この記事を書いた人
船橋寛之(ふなばしひろゆき)
1984年生まれ。
ドイツ育ちの不動産投資家。
不動産投資歴16年。
立教大学 経済学部卒。
リーマンショックの時に新卒で区分マンションを購入し、東京23区を中心に最大6棟55部屋を所有。
大和証券、大和総研に11年間勤務後、不動産コンサルタントとして独立。
現在は年間20億円以上の「非公開物件」仲介を行う。強みは「物件情報力」で、経験を活かしてセミナー講師や執筆活動にも携わる。
私生活では子供3人を育てる「ほぼ主夫」。
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不動産売却を検討する際、多くの売主が知らないうちに「囲い込み」という不利な状況に陥っているケースが後を絶ちません。
囲い込みとは、不動産会社が自社の利益を優先し、売主・買主双方から仲介手数料を得るために、意図的に他社への情報提供を制限する行為です。
この問題により、売却期間の長期化や価格の値下げ要求など、売主にとって深刻なデメリットが発生しています。
2025年1月からは新たな法規制も始まりましたが、完全な解決には至っておらず、売主自身が防衛策を講じることが重要です。
本記事では、囲い込みの仕組みから具体的な見抜き方、効果的な防止策、被害に遭った際の対処法まで、不動産売却を成功させるための実践的な知識を詳しく解説します。
本当にせこい業者は多いよ・・・
Contents
不動産の囲い込みとは?基本的な仕組みと問題点
不動産の囲い込みは、売主から売却依頼を受けた不動産会社が、自社のみで取引を完結させるために他社への情報提供を意図的に制限する行為です。
通常の不動産売却では、売主側の不動産会社が物件情報を広く公開し、多くの買主候補にアプローチすることで早期・高値での売却を目指します。
しかし囲い込みが行われると、この正常なプロセスが阻害され、売主にとって不利益な状況が生まれてしまいます。
不動産会社が両手仲介を狙う理由
不動産会社が囲い込みを行う最大の理由は、「両手仲介」による手数料収入の増加です。
通常の「片手仲介」では、売主側または買主側のどちらか一方からしか仲介手数料を受け取れません。
しかし両手仲介なら、売主・買主の双方から手数料を受領でき、実質的に2倍の収入を得ることができます。
例えば3,000万円の物件の場合、片手仲介なら約105万円の手数料ですが、両手仲介なら約210万円となり、不動産会社にとって魅力的な収益源となるのです。
囲い込みで使われる具体的な手口
囲い込みの手口は年々巧妙化しており、売主が気づきにくい方法が多用されています。
最も典型的なのは、他社からの問い合わせに対して「既に商談中です」と虚偽の回答をする方法です。
レインズ(不動産流通機構のデータベース)への登録を怠ったり、登録しても「一時紹介停止中」の状態にしたりするケースもあります。
内見の調整を意図的に遅らせる、物件資料の提供を拒む、条件の良い買主候補を他社に紹介しないなど、様々な妨害工作が行われているのが実情です。
売主が受ける深刻なデメリット
囲い込みによって売主が受けるデメリットは深刻で、経済的損失だけでなく時間的な損失も発生します。
最も大きな問題は売却期間の長期化で、本来なら数ヶ月で売れる物件が半年以上かかってしまうケースも珍しくありません。
売却が長引くことで、不動産会社から値下げを迫られる圧力も強くなり、結果として市場価格より安く売却せざるを得ない状況に追い込まれます。
また、住み替えや資金調達のスケジュールが狂うことで、新しい住まいの購入機会を逃したり、ローンの借り換えタイミングを失ったりする二次的な損害も発生する可能性があります。
さらに「売れ残り物件」というネガティブなイメージが定着してしまうと、その後の売却活動でも不利になってしまうという悪循環に陥ってしまいます。
売りたい値段で買主が見つかっても売れない可能性があるんだよ
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不動産の囲い込みされているかを見抜く5つのチェック方法
囲い込みは巧妙に行われるため、売主自身が積極的にチェックすることが重要です。
以下の5つの方法を活用することで、囲い込みの兆候を早期に発見し、適切な対応を取ることができます。
これらのチェック方法は、専門知識がなくても実践できるよう具体的な手順を含めて解説していきます。
レインズの登録状況を自分で確認する方法
レインズ(不動産流通機構)への登録状況は、売主自身が確認できる最も確実な方法です。
専任媒介契約または専属専任媒介契約を結んだ場合、不動産会社は契約から7日以内(専属専任は5日以内)にレインズへの登録が義務付けられています。
