この記事を書いた人
船橋寛之(ふなばしひろゆき)
1984年生まれ。
ドイツ育ちの不動産投資家。
不動産投資歴16年。
立教大学 経済学部卒。
リーマンショックの時に新卒で区分マンションを購入し、東京23区を中心に最大6棟55部屋を所有。
大和証券、大和総研に11年間勤務後、不動産コンサルタントとして独立。
現在は年間20億円以上の「非公開物件」仲介を行う。強みは「物件情報力」で、経験を活かしてセミナー講師や執筆活動にも携わる。
私生活では子供3人を育てる「ほぼ主夫」。
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東京のワンルームマンションの価格推移や相場は、不動産市場全体の動きを捉えるためにも重要な指標です。
本記事では、東京のワンルームマンションの価格推移や相場を解説するとともに、今後の市場の展望や投資する際の戦略について詳しく紹介します。
Contents
東京のワンルームマンションの価格推移
東京のワンルームマンション市場は近年、価格が上昇傾向です。
とくに都市部では、中古ワンルームマンションの需要が高まり、その結果として価格が上昇しています。
ここ数年の値上がりはあまりに異常だったように思える。特に港区・・・
まずは、「相場価格」「マンション価格指数」「成約坪単価」をもとに、マンション投資を検討している方にとって、東京のワンルームマンションが魅力的な選択肢である理由を説明しましょう。
【2023年度】東京都中古ワンルームマンションの相場は2,225万円
2023年度における東京都の中古ワンルームマンションの平均相場は2,225万円です。
この価格は、東京の不動産市場において堅調な需要が続いていることを反映しているといえるでしょう。
中古マンションの間取り別成約件数(2023年度)
都心部の利便性や生活環境の良さが、依然として多くの投資家や購入希望者を引き寄せており、その結果として価格が安定して推移していることがうかがえます。
マンションの価格指数は右肩上がりで上昇している
近年、東京都におけるマンションの価格指数は着実に上昇しています。
この上昇傾向は、ワンルームマンションの価格にも影響を及ぼしていると考えられるでしょう。
とくに、都心の人気エリアでは価格競争力が高まり、投資価値がいっそう注目されています。
このような市場環境の中で、ワンルームマンションへの投資を考えている方にとっては、価格の動向を注視し、適切なタイミングでの購入を考えることが重要です。
需要の増加に伴い、今後も価格はさらに上昇する可能性があります。
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中古マンションの成約坪単価も上昇傾向にある
東日本不動産流通機構のデータによると、首都圏における中古マンションの成約坪単価は、2013年に比べて2024年には約2倍にまで上昇しています。
とくに、東京都区部では伸び率が顕著であり、多くの投資家にとって注目の的といえるでしょう。
成約坪単価上昇の背景には、都市部での需要の高まりや供給不足が影響しており、これが価格上昇を後押ししています。
成約坪単価の動きは、投資を考える際の重要な指標となるため、市場動向の把握や戦略的な判断を行う際には確認が必要です。
首都圏のワンルームマンションの成約件数の推移
首都圏におけるワンルームマンションの成約件数は、ここ数年で変化を見せています。
東日本不動産流通機構のデータによると、2013年以降、中古ワンルームマンションの成約件数は減少傾向です。
背景には、ライフスタイルの変化や住宅ニーズの多様化が考えられます。
単身世帯の増加は続いているものの、より広めの間取りを求める傾向や、在宅勤務の普及による居住空間へのニーズの高まりなどが、ワンルームマンションの需要に影響を与えている可能性があるでしょう。
一方で、1DKや2DKといった、ワンルームよりも少し広めの間取りのマンションは、成約件数が増加傾向にあります。
これは、単身者だけでなく、夫婦2人の世帯や子どもが1人いるファミリー層など、より幅広い層のニーズに対応できるためと考えられるでしょう。
このように、同じマンションでも間取りの違いにより需要が異なるため、投資を検討する際には、物件のタイプや市場の動向を慎重に分析することが重要です。
