この記事を書いた人
船橋寛之(ふなばしひろゆき)
1984年生まれ。
ドイツ育ちの不動産投資家。
不動産投資歴16年。
立教大学 経済学部卒。
リーマンショックの時に新卒で区分マンションを購入し、東京23区を中心に最大6棟55部屋を所有。
大和証券、大和総研に11年間勤務後、不動産コンサルタントとして独立。
現在は年間20億円以上の「非公開物件」仲介を行う。強みは「物件情報力」で、経験を活かしてセミナー講師や執筆活動にも携わる。
私生活では子供3人を育てる「ほぼ主夫」。
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日本の不動産市場において、しばしば課題となるのが「再建築不可物件」の存在です。
これは、建築基準法に定める「接道義務」を満たさない土地に建つ建物を指し、原則として建て替えが認められません。
しかし、この厳しい規制に一筋の光を当てるのが、建築基準法第43条2項2号(旧43条但し書き)という特例制度です。
本記事では、この重要な制度の背景、具体的な適用要件、実務上の課題、そして不動産市場に与える影響について、ビジネスジャーナリストの視点から深く掘り下げて解説いたします。
Contents
建築基準法第43条2項2号とは何か:接道義務と特例の背景
建築基準法は、国民の生命や財産を守るために、建物の安全性や都市環境の健全性を確保することを目的としています。
その中でも特に重要な規定の一つが「接道義務」であり、これはすべての建築物が一定の条件を満たす道路に接していなければならないという原則です。
接道義務の原則と目的
建築基準法第43条1項は、建築物の敷地は、建築基準法上の道路に2m以上接していなければならないと定めています。
この「接道義務」が設けられた主な目的は、以下の通りです。
・災害時の避難経路の確保:火災や地震などの災害発生時に、住民が安全に避難できる経路を確保することは極めて重要です。
・緊急車両の通行確保:消防車や救急車などの緊急車両が、迅速に現場に到着し、活動できるための通路を確保します。
・衛生環境の維持:日照や通風を確保し、良好な居住環境を維持するためにも、道路への接面が求められます。
・都市計画の秩序維持:無秩序な開発を防ぎ、計画的な都市形成を促進する上で、道路への接続は不可欠です。
この接道義務を満たさない土地に建つ建物は、原則として増改築や建て替えができません。
これが「再建築不可物件」と呼ばれる所以です。
「再建築不可物件」が生まれる背景
再建築不可物件が多数存在する背景には、日本の都市形成の歴史が深く関わっています。
特に、戦後の急速な都市化や、区画整理が十分に行われなかった地域、あるいは古くからの集落では、建築基準法が制定される以前から建物が密集していました。
・歴史的経緯:建築基準法が施行された1950年以前に建てられた建物や、既存集落内の細い通路に面した土地は、現在の基準を満たさないケースが多く見られます。
・不整形な土地:旗竿地や袋地など、形状が不整形な土地では、公道に2m以上接することが難しい場合があります。
・私道の未整備:私道が建築基準法上の道路として認定されていない場合も、接道義務を満たせない原因となります。
これらの物件は、老朽化が進んでも建て替えができないため、資産価値が低く評価されがちであり、所有者にとっては大きな負担となっていました。
但し書き規定の創設意図と改正経緯
このような再建築不可物件の課題に対応するため、建築基準法第43条には例外規定が設けられました。
それが、かつての「但し書き規定」であり、現在の「建築基準法第43条2項2号」です。
この規定は、接道義務を満たさない敷地であっても、特定行政庁が「避難及び通行の安全上支障がないと認めて許可したもの」については、建築を許可するというものです。
・創設意図:既存の市街地における土地の有効活用を促進し、再建築不可物件の再生を可能にすることで、社会経済的な損失を軽減することを目指しました。
・改正経緯:2018年の建築基準法改正により、旧43条但し書きは「43条2項2号」と「43条2項3号」に分離されました。
2項2号は、個別の許可申請に基づき特定行政庁が判断する制度であり、2項3号は、特定行政庁が事前に包括的な基準を定めておき、その基準に適合すれば許可が不要となる制度です。
