不動産業者は、顧客の囲い込みで多額の利益を上げています。
買主、売主は両方とも損をしています。
利益を詐取されている、という表現の方が正確かもしれません。
どのような手口で、買主と売主双方から利益を詐取しているのでしょうか。
多くの投資家は、このことに気が付いていません。
信頼関係を構築するためのコミュニティー化
不動産業者は、信頼関係構築に一番時間をかけてきます。
不動産は数千万の買い物になるため、当然と言えば当然です。
衝動買いするようなものでもありません。
じっくりと検討し、信頼できる人から買いたいと思うのは当たり前です。
不動産業者はそのことを理解しているため、あの手この手で信頼関係の構築を図ります。
飲み会をセットしたり、コミュニティーを作って接点を持つ機会を増やそうとします。
コミュニティーが構築されているような不動産業者には注意してください。
顧客囲い込みの手口です。
購入を検討している人、購入した人、売却した人、など、同じ不動産業者と接点のある人を集めて囲います。
買主の利益を詐取する方法
すごく簡単にいうと、本当は1,000万円で買えるはずの物件を、1,500万円で売ることによる販売益の獲得です。
不動産業者は、売った時点で500万円の利益が確定します。
購入した人は、いきなり500万円のマイナスからスタートします。
この手の不動産業者は、基本的に不動産の長期保有を促すため、すぐに売るマインドにならないよう洗脳しておきます。
すぐに売る動きをされると、500万円詐取したことがばれてしまいます。
このため、20年は保有してください、という形で長期保有を促します。
長期保有を促すと、どうなるのでしょうか。
1,500万円で買った不動産の20年後の価値は、800万とします。
20年後の残債は、約750万円です。
すると、20年後に、残債で買取りますよ、と言います。
不動産業者に残債で売ると、売るタイミングで利益は全然出ません。
それでは20年間にどれだけ利益が出ていたのでしょうか。
入居者が入れ替わったり、修繕費用など、思わぬ支出もあったはずです。
固定資産税などを含めると、期間中に黒字が出ていたかも怪しいところです。
すると、今回のオーナーは、20年間運用して利益がほとんど0だった、ということになります。
幸運にも、相場全体が上昇傾向にある場合は、値上がった分の利益が出るかもしれません。
しかし、運が良かっただけです。
本来であれば、20年間運用して500万円の利益がでていたはずです。
その利益はどこに行ってしまったのでしょうか。
それは、最初に不動産業者がぼったくった500万です。
簡単に言うと、不動産業者は、ぼったくり物件を打った瞬間、買主の20年分の利益を得ている、ということになるのです。
買主は不動産業者のために、20年間無償でアルバイトをしているような状態です。
売主の利益を詐取する方法
不動産業者が詐取するのは、買主からだけではありません。
売主からも詐取します。
方法は簡単です。
本来の相場を教えず、安く買い取ろうとするのです。
売主が所有している物件の相場が、1,500万円だとします。
それを、○○で××なので、1,200万円で買取ります、と言って買取るのです。
不動産業者から買い取りの話が出たら、相場を調べろ!
相場が1,500万円の物件を1,200万円で不動産業者に売ってしまうと、売主は300万円損したことになります。
不動産業者は、購入者にだけではなく、売主側にも相場を伝えません。
ぼったくりは、買主だけでなく、売主でも起きているのです。
自社顧客間で物件を回す
買主も売主もグリップした不動産業者は、どうするのでしょうか。
自社で囲い込んだ買主と売主の間で不動産をぐるぐる回します。
売主から1,200万円で買取った物件を、買主にに1,800万円で売ります。
差額は600万円です。
これをひたすら繰り返します。
買主は相場よりも高く物件を買わされているため、すぐには売れません。
10年、15年と保有させると、高値で買った物件も、残債と売値が同じくらいになります。
すると、残債で買取ります、といって物件を買い取ります。
買取った物件に上乗せして新しい買主に売ります。
買主には長期保有させ、売主が物件を売ったら、次は物件を買わせるのです。
このように、買主と売主をぐるぐる変えて物件を回します。
不動産業者は、ひたすら売値と買値の差額で儲けを出すのです。
このようなことをしている業者は沢山あります。
大手ほど顧客が多いので注意が必要です。
ぐるぐる回されるスパイラルに陥ってしまった人は、本来稼げていたはずの利益が抜かれています。
運がよく、相場全体が値上がりしていても、本当は800万利益がでたのに、600万円ぬかれたから200万円の利益にしかならなかった、ということはよく起きます。
しかし、このように物件をぐるぐる同じ業者で回される投資家は素人なので、200万円利益が出て喜んでいるのです。
本当は800万円も利益が出ていたなど、夢にも思わないでしょう。
まとめ
いかがでしたでしょうか。
なんとなく一度上手くいったように感じている投資家は、その業者を信じてしまいます。
本当はもっと稼げたのに、不動産業者に上手いこと使われ、利益を抜かれています。
区分マンション投資会社でよくある手法です。
1棟でも同じようなことをやっている会社もあるので注意が必要です。
不動産業者が買い取ることが前提となっているようなモデルは、今回の囲い込みの典型です。
購入時に、10年後に弊社で買取ります、というような内容です。
未来における買取の話が出てきたら、疑ってください。
買取りの話は罠だ!常に疑え