この記事を書いた人
船橋寛之(ふなばしひろゆき)
1984年生まれ。
ドイツ育ちの不動産投資家。
不動産投資歴16年。
立教大学 経済学部卒。
リーマンショックの時に新卒で区分マンションを購入し、東京23区を中心に最大6棟55部屋を所有。
大和証券、大和総研に11年間勤務後、不動産コンサルタントとして独立。
現在は年間20億円以上の「非公開物件」仲介を行う。強みは「物件情報力」で、経験を活かしてセミナー講師や執筆活動にも携わる。
私生活では子供3人を育てる「ほぼ主夫」。
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・不動産価格が暴落するんじゃないか?
・不動産の投げ売りが始まるんじゃないか?
こんな話を少し耳にすることがあるのです。
そんなに慌てる必要はないと思います。
5分動画に内容をまとめました!
一口に不動産と言っても、色々な種類があります。
・不動産賃貸業(住宅系)
・不動産賃貸業(商業ビル系)
・実需(マイホーム)
・民泊
・ホテル
・簡易宿泊所
今回のコロナ騒動で影響を受けそうなのは、どのジャンルでしょうか?
影響が出ている分野もあれば、そうでない分野もあります。
まず、不動産賃貸業(住居系)には、影響がありません。
厳密にいうと、私を含む、サラリーマン大家レベル(住宅系の不動産投資)には影響がない、ということです。
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現在オーナーをしている人であればわかると思います。
コロナ騒動以降、持っている不動産で何かありましたか?
急激に金利を上げられて返済に苦しくなりましたか?
銀行がいきなり全額返せ!なんて言ってきたりしていますか?
入居者が、コロナウイルスが怖いから、という理由で退去しまくっていますか?
家賃が劇的に下がりましたか?
どれもNOだと思います。
そして、価格にも変動はありません。
但し、商業ビル系のオーナーには影響が出ています。
借り手からの家賃減額交渉が、少なくとも一定期間は入るでしょう。
この観点で見ると、一時的に家賃収入減になる可能性はあります。
不動産賃貸業(住居系)に影響が出ていないのに、なんで急いで売る必要があるのでしょうか。
不動産の価格は、東京オリンピックや、今回のようなウイルスなど、外的要因に影響されにくいのです。
不動産の価格が変わるときは、基本的に銀行の姿勢に変化があるときだけです。
このことは念頭に置いてください。
逆に、外的要因に何の変化が無くても、融資姿勢に変化があれば、不動産の価格は動き始めます(融資の引き締めや緩和)。

このようなタイミングで思うことは、やっぱり不動産は堅実だな、というものです。
個人的には、あまりに影響がなさすぎて、コロナ騒動を忘れてしまいそうなほどです。
さて、不動産賃貸業を「健全に」行っている人にとってみれば、大きな変化はありませんが、当然不況の影響で窮地に追い込まれる人はいます。
「健全に」とは、需要のあるエリアを適切な価格で購入できていることを指します。
需要のない郊外や地方都市を購入している場合、価格の下落は今回の騒動で加速する可能性があります。
しかし、もともと需要が減退するようなエリアは価格の下落が顕著であるため、コロナウイルスの影響というよりは、いずれ落ちるので変わらなかった、という見方のほうが正しいかもしれません。

※当記事は、主にサラリーマン大家が行う不動産投資(収益物件)の話となります。
不動産を売る必要がある人とは?