本記事で主に扱うのは、個別の判断が求められる2項2号の制度です。
この制度は、画一的な基準では対応しきれない多様な敷地状況に対し、柔軟な判断を可能にすることで、都市の持続的な発展を支える重要な役割を担っています。
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特例適用への道:許可基準と申請プロセス
建築基準法第43条2項2号の許可を得るためには、特定行政庁が定める詳細な基準を満たし、厳格な申請プロセスを経る必要があります。
このプロセスは複雑であり、専門知識が不可欠です。
許可基準の具体的な要件
特定行政庁が許可を出す際の判断基準は、主に「避難及び通行の安全上支障がない」という点に集約されます。
具体的な要件は各自治体によって異なりますが、一般的には以下の要素が考慮されます。
・通路の幅員:敷地から公道に至るまでの通路の幅員が、緊急車両の通行や避難経路として十分であるかどうかが評価されます例えば、幅員4m以上の通路が求められる場合もあれば、周辺環境によっては3mや2mで認められるケースもあります。
・通路の構造と安全性:通路が舗装されているか、照明設備があるか、段差や傾斜が適切に整備されているかなど、安全な通行を確保するための構造が求められます。また、通路が私道である場合は、その所有関係や通行権の確保も重要です。
・防災上の安全性:敷地や周辺環境が火災延焼のリスクをはらんでいないか、消防活動に支障がないかなどが審査されます。例えば、通路に面する建物が耐火構造であることや、消火栓までの距離なども考慮されます。
・空地や公園等への接続:敷地が直接道路に接していなくても、幅員4m以上の通路を通じて、安全な空地や公園、広場などに接続している場合も、許可の対象となることがあります。
・建築審査会の同意:特定行政庁が許可を判断する際には、建築審査会の同意が必要となるケースがほとんどです。建築審査会は、建築基準法の専門家で構成され、公平かつ客観的な立場から審査を行います。
これらの基準は、単に形式的な要件を満たすだけでなく、その敷地固有の状況や周辺環境を総合的に判断して適用されます。
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申請から許可までの流れ
43条2項2号の許可申請は、一般的に以下のステップで進行します。
・事前相談:まず、特定行政庁の建築指導課などに対し、計画の概要を説明し、許可の見込みや必要な書類について事前相談を行います。
この段階で、敷地の状況や計画の課題を把握し、許可取得の可能性を検討します。
・必要書類の準備:事前相談の結果に基づき、申請に必要な書類を準備します。
主な書類としては、許可申請書、付近見取図、配置図、平面図、断面図、立面図、公図、登記簿謄本、通路の所有関係を示す書類、周辺住民の同意書などがあります。
特に、通路の安全性を具体的に示す図面や写真、防災計画に関する資料は重要です。
・申請書の提出:準備が整った書類を特定行政庁に提出します。
この際、申請手数料として数万円から数十万円程度の費用が発生することが一般的です。
・審査:特定行政庁は提出された書類に基づき、計画が許可基準を満たしているかを審査します。
必要に応じて、現地調査や追加資料の提出が求められることもあります。
・建築審査会への付議:審査の結果、特定行政庁が許可相当と判断した場合、案件は建築審査会に付議されます。
建築審査会では、専門家による審議が行われ、最終的な同意が得られるかどうかが決まります。
・許可の決定:建築審査会の同意が得られれば、特定行政庁から許可が下り、建築確認申請に進むことが可能となります。
この一連のプロセスは、通常、数ヶ月から1年以上を要することがあり、時間的・経済的なコストがかかることを理解しておく必要があります。
許可取得における実務上の課題
43条2項2号の許可取得には、いくつかの実務上の課題が存在します。
・特定行政庁ごとの運用差:許可基準や審査の厳格さは、特定行政庁によって異なる場合があります。
ある自治体で許可されたケースが、別の自治体では認められないということも起こり得ます。