コロナ禍によるワンルームマンション建設への影響
コロナ禍は、不動産市場に大きな影響を与えました。
とくにワンルームマンションの建設については、その需要と供給のバランスに変化が見られます。
コロナ禍の影響で都市部では、30㎡以下のワンルームマンションの着工件数が減少傾向にありました。
一方、収束後の2022年以降、再び東京都への転入超過人口が増加しています。
コロナ禍によるワンルームマンション建設への影響を詳しく見てみましょう。
東京一極集中。これは今後も変わらないかな
都市部では30㎡以下の着工が減少
感染拡大以降は、在宅勤務の増加に伴い、全体で見ると東京都や大阪府といった都市部での着工が増加しています。
しかし、内閣府の「マンスリー・トピックス」によると、2021年には東京都で30㎡以下のワンルームマンションの着工が減少しました。
この背景には、新型コロナウイルスの感染拡大を受けて在宅勤務が増加し、より広い住まいを求めるニーズが高まったことが影響しています。
その一方で、41㎡以上の広さを持つ物件の着工は増加しており、都市部における住まいの選択肢が変化していることがうかがえるでしょう。
投資を考える際は、広さや間取りの需要の変化にも注意を払う必要があります。
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2022年以降東京都への転入超過人口は増加
コロナ禍が収束した2022年以降、東京都への転入超過数は2年連続で拡大しています。
とくに15歳から29歳の若年層を中心に転入が増加していますが、この層はワンルームマンションの主要な利用者でもあるでしょう。
背景には、就職や進学を機に都市部に移住する若者の流入があり、これが東京のワンルームマンション需要を支える要因の一つになると考えられます。
このような人口動態の変化は、今後のワンルームマンション投資にとっても重要な指標です。
転入超過は都市の活気を示す指標でもあり、投資の判断材料としても注目されています。
ワンルームマンション投資における今後の展望
ここまで説明してきた通り、都心部の単独世帯の増加が見込まれる中、ワンルームマンション投資は引き続き注目される分野といえます。
とくに、利便性の高いエリアに位置する物件は、安定した需要を期待できるため、投資効果が高いと考えられるでしょう。
また、価格が比較的手頃な中古ワンルームマンションは、初めての投資としても手掛けやすいという特徴があります。
続いて、ワンルームマンション投資における今後の展望を解説しましょう。
都心部の単独世帯は今後も増加が見込まれる
東京都では、若年層を中心とした人口の流入が続いており、今後も単独世帯の増加が予測されています。
東京都の推計によれば、単独世帯数は2040年にピークを迎え、2045年には410.1万世帯に達すると考えられ、2020年の362.6万世帯と比べて13.1%の増加見込みです。
この推計値からもわかるように、ワンルームマンションのニーズは今後も一定数存在することが予想されます。
東京都の若年層を中心とした人口動向は、ワンルームマンション市場において引き続き注目される要因であり、マンション投資を考えている方は、常に注意を払う必要があるでしょう。
投資なら中古ワンルームマンションがねらい目
都心部ではワンルームマンション条例の影響で、新築物件の供給が少ないため、中古ワンルームマンションが投資のねらい目となります。
ワンルームマンション条例とは、自治体が地域社会のバランスを保つために制定している条例です。
単身者はファミリー世帯と比べて、地域への定着率が低く、税収も少ない傾向があるでしょう。
そこで、都心部の自治体は条例を制定し、ワンルームマンションの建設を規制することで、単身者だけが増加する状況に対処しようとしています。
条例の具体的な内容は自治体によって異なりますが、たとえば、ワンルームマンションの住戸面積に最低限度を設けたり、ファミリー向けの住戸を一定数以上設けることを義務付けたりするなどの規制です。
結果として、都心部におけるワンルームマンションの新築供給が減少し、すでに建築されている中古マンションの需要が高まります。
中古マンションは新築よりも価格が抑えられており、初期投資を抑えながらも高い利回りを期待できるでしょう。
東京で価格が下がりにくいワンルームマンションの特徴