登録完了後に発行される「登録証明書」には、確認用のURLとIDが記載されており、これを使って物件の登録状況や取引ステータスをリアルタイムでチェックできます。
もし契約から規定日数を過ぎても登録証明書が渡されない、または登録されていない場合は、明らかな宅建業法違反として追及することができます。
営業報告の内容から怪しいサインを読み取る
専任系の媒介契約では、不動産会社から定期的な営業報告を受ける権利があります。
この報告内容から囲い込みの兆候を読み取ることが可能です。
報告で注意すべきポイントは以下の通りです。
・問い合わせ件数が異常に少ない(立地や価格に比べて)
→通常なら更なる問い合わせがあるはず
・内見件数が全く報告されない
→適正価格なら内見希望者は必ず現れる
・広告活動の具体性に欠ける報告
→「広く宣伝中」などの曖昧な表現のみ
・他社からの問い合わせについて言及がない
→正常なら他社経由の問い合わせも発生する
他社に問い合わせて実態を調査する手法
最も直接的で効果的な確認方法が、知人や家族に依頼して他の不動産会社から自分の物件について問い合わせてもらうことです。
この際、具体的な住所や物件の詳細を伝え、「購入を検討したい」旨を伝えて反応を見ます。
正常なら売主側の不動産会社から速やかに連絡があり、内見の調整などが始まるはずです。
しかし囲い込みが行われていると「既に商談中」「売主の都合で紹介不可」などの理由で断られたり、連絡自体が来なかったりします。
この方法は証拠としても明確で、不動産会社に対する追及材料としても有効です。
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内見や問い合わせ状況の異常なパターン
売却活動開始から一定期間が経過しても、内見や問い合わせが全くない状況は異常です。
立地条件が良く、価格設定も相場範囲内であるにも関わらず、反響が皆無という状況は囲い込みを疑う大きな理由となります。
特に以下のパターンは要注意です。
・売却開始から1ヶ月間、問い合わせが一件もない
→通常なら数件の問い合わせは発生する
・内見希望者が現れない
→適正価格なら必ず内見希望者は現れる
・近隣の類似物件は成約しているのに自分の物件だけ動きがない
→相場価格なら同程度の反応があるはず
不動産会社の対応で分かる危険な兆候
不動産会社の担当者の発言や行動から、囲い込みの兆候を読み取ることができます。
値下げの提案が異常に早い、他社からの問い合わせについて詳細を教えたがらない、広告活動の具体的な内容を説明しないなどの行動は警戒が必要です。
また「うちの会社に任せておけば大丈夫」「他社に情報を出すと買い叩かれる」といった排他的な発言も危険なサインです。
透明性のある営業活動を行っている会社なら、売主の質問に対して具体的で詳細な回答を提供するはずです。
逆に曖昧な回答や情報の出し渋りが見られる場合は、何らかの問題を隠している可能性が高いと判断できます。
不動産の囲い込みを防ぐ事前対策と不動産会社選びのポイント
囲い込み被害を未然に防ぐためには、不動産会社選びの段階から慎重に行動することが重要です。
事前の対策を講じることで、囲い込みのリスクを大幅に軽減し、安心して売却活動を進めることができます。
以下の4つのポイントを押さえることで、信頼できるパートナーと良好な取引関係を築くことが可能になります。
信頼できる不動産会社を見分ける基準
信頼できる不動産会社を選ぶためには、複数の判断基準を組み合わせて総合的に評価することが大切です。
まず重要なのは売却実績で、特に地域での成約件数や平均売却期間を確認しましょう。
営業担当者の説明が具体的で、質問に対して明確な回答をするかも重要な判断材料です。
以下の基準で評価することをお勧めします。
・地域での売却実績と成約率
→具体的な数字を提示できる会社を選ぶ
・営業担当者の知識と対応力
→専門用語を分かりやすく説明できるか
・広告戦略の具体性
→どのような媒体でどの程度宣伝するか明示
・過去の顧客からの評価
→口コミサイトや紹介実績を確認
透明性を重視し、売却活動の進捗を定期的に報告する姿勢があるかどうかも重要な判断基準となります。
媒介契約の種類選択で回避する方法
媒介契約の種類選択は、囲い込みリスクを軽減する最も効果的な方法の一つです。
専属専任媒介契約や専任媒介契約は1社独占となるため、囲い込みのリスクが高くなります。
一方、一般媒介契約なら複数の不動産会社と同時に契約でき、自然と競争原理が働いて囲い込みを防ぐことができます。
一般媒介契約のメリットは、各社が競って売却活動を行うため、より積極的な販促活動が期待できることです。
また、1社が囲い込みを試みても他社経由での売却が可能なため、機会損失を防ぐことができます。
