。
解約予告期間を正確に把握して準備する
契約書に定められた解約予告期間を正確に守ることで、違約金発生リスクを軽減できます。
一般的な解約予告期間は3ヶ月前ですが、契約書によって1~6ヶ月と幅があるため必ず確認しましょう。
予告期間を守って適切に解約通知を行えば、少なくとも「予告期間違反」による追加違約金は回避できます。
書面による解約通知と配達証明による送付により、適切な解約手続きを行ったことの証拠を残すことも大切です。
新管理会社との交渉で違約金を負担してもらう
新しい管理会社に違約金の一部または全額を負担してもらう交渉も有効な手段です。
優良な管理会社であれば、長期的な管理契約獲得のメリットを考慮して、違約金負担に応じる場合があります。
交渉のポイントとして、複数物件の管理委託や長期契約の約束と引き換えに違約金負担を求める方法があります。
ただし、違約金負担の約束は必ず書面で確認し、口約束だけで進めないよう注意が必要です。
弁護士相談で不当な違約金条項に対抗する
契約書の違約金条項が法的に不当である場合、弁護士相談により無効化を図ることができます。
消費者契約法では、事業者の損害額を超える過大な違約金条項は無効とされています。
具体的には「平均的な損害額」を著しく超える違約金設定は、法的に無効となる可能性があります。
弁護士による法的見解を根拠とした交渉により、違約金減額や免除を実現できるケースも少なくありません。
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不動産管理会社解約の正しい手続きと流れ
管理会社解約は正しい手順で進めることで、トラブルを回避し円滑な移行が可能になります。
事前準備から完了まで、計画的に手続きを進めることが成功の鍵となります。
解約通知書の作成と提出方法
解約通知は必ず書面で行い、契約書に定められた予告期間を守って提出します。
解約通知書には契約締結日、契約書の解約条項、具体的な解約日を明記する必要があります。
書面の提出は配達証明付き内容証明郵便を使用し、相手方への到達日時を明確にしておきましょう。
解約通知書のひな形として以下の項目を参考にしてください。
解約通知書の必須記載事項:
・契約締結日と契約書番号
・解約を申し入れる契約条項
・解約希望日と解約理由
・オーナーの住所・氏名・押印
提出後は管理会社からの回答期限を確認し、必要に応じて追加書類の準備を進めます。
新旧管理会社間の引き継ぎ手順
管理会社間の引き継ぎは、物件情報から入居者情報まで多岐にわたる重要な作業です。
まず新管理会社を選定し、引き継ぎ開始日と完了予定日を調整します。
引き継ぎ項目には入居者契約内容、物件の現況、鍵の管理状況、保証会社との契約状況などが含まれます。
オーナーとしては引き継ぎの進捗確認と、重要事項の漏れがないか定期的にチェックする必要があります。
特に家賃滞納者の情報や修繕履歴、クレーム対応状況などは詳細な引き継ぎが必要です。
引き継ぎ完了後は新旧管理会社から完了報告書を受け取り、内容を確認して承認しましょう。
入居者への管理会社変更の周知方法
入居者への変更通知は、混乱を避けるため十分な準備期間を設けて行います。
通知内容には新管理会社の連絡先、家賃振込先の変更、緊急時の連絡方法などを詳しく記載します。
書面による通知に加えて、必要に応じて電話での補足説明も行うことで、入居者の理解を深めます。
通知のタイミングは管理会社変更の1ヶ月前が理想的で、入居者が準備する時間を十分確保しましょう。
家賃振込先が変更になる場合は、振込手数料の負担増について配慮し、必要に応じて説明を加えることも大切です。
変更後も入居者からの問い合わせに適切に対応し、不安を解消する努力が求められます。
管理会社変更時によくあるトラブルと対処法
管理会社変更時には様々なトラブルが発生する可能性があり、事前の対策と適切な対処が重要です。
よくあるトラブルパターンを把握し、予防策を講じることで円滑な移行を実現できます。
入居者情報の引き継ぎ不備への対応
入居者情報の引き継ぎ不備は、管理業務に直接影響する深刻な問題です。
旧管理会社が意図的に情報提供を拒否したり、重要な情報を隠匿したりするケースがあります。
対処法として、引き継ぎチェックリストを事前に作成し、項目ごとに確認を行うことが有効です。
万が一引き継ぎ不備が発覚した場合は、旧管理会社に対して書面で追加情報提供を求めます。
それでも情報提供が得られない場合は、入居者に直接確認を取る必要があります。
家賃滞納履歴やクレーム対応状況など、管理上重要な情報は特に慎重な確認が必要です。
管理会社って当たり前のことを当たり前にできないところが多いよ
家賃振込先変更の連絡ミス
家賃振込先の変更連絡は、入居者との関係維持において最も重要な手続きの一つです。
連絡ミスによる誤振込は、入居者の信頼失墜と家賃回収の遅延を招く原因となります。
予防策として、変更通知は複数回に分けて行い、書面・電話・メールなど複数の方法を併用します。
変更日の1ヶ月前、2週間前、1週間前のタイミングで段階的に通知することが効果的です。
誤振込が発生した場合は、速やかに入居者に状況を説明し、正しい振込先への再振込を依頼します。
この際、振込手数料の負担や遅延による不便について、適切な配慮を示すことが重要です。
保証サービスの切り替え漏れ
家賃保証や設備保証などのサービス切り替え漏れは、万が一の際に大きな損失を招く可能性があります。
旧管理会社が提供していた独自保証サービスは、契約解除と同時に効力を失うため注意が必要です。
新管理会社の保証サービス開始日と旧サービスの終了日に空白期間が生じないよう、スケジュール調整を慎重に行います。
保証内容の違いについても事前に比較検討し、保証レベルの低下がないか確認しましょう。
特に家賃保証については、保証会社との契約継続可否を早期に確認することが重要です。
切り替え手続きが複雑な場合は、専門家のサポートを受けながら確実に進めることをお勧めします。
まとめ:違約金リスクを抑えて管理会社を変更しよう
不動産管理解約時の違約金は、適切な知識と準備により回避できる可能性があります。
本記事で解説した5つの回避方法を活用することで、経済的負担を最小限に抑えながら、より良い管理会社への変更が実現できます。
最も重要なポイントは、現在の契約書を詳細に確認し、契約期間満了のタイミングでの解約を目指すことです。
嫌な管理会社とは早く離れたいよね・・・
やむを得ず中途解約する場合でも、管理会社の業務不備を証拠として準備したり、新管理会社との交渉により違約金負担を求めたりする方法があります。
管理会社変更は一時的な手続きの煩雑さがありますが、長期的には収益性向上と管理品質の改善につながる重要な経営判断です。
現在の管理会社に不満を感じている場合は、違約金条項を理由に諦めるのではなく、本記事で紹介した方法を参考に、戦略的な管理会社変更を検討してみてください。
また、今後新たに管理会社と契約する際は、必ず違約金条項を含む契約内容を事前に確認し、過度な制約がないか慎重に判断することが大切です。







