コラム

不動産価格はどうなるの?~円安が与える不動産価格への影響~

不動産投資における1棟融資は2018年ごろから厳しくなっていき、2022年現在、厳しい状態が維持されています。

1棟の買い増しは容易ではなく、それなりの金融資産がないと難しいでしょう。

融資が厳しくなっただけでなく、経済活動に目を向けると、テーパリングが開始されます。

インフレを抑えるために金利を上げざる得ない状況もあります。

株価の下落・・・

金利の上昇・・・

これらは本来不動産価格にどのような影響を与えるのでしょうか?

金利上昇が不動産価格に与える影響

2021年までは、コロナ資金がジャブジャブの状態で、株価が急騰していました。

2020年~2021年にかけては、バカでもチョンでも勝てた相場といわれています。

誰でも勝てる相場だったんだね~

 

それほど、歴史的に見ても大幅な株価上昇がありました。

株価上昇は量的緩和の影響です(資金のバラマキ)。

それを縮小させるのがテーパリングです。

テーパリングの実施に伴い、2022年は株価が下がっています。

ある意味当たり前です。

2022年単体で見て、それ以前同様、株式投資で勝ち続けていることができている人は、実力者だと思います。

2022年は実力がないと勝てない相場といわれています。

 

量的緩和により資金がジャブジャブになり、結果としてインフレを招いています。

ウクライナ問題もインフレに拍車をかけています。

 

インフレを抑えるための有効な手段は金利を引き上げることです。

金利の引き上げは既に実行されており、当面の間金利は上昇傾向になります。

金利が上がると、不動産価格はどうなるでしょうか?

 

金利が上がると、借り手の収支が悪くなります。

金利1%で借りているときと、金利2%で借りている時では、毎月の支払額が変わって当然です。

金利が高くなれば、その分支払額は増えます(元金の減りは下がります)。

不動産投資家にとって、金利が上がるということほど嫌なことはありません。

一般的に、金利が上がると不動産価格は落ちるといわれています。

収支が悪い状態では買い手の意欲も落ちるため、価格を落としていくのです。

現在金利は世界的に上昇傾向にありますが、不動産価格は本当に落ちていくのでしょうか。

支払う金額が増えるのって嫌だな・・・

 

円安が不動産価格に与える影響

世界的な金利上昇の中、日本だけ金利が上がらないようにコントロールされてます(by日銀)。

これにより、円安が進行しています(一般的に、金利が高い通貨が買われ、低い通貨が売られるためです)。

2021年の秋ごろまで100円台だったドル円は、2022年の夏前時点で140円に迫ろうとしています。

実に、30%以上「円の価値が落ちた」ということになるのです。

日本だけで生活し、円しか使っていなければ、だから何?くらいの話かもしれません。

しかし、円の価値が大きく下がった、ということは、外国から見た時の日本のモノの価格が下がったことを意味しています。

要するに、外国から見た日本の不動産価格は、去年の秋から比べると、30%ほど下がったことになるのです(円で見る不動産価格は変化していないと仮定)。

これは非常に怖いことです。

外国人から見て少し前に1億円だった物件が、今だと7,000万円で買えることになるのです。

不動産投資をしている人であればわかると思います。

不動産価格が30%下落したらどうですか?

すごく欲しくなりませんか?

私なら全力で買いにいきます。

バーゲンセールだ!!

 

外国からの不動産需要が増えるため、日本の不動産価格は上がっていくと思います。

好立地物件は外国人からも好まれているため、やはり東京を中心として良い立地であれば、価格の上昇が予想されます。

不動産を買おうと思っている人にとっては、なんとも残念な話です。

株価下落と金利上昇により、安くなるかもしれないと期待されていた不動産価格は、円安によって上がってしまうかもしれないのです。

 

同じようなことは、人気のハイブランドにも言えます。

エルメス、ルイ・ヴィトン、シャネル、ディオール・・・などなど

円の価値が下がれば、これら人気ハイブランドの価格は上がって当然です。

円の価値が下がる分上がります。

よって、短期的にも最大30%ほど値上がりしてもおかしくないのです。

円安によって、円の価値が海外からみたときに30%も下落している今の状況は、恐怖なのです。

私たちの資産が、海外から見たらわずかこの1年の間に30%も目減りしているのですから。

まとめ

私個人としては、2022年は不動産の買い時なのではないかと予想していました。

2022年はわかりやすく株価が下げており、テーパリングに金利上昇と、想定していたことが次々と現実的になり、不動産価格が下落してくるのを待っていました。

しかし、日本の政策による円安は想定外で、ここまで変化が出てくるとは思っていませんでした。

多くの方は、日本だけで見て判断していますが、日本の不動産は海外の人でも買えます。

円安により30%も日本の不動産価格が下がったように海外からは見えているのです。

30%は相当なインパクトだよ

 

これはチャンスとばかりに、立地の良い物件を中心に売れていくでしょう。

売れるのであれば値段を下げる必要などなく、むしろ値上がりしていくことでしょう。