ついに始まりました。
フラット35(住宅ローン)を使って不正に不動産を取得し、貸し出していた人に対して、アルヒ株式会社より「全額繰上償還請求の予告」が届くようになりました。
全額繰上償還請求された場合は、どのようになるのでしょうか。
巷では「なんちゃって」や「ちゃって」などといわれています。
全額繰上償還請求までの流れ
1.住宅ローンを使ってファミリータイプの区分マンションを取得し、それを貸し出している人に対し、銀行より現状確認通知が届きます
2.銀行に呼ばれ、面談をします
3.面談後、不正が確認できれば、全額繰上償還請求されるようになります
ターゲットになっている多くは、独身という特徴がありそうです。
独身にも関わらず、ファミリータイプの部屋を買うのは、確かに納得がいきません。
1LDKなど、40㎡以上の間取りを同じやり方で購入している人も目立ちます。
一貫して独身に見られる傾向です。
男性に限らず、女性も多く関与しています。
男女問わず、住宅ローンを使って区分マンションを購入し、それを貸し出す、という行為は横行していると感じます。
最近でもこの傾向は収まっていません。
Aさん「最近不動産買うんですよ!」
私「そうなんですね!投資用ですか?」
Aさん「いえ、自分で住みます!」
私「ご家族と一緒ですか?」
Aさん「いえ、独身なので一人で住みます」
私「本当に住む用で買いますか?貸したりしないですか?」
Aさん「・・・」
私「・・・」
このような感じです。
今なお、非常によくある話です。
感じる特徴は、次の通りです。
・独身
・20代~30代前半
・年収が低い(600万未満)
住宅ローンなので、属性が低くても組めるという部分が一番のポイントです。
年収が低いまたは属性が弱い人をターゲットにできる点で、狙われています。
売り逃げできるのか確認せよ
全額繰上償還請求とは、ローンの残額をすぐに返済せよ!というものです。
返済の方法は、売るしかありません。
しかし、売っても残債が残る可能性があります。
残った残債を自分で補填できるのであれば、売り逃げの選択肢が出てきます。
所有している物件の売値:1,800万円
ローン残債:2,000万円
このような場合、売ってもローン残債が200万円残ります(売却時の費用は加味していません)。
すると、200万円を自分で銀行に差し入れることができれば、晴れて完済になります。
住宅ローン不正で不動産を購入している100%の人が、不動産を相場よりはるかに高い値段で買わされています。
よって、不動産を売るだけでローンの残債が消せる人はほとんどいないでしょう。
なぜ住宅ローン利用だと不動産の値段を吊り上げることができるのかご存じですか?
答えは以下の記事で解説します。
↓ ↓ ↓ ↓
運よく、購入時期が2014年よりも前であれば、売れる可能性があります。
区分マンションは2012年ごろから大幅に価格が上がっており、2014年以前に購入している場合は、値上がりにより売ることでローンの残債を消せる可能性があるのです。
まずは売れる値段を確認しましょう。
幸運にも査定額とローン残債が近い場合は、売れるかもしれません。
査定価格とローン残債が随分と乖離している場合(ローン残債の方が大きい)、なかなか厳しい状況です。
売却して一括返済できないような場合は、最悪競売にかけられることもあります。
競売にかけられると、普通に売るよりも低い値段でしか売れません。
競売で売ったとしても、残ったローンは支払う必要があります。
いずれにせよ借金を抱えることになるのです。
こうなると、最悪自己破産も本気で検討しないといけないかもしれません。
まとめ
不動産業界の怖さを改めて痛感する事例です。
不動産は金額が高いので、一回の失敗で自己破産することも珍しくありません。
今回の事例は、まだまだ序章です。
巷では、融資がザルだった時期に、大量に不動産を購入しているなんちゃってメガ大家のような人が多く存在します。
その多くは、スルガ銀行、静岡銀行など高金利で融資を受け、古めの物件で微妙なエリアを購入しています。
彼らもまた、自己破産候補者です。
不動産投資は、よく理解せずにするものではありません。
金額が大きく、一度のミスで人生が無茶苦茶になることもあります。
ウソが常識になっている世界で、戦えるだけのスキルと知識と確かな人脈はありますか?
今一度よく考えてみてください。