なぜ不動産を売る必要があるのか考えてみてください。
私も不動産を複数所有していますが、今急いで売らないといけない理由はどこにもありません。
あなたには、すぐに売らないと破滅する理由がどこかにありますか?
恐らくないでしょう。
今現在の運用が上手くいっていて、特に支払いに困っていないのであれば、売る必要などないのです。

今回のコロナウイルス騒動で、不動産を売らないといけない可能性のある人たちは、別の事業で何らかの影響が出ている人たちです。
会社員をしながら不動産投資をしている人たちには、無関係と言えるでしょう。
例えば、会社Aが事業Bを行うために借入をしたとします。
しかし、事業Bがコロナウイルスの問題で上手くいかず、現金が必要になったとします。
そこで会社Aは、所有中の不動産を売却し、現金の回収を試みたいと考えました。
というようなケースです。
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不動産投資だけで見れば、何の影響もありませんが、別の事業で現金が必要になるようなパターンでは、物件を売りたい!と思う人が出てくるのです。
不動産を売って現金化したいという思惑があるからです。
サラリーマン大家は、ここ5年以内くらいに急激に増えたに過ぎず、その多くは、ほとんどフルローンに近い状態で不動産を購入しています。
残債の減りは不十分なので、売ったところで、たいした現金は回収できません。
さらに、多くのサラリーマン大家は、相場よりはるか高値で物件を掴まされているため、売ろうと思っても売れないケースの方が多いでしょう(ローン残債 > 売値)。
このため、相場より安く売るなんて非現実的です。
自己資金を入れて赤字で損切するくらいなら、持っておいた方がいいのです。

前述した通り、サラリーマン大家が行っている不動産賃貸業自体に劇的な変化が無ければ、そもそも売る必要などありません。
ということは、サラリーマン大家層の物件価格に変化の兆しはないということです。
不動産の相場全体にインパクトを与えることができるのは、金融政策であり、融資姿勢です。
そこが変わらない限り、インパクトはあまりありません。
さて、それでも、一部では、別事業の関係で不動産を売って現金化したい人がいることは事実です。
仮にこれら物件が少し安く出たとしても、まずは現金層が購入します。
不動産の値下がりが待てるのは、現金で不動産が購入できる層だと思ってください。
融資情勢に変化があり、銀行の審査が一層厳しくなったとします。
そのような場合は、不動産価格が下落する可能性はあります。
・その時自分が買える人なのか?
・現金で物件が買えるほどの現金を持っているのか?
というのが重要です。
値下がりが待てるのは、現金で買える人です。
または金融機関と確固たる信頼関係が構築できており、あなたになら貸します!と言われるような属性のみです。

