この記事を書いた人
船橋寛之(ふなばしひろゆき)
1984年生まれ。
ドイツ育ちの不動産投資家。
不動産投資歴16年。
立教大学 経済学部卒。
リーマンショックの時に新卒で区分マンションを購入し、東京23区を中心に最大6棟55部屋を所有。
大和証券、大和総研に11年間勤務後、不動産コンサルタントとして独立。
現在は年間20億円以上の「非公開物件」仲介を行う。強みは「物件情報力」で、経験を活かしてセミナー講師や執筆活動にも携わる。
私生活では子供3人を育てる「ほぼ主夫」。
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不動産を売却した際には、確定申告が必要なケースが多くあります。
e-Taxを利用すると、確定申告を効率的に済ませられるため、関心をもつ方も多いのではないでしょうか。
本記事では、不動産売却の確定申告をe-Taxで行う方法や手順、必要となる書類について詳しく解説します。
e-Taxの利便性を活かし、スムーズに申告を完了させるためのポイントを押さえましょう。
Contents
e-Tax(イータックス)とは
e-Tax(イータックス)は、日本の国税に関する電子納税・申告システムです。
自宅からインターネットを通じて簡単に申告や納税ができるため、多忙な方や遠方に住んでいる方にとって非常に便利なツールです。
とくに不動産売却に伴い確定申告が必要な場合、e-Taxを利用すると、煩雑な手続きを効率的に進められます。
まずは、e-Taxの特徴や確定申告が必要となる不動産売却について確認していきましょう。
不動産売却は思わぬ形で税金がかかったりするから注意してね!
e-Taxは国税の電子納税・申告システム
e-Taxとは、国税に関する申告や納税手続きをインターネットを通じて行うシステムです。
パソコンやスマホ上から手続きが完結できるため、確定申告から納税までを税務署に行くことなく済ませられます。
国税庁の調査によれば、e-Taxの利用率は年々増加しており、令和5年度の所得税申告では69.3%と、全体の約7割がe-Taxを利用しています。
利便性の高さから利用者数を伸ばしているe-Taxは、時間や場所を問わずに確定申告を行える点が大きな魅力です。
参考:国税庁「令和5年度におけるオンライン(e-Tax)手続の利用状況等について」
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不動産売却で確定申告が必要なケース
不動産を売却した際に、譲渡所得、つまり利益が発生した場合は、原則として確定申告が必要です。
譲渡所得が少額、または損失が出た場合でも、確定申告によって節税につながる可能性があります。
譲渡所得とは、不動産を売却して得た金額から、不動産を取得したときの取得費や、売却にかかった譲渡費用を差し引いた金額のことです。
譲渡所得がマイナスの場合でも、その損失をほかの所得と相殺できるケースがあります。
確定申告が必要かどうかは、譲渡所得の金額や個人の状況によりますが、確定申告が必要にもかかわらず申告していなければ追徴課税の対象となる恐れもあります。
不動産を売却した際には、利益の有無にかかわらず、まずは確定申告を検討しましょう。
確定申告でe-Taxを利用する6つのメリット
確定申告にe-Taxを利用すると、以下の6つのメリットを得られます。
- 自宅で確定申告が完了する
- 税額が自動計算される
- 添付書類を用意する手間が省ける
- マイナポータル連携で必要データを一括送信できる
- 還付金の支払手続きが早い
- 青色申告特別控除65万円が適用される
不動産売却を行い初めて確定申告する方でも、e-Taxによって確定申告に必要な作業を効率化できます。e-Taxのメリットについて、詳しく解説します。
1. 自宅で確定申告が完了する
e-Taxを利用すれば、自宅にいながら確定申告を完了できます。
税務署の窓口に出向く必要がなくなり、確定申告期間中の混雑を避けられるため、時間と労力を節約できます。
確定申告書類は郵送での提出も認められていますが、e-Taxであれば郵送する手間さえも不要です。
確定申告期間中であればメンテナンス時間を除き、24時間いつでも申告を行えます。
自分のスケジュールに合わせて柔軟に対応でき、自宅で確定申告を完結できる利便性が、e-Taxの大きな魅力といえます。
2. 税額が自動計算される
e-Taxを利用する大きなメリットのひとつは、税額が自動で計算されることです。
国税庁が提供する「確定申告書等作成コーナー」を使用すれば、必要な情報を入力するだけで、システムが自動的に税額を計算してくれます。
手計算による誤りを防げるため、確実な申告が行えます。
また申告内容に誤りがあった場合は、確定申告の期間内であればインターネットを通じての訂正申告が可能です。
訂正したデータをe-Taxから再度送信すれば、新たな内容に書き変わります。
e-Taxの正確な自動計算機能と修正可能なシステムにより、安心して確定申告が行えるでしょう。
3. 添付書類を用意する手間が省ける
e-Taxを利用すると、生命保険料控除や社会保険料控除の証明書などの必要書類を物理的に添付する手間が省けます。
書類の内容をe-Taxの操作画面で入力して電子データを送信するだけで済むため、書類を郵送したり税務署に持参したりする労力がかかりません。
色々と楽そうだね!