東京のワンルームマンション投資を成功させるためには、価格が下がりにくい物件を見極めることが重要です。
価格が安定しているワンルームマンションには、次のような共通した特徴があります。
- 人気エリアのワンルームマンション
- 家賃を抑えたワンルームマンション
- 設備が充実したワンルームマンション
これらの特徴を把握することで、投資リスクを最小限に抑え、長期的な資産形成を目指せます。
ここからは、価格が下がりにくいといわれる物件の特徴について詳しく解説しましょう。
人気エリアのワンルームマンション
人気エリアのワンルームマンションは、価格が下がりにくい特徴があります。
とくに、都心部や主要な沿線に近い物件は、需要が高く、安定した資産価値を維持しやすいです。
都心はいいよね~
新宿や渋谷、池袋などのエリアは、交通の便が良く商業施設や飲食店も豊富なため、単身者にとって魅力的でしょう。
また、こうしたエリアでは賃貸需要も高いため、投資物件としての価値も期待できます。
これらの要因により、人気エリアのワンルームマンションは、売却時にも高い価値を維持しやすく、投資による利益が期待できるでしょう。
家賃を抑えたワンルームマンション
東京都内のワンルームマンションは、面積が広く高額な家賃設定のものが多く見られます。
しかし、そのような状況であればこそ、家賃を抑えた物件は需要があるでしょう。
家賃を抑えることで、単身者や学生をはじめ多くの入居者を見込めるため、安定した収益を期待できます。
とくに、利便性の高いエリアで家賃を抑えた物件は競争率が高く、早期に入居者が決まることが多いです。
また、住環境や交通アクセスの良さを兼ね備えた物件であれば、長期的な入居も期待できます。
したがって、ワンルームマンション投資を考える際には、家賃を抑えた物件を選択肢に入れることが重要です。
設備が充実したワンルームマンション
設備が充実したワンルームマンションは、投資の際に魅力的な選択肢となります。
オートロックや宅配ボックスといった現代のニーズに応える設備が整っていることで、幅広いライフスタイルに対応できるため、居住者にとって安心で便利な生活環境を提供します。
とくに都市部では、防犯面での安心感が求められるため、オートロックは必須ともいえる設備です。
また、宅配ボックスがあれば、不在時でも荷物の受け取りがスムーズに行え、入居者にとって大きな魅力となるでしょう。
これらの設備が充実している物件は、賃貸市場においても競争力があり、高い入居率を維持しやすいです。
したがって、設備が整ったワンルームマンションは長期的に安定した収益を期待できる投資対象といえます。
東京のワンルームマンション売却におすすめのタイミング
東京のワンルームマンションを売却する際には、最適なタイミングを選ぶことが重要です。
とくに、路線価が上昇しているときは、物件の価値が高まるため売却に適しているでしょう。
また、所有期間が5年を超えた場合や、築年数が10年を迎えたタイミングも検討に値します。
金利が低い時期や大規模修繕を終えた直後も、買い手にとって魅力的な条件となるため、売却を考える良い機会です。
収支がマイナスになったときや、減価償却が終了する前に売却を検討することで、投資効率を最大化できます。
東京のワンルームマンション売却におすすめのタイミングを、それぞれ詳しく見てみましょう。
路線価が上昇しているとき
路線価が上昇しているときは、ワンルームマンションの売却を検討するタイミングです。
路線価の上昇は不動産市場全体の価値が高まっていることを示し、売却価格の向上が期待できます。
とくに東京のような需要が高いエリアでは、物件価値がさらに上がる可能性があるでしょう。
投資家にとっては、短期的な利益をねらうチャンスでもあり、適切なタイミングでの売却を通じて資産を有効に活用できます。
所有から5年が経過したとき
ワンルームマンションを所有してから5年が経過した時点は、売却を検討する良いタイミングの一つです。
この時期には、譲渡所得にかかる税率が短期譲渡所得から長期譲渡所得に変わるため、税負担が軽減されます。
具体的には、短期譲渡所得では39%の税率が適用されますが、長期譲渡所得では20%です(2037年までは、復興特別所得税が加わります)。
この税率の違いは、売却による利益を大きく左右するため、投資家にとっては大きなメリットとなるでしょう。
