1棟物件・アパートは、区分マンションとは異なり、修繕履歴や各種契約の確認が必要になります。
確認を怠ると、思わぬ費用がかかる場合があります。
当初の収支計画が狂う可能性があるので、しっかりと確認しておいてください。
修繕履歴
1棟物件・アパートの、最大のリスクは修繕費です(地震など不可抗力による災害などを除く)。
1棟物件のコストで、圧倒的ウエイトを占めるのが、大規模修繕になります。
大規模修繕とは、
・外壁修繕
・屋上防水、シーリング
・鉄部塗装
など、色々とあります。
簡単に言うと、足場を作って行う工事だと思ってください。
物件の規模によりますが、数百万円規模です。
これらの修繕が、
・既に行われているのか
・行われているのであれば、いつ行われたのか
・または全く行われていないのか
は確認が必要です。
大規模修繕は、12年ほどから15周期くらいでやてきます。
例えば、築20年の物件を検討しているとします。
一度も大規模な修繕をしていない場合は、買ってから数年以内に、数百万規模の修繕が発生する可能性があります。
これをネタに値引き交渉したりするこも可能です。
修繕履歴が分かっていれば、
○○年後くらいに○○万円くらいの修繕費を見積もっておく必要があるな
ということを把握することができるのです。
但し、残念なことに、修繕履歴が不明な物件も多くあります。
その場合は、修繕費を予め見積もっておくべきです。
修繕履歴がしっかりとしている物件には安心感があります。
よって、自分自身が1棟物件・アパートを所有している場合は、しっかりと修繕履歴を残しておくと良いでしょう(売るときのアピール材料になります)。
各種契約
1棟物件、アパートになると、
・テレビ
・インターネット
・プロパンガス
・建物設備管理費用
・自動販売機
・駐車場
・その他
など、色々な契約も引き継ぐことになります。
特にテレビやインターネット関係の契約は、キャッシュアウトになる項目なので、契約内容ならびに月額費用を確認しておくべきです。
毎月必ずかかる費用になるため、収支計算書にこれら費用は盛り込んでおくべきでしょう。
少し極端ですが、収支計画は良かったものの、その他費用が高額で、解約にも余計な費用がかかるなど、購入後のトラブルを避ける為にも、各種契約書のチェックは欠かさないで下さい。
また、月額の想定賃料に、駐車場や自動販売機の収入を追加して利回りを計算する業者もいるので注意が必要です。
各種契約内容ならびに売上・費用を確認し、正しい収支計画を立てるようにしてください。
不要であると思われる契約が含まれている場合は、解約の条件も合わせて確認が必要です。
売主の責任を持って所有権移転時までに解約させることも有効な手段です。
まとめ
区分マンションでこのようなことはありませんが、1棟物件・アパートは確認が多くなります。
月額で費用が発生する契約があれば、詳細を確認して下さい。
売り手から率先して出してくる情報ではないので、買い手から確認してみてください。
付随する契約を引き継ぐことでかかる費用が高額であれば、せっかく作成した収支計画書は、水の泡です。
・何か費用のかかる契約はありますか?
・付随する契約はありますか?
という形で確認してください。
仲介業者に依頼すれば、全て揃えてもらえます。
月額の費用で言うと、テレビとインターネットです。
そして、1棟物件・アパートで最もリスクとされる修繕についても、修繕履歴の確認を怠らないようにして下さい。
