2022年に入り、株価が下落しています。
アメリカ株は、世界的に資金が集まりやすいことから、根本的な強さはあるかと思いますが、量的緩和による株価上昇であった点は否めず、今後多少の調整は入るでしょう。
新型コロナウイルスの出現により、景気悪化を防ぐべく行ったお金のバラマキで、その結果が株価の上昇でした。
それに引きずられて不動産価格も上昇しました。
量的緩和が終了する2022年は、株価が上がる要因は少なく、むしろ下落する可能性のほうが高いと思っておくべきでしょう。
コロナで不況になる!と思ったのに株や不動産は上がったんだね~
不動産価格の上昇要因
新型コロナウイルスにより、一時的にパニックが起きました。
株価の暴落につられ、不動産価格も下がるのではないか?
下がってきたら好立地を買おう!
ということで、少しでも好立地の不動産価格が下がろうもんならば、大量の買い手が待ち構えている状態でした。
東京の好立地不動産はすごいな、と痛感した瞬間です。
しかし、思ったほど不動産価格は値下がりませんでした。
同じくして、融資もどんどん厳しくなり、一般的な人が1棟を複数持つのも困難になってきました。
それほど銀行の審査も厳格化し、求める現預金の金額も上がっていきました。
融資が厳しくなれば、買い手が減るので、不動産価格は下落する!
こう考えた人は少なくないはずです。
しかし、融資が厳しくなっても、一向に不動産価格は下落してきません。
下落しないどころか、逆に上昇して行ってしまいました。
これが、2020年から2022年にかけて起きたことです。
その原因は、冒頭で挙げたお金のバラまきです。
お金欲しい・・・
新型コロナウイルスの出現により、景気対策でお金が世にバラまかれました。
これによりお金の価値が下がり、結果として株価や不動産価格は上昇しました。
株価も不動産も、本来の力以上に上昇して行ってしまった、ということなのです。
本質的な価値を無視して上昇していった株価が今後どうなるのかは、想像できると思います。
テーパリングと金利上昇が与える不動産価格への影響
お金をバラまきすぎたことにより、インフレ懸念が出てきています。
これにより、テーパリング(※)の実施と金利上昇が起きます。
(※)テーパリングとは?
中央銀行が超金融緩和状態から抜け出す過程で採用する出口戦略の一つで、量的緩和策による資産買い入れ額を徐々に減らしていくこと。
引用:大和証券
テーパリングの実施があると、今まで「上がっていたように見える」株価や不動産価格が下がる要因となります。
そして、金利です。
金利は株価や不動産に与える影響は大きく、長期金利の上昇は見逃せません。
不動産を購入した経験のある人であればわかるはずです。
借入金利が1.6%から2.4%に上がったと仮定した場合、毎月の支払額が大きくなることは容易に想像できるかと思います。
不動産投資の場合、金利は収支に直結するため、金利が上がると、買い手の収支が悪くなります。
すると、何が起きるのでしょうか?
一般的には、不動産価格が下がりやすくなってくるのです。
金利上昇により、毎月返済している元金が少なくなり、支払い利息が増えます。
買い手にとっては、どう考えても総合的なリターンの悪化を招くのです。
少し難しいけど、金利が上がると不動産価格は落ちやすくなるんだね
2022年は、テーパリングの実施と、金利上昇という2面から、不動産の価格は落ち着きを見せると思っています。
上がるよりは下がる可能性のほうが高く、購入を考えている人にとっては良い時期になる可能性はあります。
まとめ
不動産は、時間がお金になる投資です。
故に、不動産価格が暴落してから買う!という発想よりは、少しでもチャンスがあったら買ってみる、という発想の方が良いでしょう。
新型コロナウイルスの影響でリモートワークが加速し、多くの方が地方移住するような話は出ていますが、そのような人は極わずかであり、好立地の物件が過度に値下がる、という期待は持てません。
少し下がったら好立地の不動産をたくさん買ってやろう!と考えるお金持ちはいくらでもいるのです。
東京ってすごいんだね~
その現場を見てきている限り、個人的に東京の好立地物件の地位は不動で、やはり立地がいいと欲しい人が多いことはわかっています。
不動産価格の上昇は一服し、多少なりとも下落の方向に向かっていく、そんな年になるのではないかと思います。