ただし、複数社との調整が必要になるデメリットもあるため、自身の状況に応じて適切な契約形態を選択することが重要です。
契約前に確認すべき重要な質問項目
媒介契約を締結する前に、以下の質問項目について必ず確認し、不動産会社の姿勢を見極めましょう。
これらの質問に対する回答内容や態度から、その会社の信頼性や透明性を判断することができます。
確認すべき重要項目は以下の通りです。
・レインズへの登録タイミングと確認方法
→法定期限内の登録と確認用ID提供の約束
・営業報告の頻度と内容
→具体的な活動内容と数値データの提供
・広告活動の具体的な計画
→使用媒体、掲載期間、予算の明示
・他社からの問い合わせへの対応方針
→積極的な情報提供と内見調整の約束
これらの質問に対して曖昧な回答をしたり、詳細を教えたがらない会社は避けるべきです。
複数社での査定が持つ予防効果
複数の不動産会社に査定を依頼することで、相場の把握だけでなく囲い込み予防効果も期待できます。
各社の査定価格や売却戦略を比較することで、適正な市場価格を把握し、不当な値下げ要求を回避できます。
また、複数社が物件情報を把握している状況では、1社が囲い込みを行おうとしても他社からの監視効果が働きます。
査定時に各社の営業方針や売却戦略を詳しく聞くことで、最も信頼できる会社を選択する判断材料も得られます。
3〜5社程度の査定を受けることで、市場動向の把握と同時に、囲い込みリスクの軽減という二重の効果を得ることができるのです。
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不動産の囲い込み被害に遭った時の具体的な対処法
囲い込み被害が判明した場合は、速やかに適切な対処を行うことで損害を最小限に抑えることができます。
感情的になりがちですが、冷静に証拠を整理し、段階的に対応を進めることが重要です。
以下の4つの対処法を状況に応じて選択し、組み合わせて実行することで、効果的な解決を図ることができます。
不動産会社との契約解除
囲い込みが明らかになった場合、媒介契約の解除を検討することが最初のステップとなります。
専任系の媒介契約であっても、不動産会社に明らかな契約違反がある場合は、売主から一方的に契約を解除することが可能です。
特にレインズへの未登録や虚偽報告は宅建業法違反にあたるため、正当な解除理由となります。
契約解除にあたっては、書面で解除通知を送付し、解除理由を明確に記載することが重要です。
解除通知には、囲い込みの具体的な証拠(他社からの問い合わせ結果、レインズの登録状況など)を添付し、後日のトラブルを防ぐため内容証明郵便で送付することをお勧めします。
宅建業法違反として通報する
レインズへの未登録や虚偽の取引状況報告は明確な宅建業法違反であり、監督官庁への通報が可能です。
通報先は、不動産会社の本店所在地を管轄する都道府県の宅建業担当部署となります。
通報時には以下の証拠資料を整理して提出します。
・媒介契約書のコピー
→契約内容と義務の確認
・レインズの登録証明書または未登録の証明
→登録義務違反の立証
・営業報告書
→虚偽報告や報告義務違反の証拠
・他社への問い合わせ結果の記録
→囲い込み行為の具体的証拠
監督官庁による調査の結果、違反が認められれば指示処分や業務停止処分が科される可能性があります。
可能なら損害賠償請求する
囲い込みによって売却期間が長期化し、値下げを余儀なくされた場合は、損害賠償請求を検討することができます。
損害の算定は複雑ですが、一般的には適正価格との差額、延長された期間の機会損失、追加で発生した費用などが対象となります。
ただし、損害と囲い込みとの因果関係を立証する必要があり、専門的な知識が必要になります。
損害賠償請求を行う場合は、不動産取引に詳しい弁護士に相談することを強くお勧めします。
請求にあたっては、売却予定価格と実際の売却価格の差額、売却期間の延長による維持費用の増加、住み替えの遅延による機会損失などを具体的に算出し、証拠とともに整理することが重要です。
新しい不動産会社へ切り替える
契約解除後は、信頼できる新しい不動産会社を速やかに見つけることが重要です。
前回の経験を活かし、より慎重に会社選びを行うことで、同様の被害を防ぐことができます。
新しい会社との契約時には、前回の囲い込み被害について説明し、透明性の高い売却活動を求めることを明確に伝えましょう。
また、一般媒介契約を選択することで、囲い込みリスクを軽減することも可能です。
新会社選択時の重要ポイントは、囲い込み防止への取り組み姿勢、営業活動の透明性、定期報告の充実度などです。
前回の失敗を教訓として、より良い売却パートナーを見つけることで、目標とする売却を実現することができるでしょう。
2025年法改正で変わる不動産の囲い込み規制