したがって、所有期間が5年を超えたタイミングで売却を考えることは、賢明な選択といえます。
築年数10年を迎えたとき
築年数が10年を迎えると、ワンルームマンションの成約価格は下がり始める傾向があります。
これは、建物の経年劣化や設備の陳腐化が影響し、買い手が新築物件や築浅物件を選ぶ傾向が強くなるためです。
そのため、築10年を迎える前に売却を検討することが、投資の観点から有利といえます。
また、築10年を超えると修繕費用もかかる可能性が高まるため、売却のタイミングを考える際には注意が必要です。
価格が下がりにくい時期をねらって売却することで、投資の回収を最大化できます。
金利が安いとき
金利が安いときは、ワンルームマンションの売却に適したタイミングです。
住宅ローンの金利が低下すると、購入希望者にとって借入がしやすくなり、物件の購入需要が高まる傾向があります。
とくに、投資目的での購入を考える人々にとっては、利回りを高く保ちながら物件を手に入れるチャンスとなるでしょう。
さらに、金利が安い時期に売却すると、購入希望者が多く競争原理が働き売却価格を有利に設定できる可能性があるため、売主にとってもメリットがあります。
全体として、状況が良いときに売りは検討すべきだよね
大規模修繕を終えたとき
大規模修繕を終えた直後は、ワンルームマンションの資産価値が一時的に上昇するタイミングです。
修繕により建物の品質が向上し、見た目や設備の新しさがアピールポイントとなるでしょう。
このため、購入希望者にとって魅力的な条件が整い、売却を検討するには適した機会です。
また、修繕後はしばらく大きなメンテナンスが不要となるため、購入者にとっても安心材料となります。
このように、資産価値が高まるタイミングを逃さずに売却することで、より良い条件での取引が期待できるでしょう。
収支がマイナスになったとき
収支がマイナスになった場合、東京のワンルームマンションの投資を続けることはリスクが伴います。
とくに、ローンの返済や維持費が家賃収入を上回る状況が続くと、資金繰りが厳しくなり、負担が増える可能性があるでしょう。
このような状況では、早めに売却を検討することが重要です。
売却によって一時的に損失が発生することも考えられますが、長期的な負担を軽減できる可能性があります。
市場の動向や専門家の意見を参考にしながら、最適なタイミングでの売却を考えることが大切です。
減価償却が終了する前
減価償却が終了する前にワンルームマンションを売却することは、投資家にとって重要な判断ポイントです。
減価償却が終わると、経費として計上できる額が減少し、結果的に課税所得が増える可能性があります。
そのため、税負担が重くなる前に売却を検討することで、キャッシュフローを健全に保てるでしょう。
とくに、耐用年数が近づいている物件は、早めに売却を進めることで、より有利な条件で次の投資に移行できます。
東京の不動産市場において、投資戦略の一環として減価償却終了前の売却を考慮することは、賢明な選択といえるでしょう。
東京のワンルームマンション投資における注意点
東京でワンルームマンションへの投資を検討するときは、いくつかの重要なポイントに注意する必要があります。
東京は地価が高いため、地方と比べて物件価格が高額になりがちです。
高額な物件の購入のためには借入金に頼る部分が多くなる可能性がありますが、過度な借金は返済負担が重くなる、あるいは返済できなくなるリスクがあるでしょう。
また同じ都内でも、区や駅からの距離、周辺環境によって価格が大きく変動します。
人気エリアの物件は価格が高く、利回りが低くなる傾向がある一方、価格が安いエリアは空室リスクが高まる可能性もあるでしょう。
そのため、エリアごとの特性をしっかりと把握して、投資物件を選定することが重要です。
さらに購入前には、綿密な収支計算とシミュレーションを行い、必要な資金をしっかり準備することが肝心でしょう。
これにより、予期せぬリスクを最小限に抑え、安定した投資を目指せます。
まとめ
東京のワンルームマンション市場は、価格が上昇傾向にあり、投資のチャンスも多く存在しています。
とくに、都心部での単独世帯の増加や中古物件の需要拡大は、今後の投資における重要なポイントでしょう。
ただし、投資にはリスクも伴うため、価格動向や売却のタイミングを見極めることが重要です。
これらを考慮しながら、賢く投資を進めていきましょう。