そのため、事前に管轄の特定行政庁との綿密な打ち合わせが不可欠です。
・周辺住民との合意形成:通路が私道であったり、隣接する敷地所有者の協力を必要とする場合、周辺住民からの同意を得ることが不可欠です。
しかし、利害関係の調整は難航することが多く、これが許可取得の大きな障壁となることがあります。
・専門知識の必要性:建築基準法や都市計画法に関する専門知識、そして申請書類作成のノウハウが求められます。
そのため、建築士や不動産鑑定士などの専門家への依頼が不可欠となり、その費用も考慮に入れる必要があります。
例えば、専門家への依頼費用として100万円から300万円程度のコストがかかることも珍しくありません。
・不確実性:申請しても必ず許可が得られるとは限りません。
建築審査会の判断や、周辺住民との調整がうまくいかない場合、許可が下りないリスクも存在します。
この不確実性が、投資家や所有者にとっての大きなハードルとなります。
これらの課題を乗り越えるためには、事前の十分な調査と準備、そして専門家との連携が極めて重要です。
但し書き制度がもたらす価値:不動産市場への影響とメリット
建築基準法第43条2項2号の制度は、再建築不可物件という制約を抱える不動産に、新たな価値と可能性をもたらします。
これは、不動産市場全体の活性化にも寄与する重要なメカニズムです。
再建築不可物件の再生と資産価値向上
この制度の最大のメリットは、これまで活用が難しかった再建築不可物件の再生を可能にする点にあります。
・市場価値の向上:再建築不可物件は、一般的に市場価格が低く抑えられています。
しかし、43条2項2号の許可を得て再建築が可能になれば、その土地の資産価値は大幅に向上します。
例えば、許可取得前は周辺相場の30%から50%程度で取引されていた物件が、許可取得後は70%から80%、あるいはそれ以上の価格で売買されるケースも少なくありません。
・投資対象としての魅力:許可取得に成功すれば、その物件は新たな投資対象としての魅力を持ちます。
デベロッパーや個人投資家は、許可取得のノウハウを持つことで、低価格で物件を取得し、価値を向上させて売却するというビジネスモデルを構築できます。
・多様な活用方法:再建築が可能になることで、賃貸住宅、店舗、オフィスなど、多様な用途での活用が可能になります。
これにより、地域のニーズに合わせた柔軟な不動産開発が促進されます。
土地の有効活用と都市景観への寄与
再建築不可物件の再生は、個々の物件の価値向上に留まらず、都市全体の土地の有効活用と景観改善にも貢献します。
・空き家問題の解決:再建築不可物件の中には、老朽化した空き家となっているものが多く存在します。
この制度を活用することで、これらの空き家が解体され、新たな建物が建設されることで、空き家問題の解決に寄与します。
・都市の活性化:老朽化した建物が取り壊され、新しい建物が建つことで、その地域の景観が改善され、都市の活性化につながります。
特に、歴史的な街並みの中に点在する再建築不可物件を再生することは、地域の魅力を高める上で重要です。
・持続可能な都市開発:既存のインフラを活用しつつ、土地の有効活用を促進することは、持続可能な都市開発の観点からも望ましい方向性です。
新たな開発用地が限られる中で、既存市街地の再生は不可欠な要素となります。
投資家・所有者にとってのメリット
不動産投資家や再建築不可物件の所有者にとって、この制度は大きなビジネスチャンスや資産形成の機会を提供します。
・高利回り投資の可能性:再建築不可物件は、取得価格が安いため、許可取得に成功すれば、高利回りでの投資が期待できます。
許可取得にかかる費用や時間を考慮しても、それを上回るリターンが得られる可能性があります。
・資産の流動性向上:再建築不可という制約は、物件の売却を困難にします。
許可を得ることで、売却先の選択肢が広がり、資産の流動性が大幅に向上します。
相続などで取得した再建築不可物件を現金化したい所有者にとって、この制度は非常に有効な手段です。
・新たなビジネスモデルの創出:43条2項2号の許可取得を専門とするコンサルティングビジネスや、再建築不可物件を専門に扱う不動産仲介業など、新たなビジネスモデルが生まれる可能性も秘めています。
