最初は高い金利でも、返済の実績などが考慮され、あとで借り換えれば大丈夫です。
などといって不動産投資を勧められたことはないでしょうか。
特に1棟物件に顕著な手法です。
最近でこそなくなりましたが、少し前まではスルガ銀行を代表として、決して高属性で金持ちでもない人に、高額な1棟物件を高金利で貸し付ける手法が横行していました。
どのような不動産でも同じですが、借り換えを前提として不動産を購入してはいけません。
そもそも、高金利での借り入れは、残債の減りが遅いだけでなく、物件そのものにリスクを抱えていることが多いのです。
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高金利の物件とは?
ローンの金利は、どのようなケースで高くなるのでしょうか。
銀行側がリスクの高い人またはリスクの高い物件、と判断した場合です。
簡単に言うと、他の銀行が貸したくないような物件に多くみられるのです。
分かりやすいのは、エリアが微妙な物件です(特に地方)。
地方は、今後の需要が怪しく、不動産投資対象としては、不適切な物件が大半を占めるでしょう。
債務不履行や自己破産を懸念し、多くの銀行は地方の物件に対して、金持ちでもない人に融資をしたがりません。
ここで登場していたのが、スルガ銀行です。
年収が高くもなく、十分な自己資金もない人に対し、危険な地方物件に対して、4%以上の金利で貸し付けを行っていました。
銀行としてリスクが高いと判断しているの、金利も高く設定しています。
これ自体は、ビジネス上全く問題ないことです。
高金利でしか貸し出しがされない物件の特徴は、他の銀行が貸したくないから、なのです。
これを買主としてまずは理解しておく必要があります。
借り換えは容易ではない
前述した通り、高金利での提案しかないような物件であれば、他行が貸したくないものである可能性が高いのです。
・リスクが高く、他行が拒否
・そもそも本人の属性が悪い(年収と自己資金のバランス)
このいずれかに該当しない限りは、高金利でなくとも融資を受けることは可能です。
総じて、頭金はないけれど1棟が欲しい、というタイプがはめられています。
自己資金が無い人は、そもそも1棟を買う権利がありません。
まずは堅実に貯金をし、ある程度の頭金を出せるようになったら買う方が健全でリスクの低い投資になるでしょう。
さて、自己資金もなく、微妙なエリアの物件を買おうとしていたら、どう思いますか?
そのような人に、皆様はお金を貸したいと思いますか?
銀行だって同じです。
危険であれば貸したくないのです。
それでも貸すよ!と言っていたのが、スルガ銀行でした。
そのかわり金利は高いけどね!
ということです。
ここまでくると、安易な借り換えが容易でないことは、察しがつくと思います。
スルガ銀行に限った話ではありませんが、高金利にはリスクが潜むということです。
もし、すぐにでも借り換えができるのであれば、なんで最初から借り換えを容認する銀行で借りないのでしょうか。
金利4.5%のA行と金利2.2%のB行があったとします。
まずはA行で借りておき、2年後にB行へ借り換えましょう!
というのが、不動産業者のトークです。
しかし待ってください。
2年後にB行への借り換えができるのであれば、なぜそもそも最初からB行で購入しないのでしょうか。
その2年で何が変わるのでしょうか。
ここで話は戻ります。
B行は、危険な物件に対して融資したくない(危険な物件 = エリアと価格のバランスが悪い)!
と言っているので、A行しかなかった、ということになるのです。
にも関わらず、2年後に、B行が借り換えを認めると思いますか?
認めません。
最初から借りられないところで、数年後に借りられることはないと思った方が良いでしょう。
最初は金利4.5%だけれども、2年後に金利2.2%で計算すれば悪くない投資だな、と思って買ったら終わります。
最初に借りた金利が続くまたは上がっても収支に問題がないくらいのシミュレーションを立てておくと良いでしょう。
借り換えが前提になっている不動産投資は、危険極まりないのです。
まとめ
不動産業者は、そのとき売れてしまえばなんでもいいのです。
借り換えで大丈夫です!
といって、いざそのときが来ても、借り換えなどできないでしょう。
そのときは、融資情勢が○○で××なので、難しくなってしまいました、と言えばいいだけです。
最初から借り換えが容易でないことは、不動産業者であれば理解しています。
このため、最初から借り換えを前提で勧めてくる不動産に、まともなものはないと思って良いでしょう。
買う本人の属性がまともで、物件がまともであれば、最初から低い金利の銀行で借りることができるからです。
不動産は、買うことが目的ではありません。
勝つことが目的です。
投資である以上、勝たなければ意味がありません。
買えるからなんでも買って良い、ということはなく、本当に勝てるのか?を自分なりに分析する力を身に着けておくべきでしょう。