コロナウイルスで影響が大きい不動産事業
区分マンションであったり、1棟収益物件(住居系)に大きな変化はありませんが、インパクトの出る事業があります。
それは、商業ビル系(テナント系)、民泊、ホテル、簡易宿泊所などです。
テナント系は、家賃の減額交渉が入る可能性が高いと思っておいた方が良いでしょう。
滞納も可能性としてはありますが、ほとんどの場合は保証会社が付いていると思うので、大きな実害は出てこないはずです。
さて、深刻なのは、民泊、ホテル、簡易宿泊所です。
予約が入らなくなるので売上が0に近いレベルになるのではないでしょうか。
稼働率は確実に下がると言えるでしょう。
大変な時期だと思います。
人が動かないこの時期、インパクトはかなりのものです。
該当する投資を、ほとんどローンで行っている人または会社があるとすれば、支払いに苦しくなり、売らないといけないタイミング、というのは、あり得ると考えます。
このような物件は、売らざる得ない物件に該当し、買い手にとってみれば、今後の展開次第では、チャンス物件になる可能性を秘めています。
但し、いざチャンスだ!と思っても、前述した通り、多額の現金がなければ、そもそも買いのプレーヤーとしての価値がないので、購入に参加できないと思ってください。
民泊、ホテル、簡易宿泊所は、当面の間収入がない状態が予想されます。
そのような中、買いに行けるのは、収入がゼロでも問題ない次元の人たちです。
コロナウイルスの影響全般
【銀行】
コロナ融資の関係で、そちらが優先されています。
すると、不動産投資の融資は後回しになります。
その結果、不動産の売買件数は減少します。
【不動産業者】
銀行の遅れにより売買件数が減ると、痛いのは不動産業者です。
成約件数が減ると、利益も減ります。
自社で仕入れを行って物件を販売している業者に関しては、決済件数が減ることは相当な痛手です。
物件によっては、少し安くてもいいから売る、という現金回収に向かう可能性もゼロではないでしょう。
ワンルーム系は依然活発で融資ハードルも低いので変化はあまりないと思われますが、1棟に関しては、買える人が限られているので、買えるプレーヤーは、売らないといけない業者から安く買える可能性は出てくると思います。
業者によほど売らなくてはいけない事情が無い限り、彼らも持っていれば賃貸業として問題ないわけで、過度に安く物件が出てくることは期待できないでしょう。
【建築業者】
建築自体がストップしたり、資材の遅れが出てきています。
これにより、完成日は間違いなく後ろに倒れます。
特に、マンションの建設においては、建築の遅れは供給量の減少につながります。
しかし、
コロナの影響でマンションの値段も下がる!
という単純なことでもなさそうです。
前述した通り、販売元の業者によほどの事情が無い限り、投げ売りセールをしてまでも売る必要はなく、そもそも完成が遅れるのであれば、騒動が落ち着いて完成した時に販売するだけの話です。
建築の遅れ自体も、それでマンション価格が急落するかと言えば、それもないでしょう。
【マイホーム】
マンションの価格自体も大幅な下落は考えにくいので、値下がりを待つ!というスタンスよりは、慎重になるものの、買えそうなものが出たら買う、というスタンスで良いと考えます。
コロナウイルス騒動を機に、マイホームがかなり安く手に入るかもしれない!
というのは少し安易かもしれません。
【入居者】
《住居》
仕事がなくなる、収入が減る、という部分で、家賃が払えなくなる人は一定数でることが予想されます。
特に家賃帯の低いアパート系は注意です(1部屋あたりの家賃5万円以下)。
滞納者のほとんどは、低い家賃のアパートに住んでいる層です。
該当するアパートを所有している場合は、滞納の可能性を考えておく必要があります。
保証会社が付いていればいいですが、付いていない場合、滞納されると大家さんに家賃が入らなくなり、影響が出てきます。
収支にかなり余裕のある人であれば問題ないでしょうが、ギリギリの人であれば、滞納により赤字になることも考えられます。
《店舗》
インパクトありです。
店舗の借り手から家賃交渉が入るでしょう。
自粛が求められる中、売上がなければ家賃を払うのは厳しくなります。
このため、店舗系の物件を持っているオーナーであれば、一時的に家賃交渉される可能性は高いと思ってください。
最近弁護士を使った家賃減額交渉が流行っており、3か月~6か月ほどの期間を設けて、家賃の減額をしてもらう、というものです。
高い確率で成功するので、店舗を借りている人であれば交渉する価値はあると思います。
オーナーの立場からすれば、借入をして不動産購入している場合、ローンの支払いがあります。
このあたりが止まったり減額されたりしない限り、安易に店舗賃料の減額交渉に応じたくないのもよくわかります。
まとめ
色々な情報が流れる中、自分なりに考えられる力は身に着けておくべきです。
コロナウイルスで不況になるから、不動産価格は全て暴落する、という単純なものでありません。
不動産にも種類があり、影響も各分野で異なります。
新型コロナウイルス問題で、サラリーマン大家が行っている不動産投資の投げ売りなどは期待しないほうが良いでしょう。
多くの人が該当する、サラリーマン大家層での不動産賃貸業は、ほとんど影響が出ないでしょう。
私個人で考えても、不動産賃貸業には何の影響もありませんし、何の心配もありません。
不動産の価格は、金融情勢に左右されるので、金融政策が変わるようなタイミングで、価格の変化は起きるのです。
さらに、最近の不動産は、サラリーマン大家の登場により、参加者が激増しました。
プレーヤーが増えた、ということは、それだけ価格も落ちにくくなっているのです。
地方都市であれば、価格は下落の一途ですが(欲しいと思う人が少ない)、都内近郊の需要のあるエリアでは、欲しいと思う人が多いため、価格は下落しにくいのです。
プレーヤーの増加が価格を支える大きな要因にもなっているのです。