ただし申告期限から5年間は、税務署からの要請があれば、これらの書類を提示または提出する必要があります。
確定申告に使った書類はしっかりと保管しておきましょう。
また電子データでの提出のほか、PDFファイルによる提出が認められている書類も多くあります。
PDFファイルでの提出が可能な書類は、「国税庁 イメージデータで提出可能な添付書類 (所得税確定申告等)」をご確認ください。
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4. マイナポータル連携で必要データを一括送信できる
e-Taxでは、マイナポータルと連携することで、確定申告に必要なデータの一括送信が可能です。
マイナポータルとの連携によって、給与所得の源泉徴収票や国民年金基金掛け金、iDeCoに関するデータなどが自動的に入力されます。
手作業でのデータ入力が不要となるため、ミスを回避でき、申告書作成の手間も軽減されます。
5. 還付金の支払手続きが早い
還付金の支払手続きが迅速に進む点も、e-Taxのメリットです。
確定申告により所得税が還付される際、確定申告を郵送や窓口で行った場合は還付金の処理には1か月から1か月半かかるのが通常です。
しかしe-Taxで確定申告を行えば、平均して3週間程度で還付金が支払われます。
電子申告が税務署での手作業の処理を省略し、データが直接デジタルで処理されるためです。
ただし、申告内容に誤りがある場合は処理が遅れる可能性もあるため、正確な申告を心がけることが重要です。
6. 青色申告特別控除65万円が適用される
e-Taxを利用すると、一定の条件を満たした場合に青色申告特別控除として最大65万円の控除が受けられます。
複式簿記による帳簿を作成し、確定申告期限内にe-Taxを使って青色申告を行うことで、65万円の特別控除の適用対象となります。
ただし、青色申告特別控除が受けられる所得は、不動産所得または事業所得のみです。
不動産の売却によって得た利益は譲渡所得となるため、青色申告特別控除の対象外となります。
不動産の売買を継続的に事業規模で行っている場合は、例外的に不動産の売却益が事業所得とみなされ、特別控除が適用されるケースもあります。
e-Taxで不動産売却の確定申告を行うために必要なもの
e-Taxを利用して不動産売却に伴う確定申告を行う際には、インターネット環境や申告に必要な書類を準備しなければなりません。
具体的には以下の3点を確認しましょう。
- マイナンバーカード・スマートフォン
- パソコン
- 申告書作成に関する書類
e-Taxによる確定申告をスムーズに進めるために、事前に揃えておくべきものを詳しくチェックしておきましょう。
マイナンバーカード・スマートフォン
e-Taxで不動産売却の確定申告を行う際には、マイナンバーカードが必要です。
何かと話題のマイナンバーカード!
e-Taxを利用するには、本人による作成かどうかを確認するための電子証明書が必要となるため、電子証明書の機能を果たすマイナンバーカードが求められます。
マイナンバーカードをまだ取得していない方は、スマートフォンや郵送、証明写真機から交付申請が行えます。
ただし、交付通知書が自宅に郵送されるまでに1か月ほどかかるため、確定申告期間に間に合わせたい場合は早めに申請手続きを行いましょう。
また、令和7年1月からはe-Taxに「スマホ用電子証明書」が導入される予定です。
スマートフォン用電子証明書の利用によって、スマートフォンによるマイナンバーカードの読み取りが不要になります。
ただし、令和6年10月現在、スマートフォン用電子証明書に対応しているのは、約200のAndroid™端末に限られているため注意が必要です。
パソコン
不動産売却の確定申告をe-Taxで行う際には、パソコンを利用するのが一般的です。
パソコンを使うと、入力項目が多く複雑になりがちな不動産売却の申告もスムーズに進められます。
とくに、個人事業主の方や副業で事業所得・不動産所得を得ている方は、入力すべき項目が多いため、パソコンでの作業のほうが効率的でしょう。
パソコンでe-Taxを使用する際は、マイナンバーカードの情報を読み込むためのICカードリーダライタが必要です。
もしくは、マイナンバーカードに対応したスマートフォンを連携させて、マイナンバーカードを読み込む方法もあります。
パソコンがない場合は、スマートフォンだけで不動産売却の確定申告手続きを済ませることも可能です。
申告書作成に関する書類
不動産売却による確定申告をe-Taxで行う際には、以下の書類が必要となります。
申告内容や適用される特例によって必要となる書類は異なりますが、これらの書類を事前に準備しておくと申告作業がスムーズに進みます。
e-Taxで不動産売却の確定申告をする手順
