貸会議室って実際儲かるのでしょうか?
利回り50%!
なんて聞きますが、本当にそうでしょうか?
私自身、貸会議室を運営して3年以上経過します(2020年現在)。
フロアーを丸ごと借りてコアワークスペースを作るようなものではなく、小さい物件を貸会議室用に借りて、それを転貸するものです。
多くの人が、副業や手軽な投資として検討されたことがあるのではないでしょうか。
関連書籍も多く出ています。
私が3年間やってみて感じるメリットとデメリット(リスク)について解説します。
始める前にしっかりとリスクを把握しておかないと、損を出して失敗に終わることもあるでしょう。
弊社では貸会議室の運営サポートも行っております。
貸会議室の損益分岐
どうやったら勝てるのか
どうなったら負けるのか
というお話です。
難しくありません。
貸会議室では、部屋を借りるので、そこでかかる家賃に加え、公共料金や無料WIFIを導入している場合は、それらの費用がかかります。
さらに、運営を外注しているケースにおいては、清掃費用を含めた費用がかかります。
かかる費用を合計します。
・家賃
・WIFIなどの設備費
・公共料金(電気、水道など)
・清掃費
・運営代行費
その合計費用を、会議室の売上が勝れば勝ちで、下回れば負けです。
かかる費用の総額 VS 会議室の売上
になるのです。
簡単ですね。
貸会議室を始める前に知っておくべきこと
貸会議室におけるリスクの話です。
会議室をオープンしたものの、予約があまり入らなければ、前述した会議室の売上が、費用総額を下回るので、負けになります。
当たり前の話ですが、マイナスが普通にあり得ます。
最初の方は、価格を安く設定して、損を覚悟してでも、貸会議室そのものを認知してもらう必要があります。
個人的な感想ですが、値段を下げると、相応の反応がある世界だと感じています。
価格が高い時には全然予約が入らないのに、価格を下げるといきなり予約が入る、というものです。
要するに、会議室に予約が入るであろう、相場があるわけです。
これを最初は、周辺の会議室と比較しながら探ります。
貸会議室を始める前に、知っておいてほしいことを挙げます。
【売上の30%が手数料として徴収される】
これ、すごく痛いです。
会議室は、スペースマーケット、スペーシー、インスタベースという貸会議室予約専用サイトなどに掲載する必要があります。
この掲載手数料が、売上の30%なのです。
10万円の会議室売上があっても、手取りが7万円になる、ということなのです。
一番の打撃は、この手数料の高さにあります。
もちろん、独自で予約が取れるような強者は良いですが、通常は貸会議室サイトに掲載しないと、予約はほとんど入らないと思ってください。
先ほど挙げていた費用総額を、この手数料を加味した上で上回る必要がある点が、結構難しいのです。
手数料が高額であるが故に、当初想像していたような利益は出にくいと感じます。
例えば、費用総額が10万円だとします。
会議室の売上が10万円であれば、そこから手数料が30%徴収されるので、手取りは7万円です。
結果、マイナス3万円になります。
手数料30%が徴収された上で、なお費用総額を上回るためには、ザックリ15万円の売上が必要になります。
要するに、費用総額×1.5倍の売上が、損益分岐点になるのです。
これは思ったより高い数字で、達成は簡単ではありません。
貸会議室のメリット
投資商品なので、利益の追求が可能な点は、メリットの一つであることは間違いありません。
しかし、個人的には意外なところにもメリットがあると思っています。
貸会議室は、平均的に毎月300名ほどが利用します。
リピーターもいるので、厳密には新規で300名ではありませんが、それでも大きな数字です。
もしあなたが何か別の事業をやっていて、その会議室に、宣伝となる「何か」(備品、ティッシュ、マスク、クリアファイル、チラシ、ポスターなど)を配置できるとしたら、いかがでしょうか。
毎月300名の目に、自分のビジネスが触れる機会があるのです。
私は、ポケットティッシュを会議室に配置しています(補充は運営側に委託)。
ティッシュの裏側にラインアットのQRを載せておき、登録者に特権を与える、というものです。
会議室が5つあれば、毎月1,500名に対して、ティッシュでアプローチできるわけです。
自分自身にビジネスがある場合は、このような使い方が可能であり、貸会議室は非常に有効です。
実際に自分のビジネスで広告を考えると、それなりの費用がかかります。
一度でも検討したことがある人であればわかると思います。
それを、自分の会議室でできるとしたら、これは大きなメリットになります。
宣伝効果があるのであれば、会議室が赤字でも問題ありませんね(もちろん黒字が望ましいですが)。
貸会議室で勝敗を分けるポイント
成功する会議室と、失敗する会議室の分かれ目はどこにあるのでしょうか。
失敗するポイントをまとめます。
1.会議室が既に多く存在している場所に参入
会議室は、手軽に始められるので、現在は数多く存在します。
新宿、渋谷、日本橋なら需要があるだろう!
というような単純な発想ではダメです。
このようなエリアには、既に会議室が無数に存在しているので、新規参入しても負ける可能性の方が高いでしょう。
2.家賃が高すぎる
個人的には、10万以上の家賃にはリスクがあると思っています。
前述した通り、費用総額の1.5倍を売り上げる必要があるので、高い家賃になると、その分確保しなくてはならない売上も多くなります。
常に安定して売上が上がるとも限らないので、家賃は低いに越したことはないでしょう。
3.運営会社の能力が低い
会議室は、見せ方や写真の載せ方でも予約率が変わると感じます。
弊社が委託している運営会社は優秀ですが、同じエリアに複数の運営会社で経営されている会議室があると、その差は顕著です。
部屋の面積や、駅からの徒歩はそこまで差がないのに、予約率には開きが出てきます。
運営会社が掲載している写真であったり、運営している他の会議室を見てみることをお勧めします。
ダメな運営会社に委託して貸会議室を始めると、後戻りが大変です。
まとめ
貸会議室の利回りは、25%~35%ほどだと思います。
もちろん、これを上回るものもあれば、下回るものもあります。
利回り50%を達成するのは、まだ会議室ができていないことろなどを狙い、それが大当たりして順調に推移しない限り、難しいと感じます。
25%ほどの利回りなので、初期投資を回収するのに、4年くらいかかると考えてください。
地味に長いのです。
このため、何か別の目的で貸会議室を始めてみると良いと思います。
一つは、当記事で挙げた、広告として使うというものです。
貸会議室に自社サービス商品を配置したりすれば、少なくともそれなりの人の目に触れます。
そこから少しでも流入があれば、こんなに嬉しいことはありません。
初期投資分をすぐに回収するつもりで貸会議室を始めると、予約率が悪い間はストレスになることもあります。
少し気長に考えてみると良いでしょう。
トータルで考えれば、十分利益は出てくると思います。
さらに詳しく知りたい方は以下を参照願います。