この制度は、単なる建築規制の例外ではなく、不動産市場に新たなダイナミズムをもたらし、社会全体に多大な価値を提供する潜在力を持っています。
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制度の課題とリスク:注意すべきポイント
建築基準法第43条2項2号は、再建築不可物件の再生に大きな可能性をもたらしますが、その運用にはいくつかの課題とリスクが伴います。
これらの点について十分に理解し、慎重な対応が求められます。
許可取得の不確実性と時間的コスト
許可取得プロセスは、その結果が常に保証されるものではなく、また相当な時間と労力を要します。
・審査の厳格性:特定行政庁や建築審査会は、国民の安全に関わる重要な判断を行うため、審査は非常に厳格です。
特に、避難経路の安全性や防災上のリスクについては、少しでも懸念があれば許可が下りない可能性があります。
・判断の属人性:許可基準は各自治体で定められていますが、最終的な判断には担当者の裁量や建築審査会の委員の意見が影響することもあります。
これにより、類似のケースでも結果が異なるという不確実性が生じることがあります。
・長期化するプロセス:事前相談から建築審査会への付議、そして許可決定までには、数ヶ月から1年以上を要することが一般的です。
この間、申請者は多大な時間と精神的負担を強いられることになります。
特に、事業計画の遅延は、経済的な損失に直結するリスクをはらんでいます。
・費用対効果の検討:許可取得には、専門家への依頼費用、申請手数料、測量費用など、多額のコストがかかります。
これらの費用が、物件の価値向上によって十分に回収できるかどうかを事前に慎重に検討する必要があります。
例えば、総額で500万円以上の費用がかかることも珍しくありません。
周辺住民との合意形成の重要性
43条2項2号の許可取得において、周辺住民との良好な関係構築は、成功の鍵を握る重要な要素です。
・私道の通行権:通路が私道である場合、その私道を利用する他の住民の通行権や所有権の問題が発生します。
建築計画が彼らの生活に影響を与える可能性があるため、事前の説明と同意が不可欠です。
・日照・通風・プライバシー:新築や増改築によって、周辺住民の日照、通風、プライバシーが侵害されると懸念される場合、反対運動が起こる可能性があります。
これは、許可取得を著しく困難にする要因となります。
・紛争のリスク:周辺住民との合意形成が不十分なまま計画を進めると、紛争に発展するリスクがあります。
訴訟にまで至れば、プロジェクトは長期的に停滞し、多大な費用と時間を浪費することになります。
そのため、計画段階から丁寧な説明と、必要に応じた条件交渉を行うことが重要です。
制度悪用リスクと倫理的側面
この制度は、土地の有効活用を促す一方で、その運用によっては倫理的な問題や悪用リスクも内包しています。
・安全性の軽視:許可取得を急ぐあまり、避難経路の安全性や防災上の配慮が不十分な計画が提出されるリスクがあります。
特定行政庁はこれを厳しく審査する必要がありますが、申請者側も安易な計画は避けるべきです。
・投機的な利用:低価格で再建築不可物件を取得し、許可取得後に高値で転売するという投機的な利用が増加する可能性があります。
これは必ずしも悪いことではありませんが、地域の住環境やコミュニティに与える影響を考慮する必要があります。
・情報格差の是正:この制度に関する情報やノウハウは、一部の専門家や投資家に偏りがちです。
一般の所有者が、自身の物件の可能性を知らずに安値で手放してしまうことを防ぐため、制度に関する正確な情報提供と啓発活動が求められます。
これらの課題とリスクを認識し、適切な対策を講じることで、43条2項2号の制度が本来の目的である「安全な土地の有効活用」に貢献できるよう努める必要があります。
未来への展望:制度の進化と不動産市場の可能性
建築基準法第43条2項2号は、過去から現在に至るまで、都市の多様なニーズに応えるために進化してきました。
今後も、社会情勢の変化や技術の進歩に合わせて、その運用はさらに洗練されていくことが期待されます。
地域特性に応じた柔軟な運用
日本の都市構造は、地域によって大きく異なります。
画一的な基準だけでは対応しきれない多様な状況に対し、より柔軟な運用が求められています。