ここからは、e-Taxを使って不動産売却の確定申告を行うための手順を紹介します。
基本的な申告手順は以下の3ステップです。
- 利用者識別番号を取得する
- 電子証明書を取得する
- 申告データを作成・送信する
e-Taxで申告作業を進めるには、e-Taxの利用に必要な利用者識別番号や電子証明書を事前に準備しなければなりません。
それぞれの手順において、やるべきことや注意点などを詳しく解説します。
1. 利用者識別番号を取得する
e-Taxを初めて利用する際には、利用者識別番号を取得しなければなりません
e-TaxのWeb版から、新規アカウントを作成するための開始届出書を作成すると、利用者識別番号が取得できます。
アカウントの作成にはマイナンバーカードの登録が必要です。
また、マイナポータルの外部サイトとの連携機能からも、e-Taxのアカウント作成が可能です。
利用者識別番号をもっていない場合、利用者情報の登録へと画面が進み、案内に従って入力すると、e-Taxのアカウント登録と利用者識別番号の発行が完了します。
マイナンバーカードを作成していない場合には、暫定的な対応として「ID・パスワード方式」でのe-Tax利用が認められています。
その場合、マイナンバーによる電子証明以外の本人確認が必要となるため、税務署に赴き職員の対面による本人確認を済ませた場合にのみ、利用者識別番号が発行される仕組みです。
2. 電子証明書を取得する
e-Taxで申告データを送信するには、利用者本人が作成した改ざんされていないデータであることを証明するために、電子証明書を事前に取得する必要があります。
マイナンバーカードには電子証明書が標準で組み込まれており、ICカードリーダライタや読み取り可能なスマートフォンがあれば、電子証明書として利用できます。
マイナンバーカード取得時に設定した、マイナンバー署名用パスワードも必要です。
3. 申告データを作成・送信する
申告データの作成には、国税庁のe-Taxソフトや確定申告書等作成コーナーを利用します。
事前に準備した不動産売買契約書などの書類にもとづき、画面に従って各項目を入力していきます。
入力が完了したら、申告データの送信です。
本人確認のための電子署名および電子証明書を添付したうえで、e-Taxを通じて作成した申告書類を送信します。
送信結果や審査結果などは「メッセージボックス」で確認が可能です。
e-Taxで不動産売却の確定申告を行う際の注意点
e-Taxを使用して不動産売却の確定申告を行う際には、以下の点に注意が必要です。
- e-Taxの利用には事前準備が必要
- メンテナンスで利用できない時間帯がある
e-Taxを利用する場合、マイナンバーカードの取得や利用開始の手続きに時間を要します。
また、いつでも手続きができるe-Taxではありますが、メンテナンスのため利用できない日時も発生します。事前に把握しておきたい注意点を確認しておきましょう。
e-Taxの利用には事前準備が必要
e-Taxを利用するには、以下のような事前準備が必要です。
- マイナンバーカードの取得
- 利用者識別番号の取得・アカウントの作成
- マイナンバーカード対応のスマートフォンかICカードリーダライタを準備
マイナンバーカードをこれから取得する方は、申請から交付までに1か月ほど要するため、早めに取り掛かる必要があります。
また、e-Taxを利用するためには、利用者識別番号を取得してアカウントを作成しなければなりません。
その際にマイナンバーカードの読み取りが求められるため、マイナンバーカードを読み取りできるスマートフォンか、ICカードリーダライタも準備が必要です。
e-Taxを初めて利用する場合にはいくつかの手続きが必要であるため、余裕のあるスケジュールで確定申告を進めていきましょう。
メンテナンスで利用できない時間帯がある
24時間利用できるのがe-Taxの魅力ですが、システムメンテナンスによって利用できない時間帯がある点に注意が必要です。
確定申告の時期には、基本的にe-Taxは24時間稼働していますが、メンテナンスのため一時的にサービスを停止することがあります。
申告手続きを予定している日がメンテナンスと重ならないよう、事前に「e-Tax 利用可能時間カレンダー」を確認して、計画的に準備を進めましょう。
まとめ
不動産の売却時は、基本的には確定申告が必要です。
国税の申告や納税手続きをオンラインで行えるe-Taxを使えば、確定申告の手続きが自宅で完了します。税額の自動計算や書類添付の省略も可能となります。
全体として便利になったことは間違いなさそうだね!
e-Taxは、確定申告における労力を軽減できる便利なツールですが、マイナンバーカードや利用者識別番号の取得といった事前準備が必要です。
確定申告を効率よく進めるために、e-Taxの利用準備は早めに取り掛かりましょう。