2025年1月から、不動産の囲い込み防止を目的とした新たな法規制が施行されました。
この改正により、不動産会社の義務が大幅に強化され、売主の権利も拡充されています。
これまで曖昧だった部分が明確化され、囲い込み行為に対する罰則も厳格化されたことで、不動産業界全体の透明性向上が期待されています。
この体質がなかなか変わらないんだよね~
レインズのステータス管理義務の強化
新しい規制では、レインズに登録する物件情報の「取引状況(ステータス)」を常に最新の状況で管理することが義務付けられました。
従来は登録さえすれば良いとされていましたが、現在は「公開中」「書面による購入申込みあり」「売主都合で一時紹介停止中」の3つの状態を正確に反映させる必要があります。
特に「売主都合で一時紹介停止中」については、売主の実際の意思確認なしに設定することが禁止されました。
この変更により、不動産会社が勝手に「紹介停止」状態にして囲い込みを行うことが困難になり、売主自身がリアルタイムで物件の公開状況を把握できるようになりました。
ステータスの更新は迅速に行う必要があり、遅延や虚偽の設定は宅建業法違反として処分対象となります。
違反時の指示処分と業務停止
最も重要な変更点は、取引状況の虚偽報告が宅建業法の指示処分対象となったことです。
従来は囲い込み自体に対する明確な罰則がありませんでしたが、レインズのステータス管理で虚偽の情報を登録した場合は処分が科されることになりました。
処分の段階は指示処分から始まり、改善されない場合は業務停止処分まで段階的に重くなります。
違反の内容や頻度によっては、より重い処分が科される可能性もあり、不動産会社にとって大きなリスクとなっています。
この処分制度により、不動産会社は囲い込み行為を行うリスクが格段に高くなり、適正な売却活動を行う動機が強化されました。
また、処分を受けた会社は業界内での信用失墜も避けられないため、予防的効果も大いに期待されています。
売主に新たに与えられた権利
新規制により、売主は従来よりも強い権利を獲得しました。
最も重要なのは、レインズの登録証明書の交付が完全義務化され、不動産会社は登録内容について分かりやすく説明する責任を負うことになった点です。
売主は確認用IDを使って、いつでも自分の物件の登録状況と取引ステータスをチェックできます。
また、取引状況に疑問がある場合は、不動産会社に対して詳細な説明を求める権利も強化されました。
不動産会社は売主からの問い合わせに対して、合理的な説明を行う義務があり、曖昧な回答や説明拒否は監督官庁への通報対象となります。
これらの権利強化により、売主は自らの物件がどのように扱われているかを正確に把握し、必要に応じて適切な対応を取ることができるようになりました。
今後の不動産業界に与える影響
新しい規制は不動産業界全体に大きな変化をもたらすと予想されます。
まず、囲い込みを常習的に行っていた会社は、業務方針の抜本的な見直しを迫られることになります。
透明性の高い営業活動が求められるため、売主への報告体制の充実や、他社との連携強化が不可欠となるでしょう。
一方で、既に適正な営業活動を行っている会社にとっては、競争上の優位性を確保する機会となります。
長期的には、業界全体の信頼性向上と消費者保護の強化が進み、不動産取引がより安心できるものになることが期待されています。
ただし、規制の実効性を高めるためには、売主自身の意識向上と積極的な監視も重要な要素となっており、業界と消費者が一体となった取り組みが求められています。
まとめ:不動産 囲い込み対策で安心できる売却を実現しよう
不動産の囲い込みは、売主にとって深刻な損失をもたらす問題ですが、適切な知識と対策により回避することが可能です。
2025年の法改正により規制は強化されましたが、完全な解決には至っていないため、売主自身が積極的に防衛策を講じることが重要です。
本記事で解説した5つのチェック方法を活用し、信頼できる不動産会社選びから始めることで、囲い込みリスクを大幅に軽減できます。
レインズの登録状況確認、営業報告の精査、他社への実態調査などを通じて、常に売却活動の透明性を確保しましょう。
万が一囲い込み被害に遭った場合でも、契約解除、通報、損害賠償請求などの対処法を適切に実行することで、被害を最小限に抑えることができます。
最も重要なのは、不動産会社任せにせず、売主自身が主体的に売却活動に関わることです。
適正な市場価格での早期売却を実現するために、本記事の対策を実践し、安心できる不動産取引を進めていきましょう。
不動産売却は人生の中でも重要な決断の一つです。
囲い込み対策をしっかりと行い、信頼できるパートナーと共に、納得のいく売却を実現してください。