・地域ごとの特性を考慮:歴史的な街並みが残る地域、過疎化が進む地方都市、あるいは再開発が進む大都市圏など、それぞれの地域が抱える課題は異なります。
43条2項2号の許可基準や運用において、これらの地域特性をより深く考慮したガイドラインが策定されることで、制度の有効性が高まるでしょう。
・住民参加型プロセス:周辺住民との合意形成を円滑に進めるため、地域コミュニティが参加する協議の場を設けるなど、住民参加型のプロセスを導入することが有効です。
これにより、地域全体の合意形成を促進し、トラブルを未然に防ぐことができます。
・モデルケースの共有:成功事例や課題解決のノウハウを、特定行政庁間で共有する仕組みを強化することで、全国的な制度運用の質の向上につながります。
特に、複雑なケースにおける判断基準の共有は、申請者にとっても大きなメリットとなります。
デジタル化による申請プロセスの効率化
現代社会において、行政手続きのデジタル化は避けて通れない潮流です。
43条2項2号の申請プロセスも、デジタル技術の導入によって大幅な効率化が期待されます。
・オンライン申請システムの導入:申請書類の作成から提出までをオンラインで行えるシステムを導入することで、申請者の負担を軽減し、行政側の処理速度も向上させることができます。
これにより、年間数千件に及ぶ申請処理の効率が大幅に改善される可能性があります。
・GIS(地理情報システム)の活用:敷地の形状、周辺道路の状況、防災施設の位置などをGISデータとして一元管理することで、審査の精度と効率を高めることができます。
これにより、現地調査の必要性を減らし、迅速な判断を可能にします。
・AIによる事前診断サポート:過去の許可事例データをAIに学習させることで、申請前に許可の見込みをある程度予測できる事前診断ツールが開発される可能性もあります。
これは、申請者にとっての不確実性を軽減し、無駄な申請を減らすことにつながります。
持続可能な都市開発への貢献
再建築不可物件の再生は、単なる経済活動に留まらず、持続可能な都市開発という大きな目標に貢献します。
・既存ストックの有効活用:スクラップ&ビルドに頼るのではなく、既存の建物を改修・再生し、土地を有効活用することは、資源の節約と環境負荷の低減につながります。
これは、SDGs(持続可能な開発目標)の達成にも寄与するアプローチです。
・多様な住環境の提供:画一的な新築住宅だけでなく、歴史的な背景を持つ物件や個性的な物件が再生されることで、都市に多様な住環境が提供されます。
これは、住民のライフスタイルの多様化にも応えるものです。
・地域コミュニティの維持・発展:再建築不可物件の再生は、その地域に新たな住民を呼び込み、コミュニティの活性化につながります。
特に、高齢化が進む地域において、若い世代の流入を促す上で重要な役割を果たすことができます。
建築基準法第43条2項2号は、単なる法律の条文ではなく、都市の過去と未来をつなぎ、持続可能な社会を築くための重要なツールであると言えるでしょう。
その適切な運用と進化は、今後の日本の不動産市場と都市開発において、ますますその重要性を増していくに違いありません。
まとめ
本記事では、建築基準法第43条2項2号(旧43条但し書き)という特例制度について、その背景から具体的な運用、そして未来への展望までを詳しく解説いたしました。
主要なポイントとして、接道義務の原則と再建築不可物件が生まれる背景、そしてこの制度がそれらの物件に新たな価値をもたらす可能性が挙げられます。
この制度は、安全性の確保と土地の有効活用という二律背反的な要請の間でバランスを取りながら、都市の持続的な発展を支える重要な役割を担っています。
許可取得には、特定行政庁ごとの運用差や周辺住民との合意形成、そして専門知識の必要性といった課題が伴いますが、これらを乗り越えることで、再建築不可物件の資産価値向上や高利回り投資の機会が生まれます。
今後の展望としては、地域特性に応じた柔軟な運用やデジタル技術の活用による申請プロセスの効率化が期待されます。
読者の皆様には、再建築不可物件の売買や活用を検討される際には、この制度の可能性とリスクを十分に理解し、専門家と連携しながら慎重な判断をしていただくことをお勧めいたします。







